内田真哉先生 人生はプレイフルラーニング 幼稚園のときに生まれる希望を持続可能にする教育を実践
★昨日、内田真哉先生と対話をしました。鈴木裕之さん主宰のGWEで次のようなテーマでお話をお聴きしました。<GLICC Weekly EDU 第85回「PBLの真髄ー内田真哉先生との対話~PBLの真髄」>。
★内田先生は、公立学校、聖学院を経て、現在はみずき野幼稚園の理事長。中高生とのかかわりの真髄が、実は園児とのかかわりとの真髄とシンクロしていると語ります。内田先生は、様々なプロジェクトを生徒と共に歩むことによって、かかわりを広げ深めています。
★最近経産省や文科省でPBLなる学習手法が推奨されていますが、内田先生のPBLは手法というより人生そのもの、生徒自身及びその自分自身がかかわる他者との命の躍動を大事にしています。
★学校法人聖学院のインタビュー記事の表題は、「先生が楽しそうじゃなかったら生徒は社会に希望を持てない」。まさに内田先生の人生はプロジェクトであり、何よりプレイフル。たしかに、楽しいからこそ希望が生まれます。
★この希望は幼稚園の頃は、みな持っているのに、いつの間にか、知識暗記や理屈優先的な学びで、希望がみえなくなっていることは否めません。しかし、希望はなくなったわけではないわけですから、内田先生は、希望を取り返す教育の連続体、幼稚園から大学まで、そして大人になてからも生涯通じて持続可能にする教育を多様なプロジェクトを実践しながら、理論構築もしています。
★ESLやレゴを通した学習理論も地に足ついた考え方を組み立てています。
★プレイフルは、豊かな感情を生み、その豊かな感情は幸せな人間関係を生み出し、その心理的安心という環境から創造性が生まれてきます。その環境は、しかし、頭の中で考えたりするだけではなく、たとえばレゴで生徒が自分の想いをカタチにしていくことができる環境です。
★文字で表すと、時系列に並んでしまいますが、内田先生の幼稚園における教育活動の話を聴いていると、豊かな感情、幸せな人間関係、創造性は、順番に出てくるのではなく、園児がレゴを活用したり農業活動などをしていると、いっぺんにすべてが降りてくる感じなのだということに気づきました。
★一方で、園児や生徒が自然とかかわると、自分ではどうしようもない局面にぶち当たり、そこで自分たちは、何を感じ、どのように行動し、どう判断するのかという経験も大事にしています。
★さらに、園児はそもそも1人で行動はできません。先生方がサポートするのはもちろんですが、内田先生は、聖学院の生徒も巻き込みます。いや内田先生が聖学院の生徒に巻き込まれているのかもしれませんが、ともかく、多くの他者がかかわってサポートしています。
★この多様な人間関係やネットワークを大事にすることはまさにスリリングでプレイフルです。この多様性は、聖学院のプロジェクトでも重要なようです。
★とにかく、内田先生のお話は、多様な具体的な体験が中心です。ですから目に浮かぶような話であり、引き込まれていきます。同時に、その体験に理論を重ね合わせているところが、ますますすてきです。だからこそ、その教育活動が他校の先生方にも共感を生み、拡大しているのです。ぜひご視聴ください。日本の教育に、大きな希望があることを実感できます。
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