第31回「全国カトリック学校 校長・教頭合同研修会~柔らかくラディカルに
★昨日と本日、第31回「全国カトリック学校 校長・教頭合同研修会」がZoomで行われました。全国のカトリック校の校長・教頭が120人以上集結。テーマは、「これからのカトリック学校における教育共同体~気づきと養成~」でした。基調講演者が3人とサレジアン国際学園の実践報告が行われ、2度ほど分科会にわかれ、ブレイクアウトルームで対話をするというプログラムでした。
★いずれの演者も、伝統と革新の統合の話だったと思います。校長といっても、神父やシスターもいて、人間的変化の話は、うけつけられないというイメージがあるものですが、今回は柔らかくもラディカルな変容の響きがありました。
★最初の講演は、シスターでもある原敬子准教授(上智大学神学部准教授、援助修道会会員)によるものでした。「ミッション・スクール(カトリック学校)のミッションを再考する」がテーマです。
★聴きながら、たぶん理解がズレていると思いますが、私なりに勝手に腑に落ちたのは、制度モデルとパーソナルモデルの関係性の歴史的変化、それを原先生はパラダイム転換と呼び、ディヴィット・ボッシュにしたがって、啓蒙主義以前と以後では、ミッションの捉え方が転換したのだと。
★制度もパーソナルも与えられたものから生み出すものというミッションを認識するパラダイムに変わったのだと。もちろん、その生み出されたものが、スピリチュアリティとして妥当かどうかという問題はあります。その妥当性を見出すために分かち合いという対話がおそらくあるのでしょう。
★これは、世界の聖職者が集う会議でも対話やディスカッションの機会が多いというところからもおよそ推測できます。
★しかし、今回の講演では、カトリック学校は、もしかしたら、まだパラダイム転換をしていないかもしれないと、柔らかく突き付けられたような気がします。
★原先生は、学者なので、その事実性をいろいろな論文や書籍でその信頼性を担保しながら丁寧に語られていました。
★勤務校は、すでに神父もシスターもいないカトリック校ですから、教職員や生徒の内面にパーソナルなスピリチャリティが生まれる環境や学びのプログラムを創っています。原先生のお話とはシンクロする部分がたくさんありました(と勝手に思っています)。
★共に参加した教頭とも、そこは共感できたのは、今後のカトリックミッション校として新たに歩んで行くことができるなと勇気をもらえたような気がします。
★カトリック校がサバイブするには、リベラルアーツとスピリチャリティの統合教育だと私は思っています。それはたしかにエキュメニカルな宣教パラダイムを認識する必要はあるかもしれません。黄金律は、キリスト教の精神というのではなく、あらゆる宗教や民族などの違いを超えて共通する精神だと国連では認識しています。これはおそらく1910年ごろから生まれたエキュメニカルな宣教パラダイムともシンクロしているでしょう。
★そのような関係性が結ばれることに気づいたのは、原先生のお話をお聴きしたからです。ありがとうございました。
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