第31回「全国カトリック学校 校長・教頭合同研修会(2)~トルネードリフレクションと俯瞰視点とミッションのダイナミズム
<第31回「全国カトリック学校 校長・教頭合同研修会~柔らかくラディカルに>のつづき。
★シスターでもある原敬子准教授(上智大学神学部准教授、援助修道会会員)の講演は、インスピレーションが降りてくるという感じでした。missionの語源はラテン語の<mittere>。「送る」を意味しているということです。これを聴いて、私はミッションの意味に「越境」が含まれるているなあと感じたのです。
(パーソナルモードでも組織モードでもこのダイナミズムは起こりうる)
★原先生は、カトリックには、ミサや祈りの時のロザリオや様々な媒介項によってリフレクションの契機があって、それが平面的な運動ではなく、リフレクションの繰り返しが俯瞰視点を生成していくというような図を提示されていました。原先生の本意とはズレているかもしれませんが、私なりに図にしてみました。
★この図のイメージは、リフレクションはまるでトルネ―ドのように上昇気流を生み出すということです。
★俯瞰視点があるから、上昇気流が生まれるのか、上昇気流が生まれるから俯瞰視点が生まれるのか、たぶんその両方でしょう。
★俯瞰視点もあるところまでは、先入観が含まれているかもしれません。ですから俯瞰視点もまた、リフレクションによりエポケーされるわけです。
★それゆえ、あるところで、パラダイム転換が生まれるのだと思います。
★そして、俯瞰視点がそのままミッションとイコールになるというより、ミッションと俯瞰視点は漸近線のように近づくけれど、一致はしないという関係なのではないか。地軸が一定の傾きを持っているのではなく、揺れるので、地軸としての働きがあるように、頑なな目標をミッションだと思い込んでいるのを揺さぶるのが、トルネードリフレクションなのだと。
★よく自分軸はブレてはいけないとメタファーで語られますが、自分軸はある一定の範囲で「アソビ」があるわけですね。それによって、俯瞰視点を自己俯瞰する作用があるのだと。
★ただ、やはりそれに気づくには、対話やディスカッションや共有、共感も大切だということでしょう。なぜなら、軸の揺れはそんなに大きいわけではあにのですから、気づかない場合がほとんどです。
★ミッションスクールには、リフレクションと俯瞰視点をスピリチュアリティを有した俯瞰視点であるミッションの関係を模索するミサや礼拝、宗教や聖書の授業があります。
★IBのTOK領域に「宗教」というのがありますが、ミッションスクールの「宗教」は、IBのTOKのようなプログラムエッセンスを導入することで、トルネードリフレクションー俯瞰視点―ミッションのダイナミズムが生まれ、未来の希望を見通せる人間力を育成することができるのではないかと考えるにいたったのです。
★夏期講習の講座で、キリスト教系の大学を志望する生徒向けに「宗教と現代社会」のミニワークショップ型の講義を受け持ちます。数学科と保健体育科の教師とコラボして行います。上記の図を意識してプログラムを分かち合っていきたいと思います。
★なぜ数学科の教師と保健体育科の教師がコラボしてくれるかについては、いずれ触れたいと思います。極めて重要ですから。
| 固定リンク
« 太田晃介先生 100分で語るTOKの真髄 水都国際の生徒の未来が開かれるわけ | トップページ | 第31回「全国カトリック学校 校長・教頭合同研修会(3)~自分より大きな存在に出会う新しい表現教育「シネリテラシー」 »
「創造的対話」カテゴリの記事
- 2025年中学入試動向(15)日大豊山女子 新タイプ入試60%占める ルーブリックも公開(2024.11.25)
- 2025年中学入試動向(13)和洋九段女子 生徒の才能が豊かになる生成AIの使い方勉強会はじまる(2024.11.24)
- 聖学院の教育宇宙(3)すべての教育活動をつなぐ存在としての授業があった <奇跡の男子校>(2024.11.23)
- 聖学院の教育宇宙(2)すべての教育活動をつなぐものが生まれる仕組み化(2024.11.22)
- 聖学院の教育宇宙(1)すべての教育活動がつながっている(2024.11.22)
「教育イノベーション」カテゴリの記事
- 2025年再び転換の起点(4)ウェルビーイングな中学受験をプロデュースする首都圏模試の価値創出(2025.01.06)
- 2025年再び転換の起点(3)残念ながら受験読解力の限界を認識する必要がある(2025.01.05)
- 2025年再び転換の起点(2)論語と算盤ー倫理資本主義がベース(2025.01.05)
- 2025年再び転換の起点(1)3fの時代へ転換するHRP トリムタブ再考/最高(2025.01.04)
- 今年最終日、中学入試直前の12月のアクセスを振り返る。今年もご覧いただきありがとうございました。(2024.12.31)
「PBL」カテゴリの記事
- 2025年中学入試動向(35)富士見丘 学習指導要領をそのままグローバル教育化としてトランスフォーメーションに成功(2024.12.15)
- 八雲学園をカリフォルニアから考える(了)英語祭の意味 グローバルSTEAM探究教育(2024.12.14)
- 八雲学園をカリフォルニアから考える(5)UCサンタバーバラで学ぶ八雲生(2024.12.12)
- 工学院(2) 田中教頭インタビュー第2弾 オープンマインドの世界に通じる意味(2024.12.12)
- 聖書・宗教の授業・礼拝 聖ドミニコ学園・聖学院・桜美林・恵泉・湘南白百合・女子学院・普連土など 自己を見つめ世界の痛みに向き合い対話し言葉を紡ぐ(2024.11.26)
「聖パウロ学園」カテゴリの記事
- 聖パウロ学園高等学校 愛ある若き教師チーム(2)生徒1人ひとりの思考動のコンセプトレンズが生まれる愛の教育(2024.08.31)
- 聖パウロ学園高等学校 愛ある若き教師チーム(2024.08.29)
- 聖パウロ学園 なぜ人気があるのか 「経営と教育」について教員研修(2024.04.04)
- 【速報】聖パウロ学園 奨励賞(3位)グリーンインフラ・ネットワーク・ジャパン ポスターセッションで(2024.02.21)
- 聖パウロ学園高等学校 推薦入試出願始まる。(2024.01.15)
最近のコメント