太田晃介先生との対話を楽しみにしています。
★今週金曜日、GWE(GLICC Weekly EDU)で、太田晃介先生(大阪府立水都国際中学校高等学校 - 高等学校教頭)と対話します。事前のちょっとした対話で、文理融合とか、サイエンスマスを文系のカリキュラムでどう活用しているのかという問答になったとき、TOK(Theory of Knowledge)の話になりました。哲学とはちょっと違うけれど、おそらくそれもベースになっている「知の理論」。IBコース以外でもTOKの授業は実施されていると思います。もしそうだとするとすごいなあと、短いチャットのやり取りでしたが、感じ入りました。
(同校に取材しにいったときの写真)
★というのも、太田先生によると、「TOKをやればやるほど、自然科学的手法と、人間科学的手法の違いが薄れていきます。。。いくつかの手段や手順を用いる(経る)ことによって、データの信頼性、信ぴょう性を担保したものを、信じるという感じですね。たとえば、お金の価値はどう決まっている?というところに行きついていきます。」
★つまり、価値認識のクライテリアを巡るという哲学的考察の話を太田先生はされるのです。
★もともと太田先生は理科の先生だし、大学院でも研究していましたから、当然そのようなクライテリアの設定と仮説検証の思考のアポリアについては考察続けていたことでしょう。
★それが、高校時のTOKと結びついたのではないでしょうか。
★TOKは、かなり洗練された現代の哲学的というか文化人類学的というか社会学的というか科学哲学的というか、そのようなものを高校バージョンに統合している興味深い学びのプログラムです。
★知るとは何か?知る自分とは何か?Whatの意味するところは何か?そもそもI think~because~の構造で語ることは真なのか信なのか?デカルト的なクリティカルシンキングが発動するあるいはデカルト的な問いが生成される学びのプログラム。
★太田先生のお話をお聴きしていると、哲学的ジャーゴンは使わないけれど、つまり誰でもが理解できる数学的発想に置換えて、結局はフッサール的なデカルトをさらにデカルト化する話になっています。
★考えてみれば、デカルトぐらいまでの時代の思想家は、哲学だけやっているわけではなく、自然科学も芸術も文学も数学もなんでもアリアリでした。リベラルアーツと言えばそれまでですが、もしかしたら、TOKは、そのような多角的というか横断的な思索を現代化しているのかもしれません。
★先ほど、明日長崎で私立学校の研修を行うという平方邦行先生(日本&東京私学教育研究所所長)と電話で話しましたが、究極のところ個人が哲学や芸術を身に着けられる学びをどう設定するかだというところに行き着きました。もちろん、そのためには、オープンマインドが必要で、それゆえのグローバルだし、PBLだし、リベラルアーツの現代化が必要なのだと。
★太田晃介先生の話とも重なるところがあり、今日はすてきな思索の時間を過ごせました。
★そうそう、おもしろいことに、ものごとの認識や判断のクライテリアは、何によって創られるのかという回答が意外なところにあったのにちょっと驚きました。それは金曜日のGWEで。ご期待ください。
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