第31回「全国カトリック学校 校長・教頭合同研修会(3)~自分より大きな存在に出会う新しい表現教育「シネリテラシー」
★2人目の講演は、千葉くららさんのシネリテラシーの事例を通して、表現力の新たな可能性を巡るお話でした。千葉さんのプロフィールは資料によると、次の通りです。
神奈川県生まれ。高校時代にオーストラリア・シドニーに留学。Australia Catholic University(人文社会学部)卒業。帰国後、2015年から震災後の福島で災害被災地での地域理解としての映像教育や東京都における多文化共生をテーマにした映像教育などに関わっている。NHK高校講座や放送大学などの教育番組の制作、民放、NHKワールドなどの番組制作に携わっている。
★映像教育=シネリテラシーとは何かは、福島県の広野町のプロジェクト報告があります。詳しくそれでいてわかりやすいので、ぜひご参照ください。
(図は広野町の実践報告書の中から)
★シネリテラシーは、ドラマやダンス、音楽などの教育と同じ効果を有していますが、極端な話スマホででもできるので、あらゆる生徒が接近できる表現方法です。
★自分ではコントロールできない大きな存在(それは善でもあり災害でもある)に出会ったとき、それに立ち臨む人間の強さや弱さを大づかみに表現する試みです。
★千葉くららさんは、シネリテラシーという言葉が使われていなくても、教科の授業や探究活動などPBLを行っているところは、すでに実質的に行っているケースも多いといいます。
★好奇心、創造性、プロジェクト、協働性、新しい発見、多角的なものの見方などが、確かに刺激されますが、映像の力はなんといってもインスピレーションが漂う不思議なエネルギーがあります。
★しかも、自分で物語を編集するわけですから、そこにスピリチュアリティが降りてくるのは当然です。スピリチュアリティとは、必ずしも霊性ではなく、自分を超えている大きな存在への畏敬の念や共感、感動などの心性です。
★勤務校でも、国語科はシネリテラシー的なスライド編集や物語編集をする時間をとっています。また、志望理由書は、高3に上がる段階で、みな書きます。志望理由書を必要としない一般選抜を受験する生徒も書きます。
★志望理由書は、ある意味自分とは何かについて、物語編集を通して、深めていく道行でもあるからです。最近の総合型選抜では、動画を提出するところもあります。なるほど、志望理由書などを書くだけではなく、動画で編集する機会も作ってもいいかもしれません。
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