東京私学教育研究所紀要第70集~中央大学附属の先進的研究 掲載
★東京私学教育研究所は、年間通じて、教科や特別活動、経営関連など多くの研修を企画実施しています。その研修を企画するためには各委員会が形成され、各校から有志の教員が委員として参加しています。それ以外にも、同研究所は研究協力校として指定している学校があります。その研究の中間報告や最終報告は、学校でその実践例を発表したり、紀要に論文掲載をしたりしています。
★そこでは、実に本質的で先見性・先進性のある独自の教育が開発され実践されているのです。しかしながら、学校説明会や学校案内などには、その詳しい内容は発信されません。発信したとしても、かなり専門的で難しい話もあるので、PRとしては限界があるということでしょう。
★とはいえ、それぞれの学校の教育の本質こそが、日々実践されているわけです。もし、説明会や学校案内に表現されたことだけが教育だとすると、どうでしょう。ちょっと考えるだけで、成り立たないということがわかるはずです。
★ですから、もう少し突っ込んんだ話や中高の先生方も研究をしているのだということがわかる情報発信も必要です。研修をとおして、研究へと深まっている教師がたくさんいる学校の教育力は本物教育を持続可能にするからです。
★2022年3月に発刊された「東京私学教育研究所紀要第70集」には、中央大学附属中学校・高等学校のお二人の先生が論考している「行動する知性を育む~コンピテンシー自己評価アンケート分析~」という論文が掲載されています。
★同校は、90%弱が中央大学に進むし、10%強は国公立大学や総合型選抜などで他大学を受験します。
★ですから、受験勉強で進路実現をする以上に、進路先で専門的な活躍ができる素養としてコンピテンシーを育成する必要があるのでしょう。進路先でも活躍できるトランジション教育の一環として生徒自身が、自らのコンピテンシーを知り、強みを伸ばし、弱みを強みに変えるセルフマネジメントができるようになるということでしょう。
★自らのポテンシャルを豊かに、それをカタチに変えるべくセルフマネジメントする。そして教師はその環境をつくるカリキュラムマネジメントをする。その2つのマネジメントの合力が生まれているのだと思います。
★こうして、はじめて主体的・対話的で深い学びの現実態ができるからです。
★いずれにしても、中央大学と幾つかの学校と協力し、データサイエンス的な取り組みもしています。本格的な論文ですね。
★そういえば、2009年に、中央大学理工学部は、文科省の「大学教育・学生支援推進事業」【テーマA】大学教育推進プログラムに採択され、「段階別コンピテンシー育成教育システム」の事業に取り組んでいました。それが継承されているかどうか追跡はしていませんが、今では、中央大学のコンピテンシ自己評価システムは<C-compass>と呼ばれ、それを読み替えて<Chufu-compass>も策定したようです。
★グループの知的資産を活用した、他の追随を許さない先進的で独自の「見えない学力」という本物の学力あるいはポテンシャルを生成するシステムを構築する先生方が存在する学校です。そのことに受験生も気づくとよいですね。
★自然と興味や関心を持つ体験もあるし、自分が気づかない興味と関心を自己発見するシステムもある学校はそう簡単には見つからないのです。
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