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2022年6月 5日 (日)

Eテレのアンコール放送 ロジェ・カイヨワやアリストテレス

★2022年2月24日ウクライナ侵攻が始まって、6月3日で100日攻防が続き、現在も止まることなく102日目が過ぎようとしています。そんな中、NHKが私たちが今何を考えどういう道を歩むのか、間接的に支援する番組を流しています。4月4日には、2019年8月に放送した「ロジェ・カイヨワ“戦争論”」を一挙放送しました。

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★また、明日6月6日は、「100分de名著 アリストテレス“ニコマコス倫理学”[終](4)“友愛”とは何か」がアンコール放送されます。

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★NHKは、ミヒャエル・エンデの「モモ」の背景にすでにある新しい資本主義のような構想をずっと追跡しています。時には里山資本主義として番組をアレンジしたり、21世紀に入ってからはずっと欲望の資本主義をドキュメンタリーで追跡し、それを乗り越える考え方をしている様々な学者を召喚してインタビュー番組をつくっています。最近ではマルクス・ガブリエルさんや落合陽一さんが頻繁に登場しています。

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★ミヒャエル・エンデの「果てしない物語」は1982年に邦訳され、1985年に日本でも映画が公開されました。1985年といえば、プラザ合意がなされ、バブルとその崩壊と20年の経済空白を生んだ欲望の資本主義の渦が発生する起点だと言われています。

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★そして、その10年後の1995年は、国内は大惨事とIT革命の日常化の始りという光と影の渦巻く年でした。NHKが出版した「ソフィーの世界」がベストセラーになった年でもあります。

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★このように、惨劇のあるたびに、哲学書が世に出てきました。21世紀に入り9・11があり、2003年にはイラク戦争が起こり、グローバリゼーションの影が世界を覆うようになると、ちょうどその時、なんとか希望をという信念に突き動かされたかのように池田晶子さんは「14歳からの哲学」を出版しました。今もZ世代にとって人生の思索のランターンとなっています。

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★2011年の3・11の時には、東浩紀さんの「一般意志2.0」が出版されたのも、リスボン大地震のときに、やはり世の支えとなった啓蒙思想の捉え返しが必要とされたからでしょう。

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★そして、コロナ、ウクライナ、核拡散の危機に直面した今、上記のような哲学書が出版されました。岸田政権は、「教育未来創造会議」で、この難局を乗り越える人材育成をというわけですが、最先端のテクノロジーを活用できる人材だけではなく、哲学やリベラルアーツの視座を有したAI人材育成も射程に入れてくれることを期待しています。

★現場では、もちろん、先にそれを進めようとは思っています。

 

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