北岡優希さんと対話をしながら勉強会 高校受験情報誌・創刊プロジェクトで。
★首都圏模試センター代表取締役山下一さん主宰の「高校受験情報誌・創刊プロジェクト」では、毎週Zoom勉強会が開催されています。全10回の予定で、取材などと並行進化するスタイルです。先週、その貴重な勉強会で、私も語る機会を得ました。テーマは、「入試問題の思考コードから見えるアドミッションポリシーとカリキュラムポリシーとグラデュエーションポリシー」。
★この情報誌は、参加する教育関係者や学校の教師が、思考コードの視座や多様なものの見方を共有して、高等学校の教育に新しい光をあてようというものです。ですから、思考コードの基本的なものの見方・考え方を学び合おうということになったのです。
★参加するメンバーの方々は、20代から40代前半の方々が多く、前期高齢者の私の言葉は通じないのではないかと思っていたところ、私の娘と同じ年齢ぐらいの北岡優希さんが、「本間さんと私が対話しながら説明していくのを参加された方々にご視聴いただきましょう」とパートナーの役割を買って出てくれました。結果、やはりとてもわかりやすく、共感が広がる勉強会になりました。みなさま本当にありがとうございました。
★入試問題を思考コードで分析していくのか、学校の行事を分析していくのか、組織のあり方を分析していくのか、授業を分析していくのか、などなど迷いましたが、塾の先生も参加されているので、入試問題をメインにし、時間が余れば、結果だけですが行事の分析と生徒の成長の関係について情報提供することにしました。
★入試問題は、2022年の桜美林の社会科の【3】番を選択しました。都市問題とその解決案の記述が中心的な問題です。もちろん、都市を形成する政治経済的な制度設計の知識、予算のデータなども問われています。そういう意味では、思考コードのA軸、B軸、C軸すべての領域から出題されているので勉強会における分析対象としては適切だと思いました。
★北岡さんは編集者ですが、熟の経営の経験もあるので、入試問題の分析は初見で対話が盛り上がります。打ち合わせのとき、その問題がA軸なのかB軸なのかC軸なのかは、あまり迷わないが、1~3のレベルを振る時に迷うということでした。
★それは、やはり塾経験者及び学校の教師ならではの迷いです。一方模擬試験の教務陣だと、授業はしないので、あくまで、入試問題という枠組みの中で、コードを振りますから、あまり迷いません。むしろ、A軸なのかB軸なのかC軸なのか迷いがちです。
★入試問題の時に、生徒が解答をつくるときは、時間との闘いです。思考を広げるのではなく、思考を圧縮します。1つの知識を身に着けるのに、暗記で覚えた生徒とその知識に関連する多様な知識を結び付けながら結果的に知識を定着させた生徒の見分けは、知識問題では差がつきません。その場合、覚えれば出来る問題や、入試の段階では思考過程をショートカットできる段階にまでしているという前提でコードを振ります。
★ところが、授業をするという立場に立つと、たしかに入試問題ではA1かもしれないが、授業や進路指導においては、もっと広げ、生徒自身が新たな課題を見出していく授業を展開するから、A3とかC3ではないかとなるわけです。
★どれが正解なのか?そこで、北岡さんとそれはどれも正解で、その問いをあるいは素材を、アドミッションポリシーで活用するのか、カリキュラムポリシーの局面で活用するのか、グラデューエーションポリシーで活用するかで振り方は変わるのだと考えると解決するのではないかと仮説を立て、そんな対話をしながら、対話型勉強会を展開しました。途中で、視聴されている方々の中からも参加していただきました。ムチャブリにもかかわらず、快くお付き合いいただいた先生方、ありがとうございました。
★もし、入試問題がA1・A2ばかりの問題だと、それがそのまま学校の顔としての問いの設定だと誤解されます。ところが、私立学校の授業は暗記型ではないのです。ですから、それを示すには、桜美林のように3つの軸の問題を出題すると、3つのポリシーに関するメッセージを伝えることができます。
★それにしても、対話をしながら、ライブ感満載の勉強会になったのは、北岡さんのおかげです。勉強会の後、対面型のワークショップをしましょうと声をかけてくださった先生もいました。感謝です。やはりそうですよね。いずれ対面型のワークショップを開催したいと思います。私のワークショップは、ダイアード型ワークショップとグルグル型ワークショップが行われるので、偶数人で行うのがやりやすいのですが。
★とにもかくにも、その日を心待ちにしたいと思います。
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