富士見丘のグローバル教育の本質的意味 21世紀の究極の女子校教育だからこそ
★昨日、富士見丘の副教頭佐藤先生(広報責任者)、英語科主任田中先生(広報副部長・模擬国連部顧問)と対話をしました。なんと2時間12分15秒も。次の日合同説明会なので、はやめに切り上げましょうという話でしたが、富士見丘のグローバル教育の本質を深堀する話になっていき、お2人の先生の情熱は高まっていきました。それもそのはずです。田中先生が担任や部活でいっしょに学んできた生徒が今までにない成果を出し同時に高い志を有したわけですから、教師冥利につきる内容だったのです。とはいえ、謙虚に、同校の教職員全員が一丸となって進んだからだという点を何度も確認されていました。実るほどこうべを垂れる稲穂かなとはまさにお二人の先生のことをいうのでしょう。教師の鑑です。
【図1】
★田中先生はさりげなく語るのですが、一般の中高一貫校ではありえない教育プログラムやネイティブスピーカーの教員の数があったりして、その凄さに大いに驚かされます。
★【図1】のスライドにさりげなく「文学」の講座があるわけです。英語で「文学」というのは、国内の一般の中高ではないわけです。昨今では国語の大学入試において「文学」軽視という流れなのに、英語で「文学」とはすばらしすぎます。「文学」は、VUCAの時代に翻弄される人間の生き様と自分をどのように折り合いをつけるかとても大事な学問領域です。
★社会課題を解決できるような人材をというのが今の教育の流れですが、その社会課題はなかなか解決できないジレンマ、パラドクス、トレードオフの状況までつきとめなければ表面的で対症療法的な解決しかできないのです。そして、その根本的問題を汲み取り共感し、なんとかしようという志こそがグローバル教育の本質的意味でしょう。凄すぎます。
【図2】
★そして、そのような授業のプロセスや内容の話を聴いて、さらに驚いたのは、【図1】や【図2】にあるように「現地校のクオリティやスタイルを富士見丘の授業で」とこれまたさりげなく語るのです。先生方にとってはもはや日常当たり前のことだからです。ところが、よくよく話を聴いてみるとその「現地校」というのが、スーパーハイレベルの海外私立学校の話だったのです。
【図3】
★そのようなハイレベルな環境で学んでいるわけですから、【図3】のような結果にいたるのはこれまた当然です。今では、中学から入学した生徒は、高校に進級する際に、76%が準2級以上を取得するわけです。そして高校卒業時には、79.4%が、2級以上を取得するのです。当たり前と言えば当たり前なのでしょうが、凄すぎるといえば凄すぎるでしょう。
★この時点では、私はまだ気づいていなかったのですが、1時間37分辺りで、さらに衝撃的なすてきな話を聴くことになります。そこから私は、富士見丘の究極の教育の本質に降りていくことになり、対話に参加できない沈思黙考状態になってしまったほどです。いったいこれはどう理解してよいのかと。その回答については、2時間3分53秒あたりから、鈴木さんに諭されて話すことになります。興味がありましたら、そこも視聴してみてください。
【図4】
★【図4】は、中学時や高校入学時の英検のスコアと卒業時にどこまで伸びるかという学習歴の一端です。一端と言ったのは、学習歴は結果ではなく、プロセスですから、そのプロセスの話は、ぜひご視聴ください。
★ぞして、【図5】です。昨年に続き、進学実績伸び率№1の学校としてメディアが取り上げているのです。ここのシーンの話は、感動的です。在校生・卒業生が自ら購入してきて、この結果の意味を田中先生と語り合ったというのですから。自分たちがいかにチェンジメーカーであったのか。その志を再共有し、共感共振している様子が目に浮かびます。
【図6】
★さて、私が沈思黙考マヒ状態に陥ったのは、【図6】の話の途中からです。帰国生ばかりではなく、「思考力入試」「2教科入試」「Will入試」で入学してきた生徒も、英語力や探究力、論文力、プレゼン力を身に着けて大きな実績をだしているのです。今までの教育環境は帰国生だけではなく、そのエッセンスを富士見丘生全員が共有し、みなグローバルコースのメンバーなのだという同校のコンセプトが実現しているわけですから、それは当然です。
★しかし、話はそれだけではなかったのです。てっきり、模擬国連部やハワイ大学のラッセル教授の探究授業は、帰国生が中心だと思ていたのですが、そうではなかったのです。帰国生の英語力と中学に入るまで民間英語資格を取得してこなかった生徒がちゃんといっしょに活動しているのです。その様子を何度も見たことがある私は、そこでアクティブにリーダーシップをとっている生徒を目を細めて眺めていましたが、その生徒が帰国生ではなかったというのをはじめて知ったのです。
★田中先生は、そんな話をさらりとされるのですが、その状況がどんなに凄いことか少し想像してみてください。私はそこから、このことの意味に想いを馳せ、沈思黙考状態になったのです。凍てついたり睡魔に襲われていたのではありません。ライブですから、そういうこともあるのだなあと今更ながら思います。
★これは英語を勉強したいとか部活をがんばりたいという話だけでは、そこまではいかないでしょう。そうなるには、もっとインパクトのある本質的な動機に富士見丘の生徒は行き着いているから、やり遂げるのは当たり前という状態になっているはずです。その本質的な動機。生きる根源的理由とは何か。。。
【図7】
★その回答は、【図7】のスライドの話を聴きながら、だんだん確信に変わっていきました。うなるより仕方がないし、感動のため涙がでてきてしまったほどです。富士見丘が女子校を続けていく本質的理由にかかわる話でもありました。
★もちろん、私の妄想としか言いようがないのですが、その話をしたら、佐藤先生が、否定するどころか、実際にそういう具体的なことが起きているのだと語ってくれたのです。
★女性の未来のみならず、世界の未来を根本的なところから見直す国際的な女性リーダーの系譜が富士見丘に流れ込んでいます。このアイデアを証明・検証する話は、いずれまた第2弾の対話を鈴木さんが仕掛けてくれると期待しております。まずは第一弾をぜひご視聴ください。
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