チームと個人(3)個人とチームと組織と国家と
★学校では日々授業をはじめ様々な教育活動が行われています。教師と生徒と同僚と協働して教育は行われています。チームづくりは大切です。そのチームづくりと学校組織のミッションや組織のあり方がシンクロしたり共振したりしていると、生徒にとってタレントが豊かになる魅力的な学校になります。
★これは、ポジティブCでもネガティブCでも、それぞれシンクロしたり共振していれば、良し悪しは別として、内側にいる生徒にとっては魅力的なのです。
★ところが、学校は、常に国家の政策の影響を受けています。国家の軍事力(戦後の日本ではあまりなじみがない)、経済力、教育力に対する政治的政策は、学校の個人にもチームにも組織にも影響します。
★時の政権は、文科省、教育委員会、自治体を通して、毎週のように通知を送ってきます。公立学校は、それを無視して教育をすることはできません。私立学校も無視はできませんが、独自の受け止め方ができる通知もあります。今回のパンデミックに関するものは、受け入れるというより、私立学校の方針と共通する部分があったということで、結果的にうけいれたということになっています。
★このように、国家の政策に対し、相対的な自由があるのは、その国家が準民主主義国家だからです。民主主義国家だとしたら、学習指導要領のような全国一元的なルールについては議論があるでしょう。
★これは、本当に複雑です。IBやラウンドスクエアを創設したクルト・ハーンのように、時のドイツの全体主義政策に真っ向から反対した場合、亡命を余儀なくされる程、命がけです。
★ですから、これまでご紹介してきたポジティブC×真正ポジティブΩの個人とチームと組織の場合、民主主義国家とはシンクロする部分が多いのですが、そうでない場合は、難しい局面があります。
★実は、現状の日本は、準民主主義と言われています。ですから、私立学校は国の政策と協力するところは協力しますが、そうでないところは異議申し立てをするときもあります。戦後教育基本法が改正される過程で、文科省が直接私立学校を指導しかねない条項に関しては、政府と議論を重ねたわけです。結果は、そうはならなかったわけです。かえって私立学校の意義を共有できたわけです。
★現在もガバナンス問題で、議論を重ねています。
★日本ではなく、世界に目を向けると、学校が国の軍事力と経済力の影響をダイレクトに受けているのがすぐに了解できるでしょう。
★私たちが教育を変えるとかいう話は、本当は命がけの話なのだということを、コロナ・ウクライナ・フクシマといった深刻な問題に直面した今、身に染みて了解できます。
★DX人材はたしかに育成しなければなりません。でも、その育成は、ハード権威主義国家でもできるし、ソフト権威主義国家でもできるし、準民主主義国家でもできるし、民主主義国家でもできます。
★教育を変えると社会を変えることができると、よく言われます。それを言うことができる国に私たちはいるということでしょう。
★学校は選べます。しかし、私たちは選べないものもあるし、選ぶのが困難なものもあります。
★どのような状況下にあっても、自分を貫き通すことはたしかに大切ですが、日本に住んでいる私たちが、本当にそれができるのか試される日が刻一刻と近づいているような気がしてなりません。
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