聖パウロ学園の数学科 教えない対話 リアリスティックリフレクション生成 つまり問いの生成
★聖パウロ学園の数学科の授業は、グループワークもしますが、一般的なスクール形式の座り方の授業においても、生徒が内的時間空間に没入し、そのつどリフレクション(リアリスティックリフレクション)しながら、自問自答していきます。つまり、内面に問いが生成されるのです。
★数学科主任(教務部長)の松本先生の授業における対話は3パターンあります。「傾聴型」「ファシリテーター型」「インパクト型」対話がそれです。要は「教えない対話」です。
★この教えない対話によって、生徒は内面の時間空間を創り出し、そこで問いが生まれてきます。自問自答なのですが、この自問自答は、実は松本先生との対話によって立ち上がるのです。
★日常における「対話」は、双方向ですから、お互いに情報を共有し合い、共創していくわけです。しかし、授業においては、生徒にとって、喉から手が出るほど教えて欲しいダイレクトな方法を、あえて語らないという「不足空間」を生み出すわけです。すると、自然とそこに生徒の意識が集中していくわけですね。
★自問自答も思考作業も、1人でできるものは一つもありません。仮に個室に入って学んでいても、記憶として対話の相手がいるはずです。
★授業では、「教えない対話」と「教える対話」をあえて分解して、合成していくという醍醐味があります。
★このダイナミズムは、生徒1人ひとりの内面の中で起こります。たとえば、教える対話を必要としない生徒もいます。そのような生徒は、すでに教科書や参考書で、「教える対話」を済ませているわけです。
★逆にいきなり「教えない対話」ではパニックになる生徒もいます。
★だからといって、「教える対話」ばかりだと安心しすぎて思考作業が弛緩します。
★松本先生の妙技は、生徒1人ひとりの合成状況を見極めながら、授業を生み出していくわけです。こういう授業をコンストラクション型と言います。
★私が見学した時間は、すでにインストラクション型授業の後の時間でしたから、「教えない対話」の3つのパターンなどが見えました。たいへん興味深いシーンでした。
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