チームと個人(2)個人とチームと組織と
★前回マトリクスで4パターンをご紹介しましたが、本来は16通り(実際には無限です。あくまでパターンとしてです)あるので、1つひとつ述べる必要があります。しかし、典型的な例ということで4つのパターンをご紹介しました。さて、PBLの授業にかかわるのは生徒もそうですが、同僚の教師も含めてチームです。ポジティブCのパターンだと学校中がPBLの授業で溢れます。しかし、たいていはポジティブCのチームとネガティブCのチームが併存しています。ですから、その比率によってPBLの雰囲気が広まるかどうかが決まります。
★しかし、仮にポジティブCが圧倒的でも、学校組織によっては、うまくいかないこともあります。組織がポジティブCと真逆のミッションと組織のあり方だと、そもそもポジティブCは細々とやっているという感じなので、PBLが広まるということはありません。教師によって行う人もいるけれど・・・という感じです。
★問題なのは、ポジティブCとチームと組織の関係がポジティブΩパターンの場合です。ポジティブCとネガティブΩの組み合わせは実はないのです。個人とチームがポジティブCで、チームと組織がネガティブΩという組み合わせは存在しないからです。
★実は、ポジティブΩが、真正Ωである場合と戦略的Ωであることがあるのです。
★真正ポジティブΩの場合は、学校全体がPBLを重視し、その質やスキルをアップデートすることに邁進します。最初は、進学実績はでませんが、アップデートしていくにつれ、いわゆる受験勉強を乗り越えて、PBL的な土台で進学実績もでるわけです。理想的な個人とチームと組織です。
★しかしながら、個人が必ずしも経営的視点を持っていない場合どうでしょう。ポジティブCと真正ポジティブΩの掛け算の値が低くなります。それゆえ、PBLを基軸にする教育は、敬遠されるのです。ところが、インターナショナルスクールが海外から押し寄せ、海外大学に進学する生徒が増えつつある今、結果的に、よしということにもなります。
★この状態が、真正ポジティブΩはがまんができなくなる時があります。そのとき、目に見えない軋轢が生まれ、経営的視点を考えないけれど優秀な教師が他の学校に移るということがあります。本人と学校両者にとってよいわけですが。
★さらに、ポジティブCと戦略的ポジティブΩの場合は、結果がでなければ、その組織はがまんしませんから、ポジティブCそのものを解体し、ネガティブCに変えていきます。それが当たるかどうかわかりません。当たる場合もあるし、当たらない場合もあります。当たらない場合、負のスパイラルにおちいることもあります。組織の意思決定はかなり重要だということですね。
★もし戦略的ポジティブΩが、待つという戦略をとったとき、結果的には真正ポジティブCと同じになる場合もあります。そのとき、Ωが真正か戦略的か区別がつきにくいですね。それを見極めるには歴史をみるしかないわけです。個人とチームと組織のダイナミズムは結局は不確定で、なかなか難しいのです。
★それに、こんなにきれいなパターンではなないので、なおさらです。カタチがなければ、秩序はすぐに雲散霧消します。アナーキーなチームがあったとしたら、それは組織として存在することはできず、戦略的に組織内に作られ、うまくいかなければ解体されるというのが常です。起業家精神とアナーキー精神は、実はまったく別物です。
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