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2022年5月20日 (金)

Discover 私立一貫教育2022 東京私立中学合同相談会 変化と普遍 本質と革新(07)リベラルアーツの新しい意味

★第4章「リベラルアーツの現代化~AI時代だからこそ」もまた強烈です。次の5節に分けて記述されているのですが、これだけ見てもラディカルだと感じないわけにはいきません。私学人でなければ、ここまで書けませんね。

・建学の精神とリベラルアーツ

・なぜ私立中高一貫校はリベラルアーツを継承するのか

・AI時代の変化は加速する

・AIは人間のあり方も変える

・私立中高一貫校のリベラルアーツの現代化

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★リベラルアーツを軽んじるということは建学の精神を軽んじることだと直接書かれていませんが、そういうことをさりげなく宣言しています。逆に建学の精神なきリベラルアーツはあるのだろうかとも。もちろん、次のように気遣いながら語られています。

「私立中高一貫校は、時代の要請に耳を傾け、時代の精神を読み解く先見性を大切にしています。そして、その先見性に基づいて、生徒が自分の潜在的可能性を未来で発揮できる精神性・身体性・知性を学ぶ先進的な教育を創り続けています。

同時に時代を貫く不変の<建学の精神>を変わりゆく先進的な教育の駆動力として継承してきています。したがって、先見性と先進性が日本の教育を牽引するグローバル教育やイノベーション教育を創っているのと並行してそれらを横断あるいは統合する発想として<建学の精神>があるのですが、その精神は、リベラルアーツと深い関係があります。」

★その深い関係をパブリック・スクールやアカデメイア、リュケイオン、ギムナシオンにまで遡って紐解いています。目からウロコです。

★そして、リベラルアーツの現代化とはどういうことかと、次のように記述されています。少し長いですが、私にはまとめる力がとてもないので、引用します。

「このようなAI研究は、少なからず、当時の21世紀型教育や新学習指導要領の議論に影響を与えました。アクティブラーニングやPBLでは、教師は教えるのではなく、ファシリテーションするのだという話題が勢いをました時期と符合します。

こうなってくると、「人間とは何か」をしっかり考え直すクリティカルシンキングやクリエイティブシンキングを学ぶ必要があります。

クリティカルに人間を拘束してきた鉄鎖を見破りそこから自由に生きていくクリエイティビティは必要ですが、同時にその新たに発明し設計した政策や制度、道具に支配されるのは困ります。

そのリスクマネジメントをするには、リベラルアーツが必要ですが、もともと人間を良い意味で束縛から解放するための知識や、生きるための力を身につけるための手法がリベラルアーツだったのですから、結局はAIもリベラルアーツの発想が生み出したと考えることもできます。

どうやら私立中高一貫校のリベラルアーツは、リベラルアーツ自身をリフレクションできる、あるいはモニタリングできるメタ・リベラルアーツという次元に進む必要があります。私立中高一貫校が大事にしてきたリベラルアーツの発想の現代化とはこの次元の話なのです。」

★このメタ・リベラルアーツということが、後の章で、深められていきます。CEFRの解読と研修コードのページでそれが明らかになるのですが、そんなリベラルアーツ論は、私立学校でしか生まれない発想です。

★恐るべし、東京私学教育研究所です。

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