Discover 私立一貫教育2022 東京私立中学合同相談会 変化と普遍 本質と革新(08)入試問題の多様性の意義を私立学校側から語る
★Discoverのコンセプトブックは、やはりラディカルです。第5章は「入試問題の多様性が意味するもの」です。次の3つの節に分けて記述されています。
・先見性・先進性を発揮する理由として予測不能なVUCAの時代
・21世紀は才能発見のために多様な入試が開発された
・多様な入試の種類
★かつて、もしかしたら今も、2科4科vs新タイプ入試という考え方が各塾によって語られています。それを私立学校側から、両方とも建学の精神に基づいて先見性・先進性を発揮する過程の1つとして入試問題の開発を創意工夫して行ってきた。ご批判するのは構わないが、私立学校としてはすべての入試問題のあり方の意味を大切にしたいという立場の表明をしている章です。メタ戦略の発揮ですね。一部をご紹介しましょう。
<このように「寛容な精神」「相互理解」「自己変容」「テクノロジー」「才能」が、VUCAの時代を乗り超えるためには重要な精神であり知性であり感性です。
それゆえ、私立中高一貫校の授業は、ディスカッションやグループワークなども導入するアクティブラーニングあるいはPBLを実施するところも増えました。もともと土曜講座など、現在行われている「探究」の先駆けともいえるプログラムを実施しており、視野を広げ考えを深める学びを推進しています。
そのような流れに対応して、「入試問題は学校の顔」なのだから、実態に沿って多様な入試を開発することは理に適っているという判断が広がり、新タイプ入試と呼ばれる多様な入試が拡大していったのです。>
★入試情報というのは、大手予備校や塾のシンクタンクが語るものだというのが、今までの慣習でしたが、東京私立中高協会のある意味シンクタンクである東京私学教育研究所が、私学のスタンスとして表明するというのは、興味深いし、やはりラディカルです。
★しかし、もっと驚いたのは、私学版の「思考コード」を作って、多様な入試問題の分析の方法を提示していることです。たしかに、同研究所所長の平方先生が工学院大学附属中高の校長だった時にどこよりも早く「思考コード」を独自に創りました。ですから、塾業界がつくったものをパクったわけではないのです。平方先生は校長時代、経営の論理から、受験市場とはコミュニケーションをとっていました。ただし、相当高邁な理想ですから、意気投合する教育関連産業は限られていたでしょう。その意気投合・共感したところが「思考コード」を拡大していきました。
★そんな経緯があるため、平方先生にとって、私学側から思考コードを提示するのは当然のことだったのでしょうが、そのような経緯はほとんどの人が知らないわけですから、結構衝撃的なはずです。思考コードについて触れている場所から一部を紹介します。
<多様な才能を受け入れ、また入学後に見出していくために、従来のように偏差値という軸にさらに多様な軸を加えていくというのが、多様な入試の開発が広がった理由です。私立中高一貫校によって、多様な入試の作り方は無限とも言えるほど創意工夫されていますが、3つの軸の思考コードでみると、ねらいがわかり、それぞれの試験に向けて学び方が見えてきます。>
★さすがというか驚嘆なのは、偏差値を否定するのではなく、あくまで多様な評価軸の1つとして包摂してしまっていることです。恐るべしです。
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