教育未来創造会議の構成員資料がおもしろい。
★岸田首相が座長の「教育未来創造会議」。新しい資本主義を生み出す人材育成強化(特にAIなどのテクノロジー関連)のための政策実行会議何だろうと思います。文科省は、毎週のように各公立学校にコロナ感染拡大防止のための方針や学習指導要領の改訂情報、新しい指導要録や3ポリシーを作ることなどについて指針を示す書類をPdfで配布します。自治体はそれを私立学校にも流します。今回の会議の第一次提案も同様です。先日こんな書類が届きました。
「教育未来創造会議「第一次提言」を受けたこれからの大学に関する文部科学大臣メッセージについて(周知)
令和4年5月 10 日に内閣総理大臣を議長とする教育未来創造会議において、「我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について(第一次提言)」が取りまとめられました。この提言を踏まえ、その実現に向けて社会全体が子どもたちの未来のために力を合わせていくことを目指し、社会の改革の流れを喚起するための文部科学大臣メッセージ(以下「本メッセージ」と言う。)を別添のとおり、発表しましたのでお知らせします。本提言においては、①未来を支える人材を育む大学等の機能強化、②新たな時代に対応する学びの支援の充実、③学び直し(リカレント教育)を促進するための環境整備、に焦点を当てて、今後取り組むべき具体的方策が取りまとめられました。
この中でも、
・理系の学修を行うための大学の受け皿を抜本的に拡充すること
・特に女性が理系の分野で大きく活躍していける社会を構築すること
については、大学・高等専門学校(以下「大学等」という。)のみならず、大学等を志す子供たち自身やその保護者、学校の教職員、そして企業等から広く御理解、御協力いただくことが不可欠であると考えております。」
★「別添」というのが、5ページの資料。中身は、わかりやすいのですが、2014年以来論じられてきた内容をAI人材育成に向けきれいにまとめたという感じです。このとおりいけば、たしかに悪くはないのですが、何かワクワクしません。官庁表現だからしかたがないのです。
★しかし、会議の構成員の資料は実におもしろいです。たとえば、「シン・ニホン」の著者安宅和人さん(慶應義塾⼤学 環境情報学部/ヤフー株式会社 CSO)の「“シン・ニホン”⼈類サバイバル時代における⽇本の再⽣と⼈材育成」は、わかりやすく整理されていますが、その資料にあるように、「出来た社会を回す」表現ではなく、これぞ「未来を変える人」の表現だからでしょう。
★岸田首相も、安宅さんのような表現をすればこの国は大きく変わるでしょうが、「出来た」というのは、すでにうまく作りあげているという意味と君はなかなか出来た人だねと使うときの意味もあります。岸田さんは、まさに出来た人ですから、弾けはしないでしょう。
★ですから、政府や省庁が出すドキュメントとしてはしかたがないのですが、その背景に提案をどんどんしている構成員の方々の提供する資料は面白いのです。何らかの形で岸田首相は盛り込むように言うでしょうから、楽しみです。
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