バックステージの対話が支える入学式・対面式・始業式などの教育活動②
★入学式を機に、久々に織り込んだのは、式に父母の会の会長に祝辞をいただくことと同窓会、理事会から来賓として参列していただくことでした。入学式の段取りプランの全体を教務部と企画戦略室でたててもらうときに織り込むには、父母の会と理事会との事前の対話が必要です。したがって、バックステージは、事務室ー理事会、教務ー父母の会というキャンパス以外の場に広がります。先月開いた理事会もバックステージです。父母の会はグループセッションの中の外部とやりとりできるメールがバックステージになりました。
★コロナ禍で、ここ2年間は、最小限度の参加者で行ってきました。当日、父母の会の会長、理事会、同窓会の方の参列ができなかったとしても、その絆が失われることはないのですが、新入生が自分たちを支えるネットワークが豊かなのだという実感を抱けるのは、やはり初回の段階では対面型が最適です。
★新年度からは、withコロナにおける行事や研修、部活をどのように運営していくか、具体的状況に応じて柔軟に適した対応をその都度考案していきます。入学式もその一環として、参加者の枠を少し広げました。
★式辞、祝辞は、校長→父母の会の会長→理事長という流れでした。来賓の理事や監事、同窓会の代表のみなさんも壇上に参列していただきました。
★聖パウロ学園は、神父もシスターもいないちょっと不思議なカトリック学校です。最初は修道会が経営していましたが、赤坂から高尾に移ってきて、やがて経営難に陥った時、今の理事長高橋先生が、校長になって復活経営を果たし、徐々に修道会は手を放していきました。
★したがって、復活した聖パウロ学園の建学の精神の創始者は高橋博理事長であると私は考えています。ですから、神父さんではないので、そのスクールモットーは、修道会の理念と共通するけれどもっと普遍的な黄金律にしたわけです。
★そして、聖人パウロの精神を学び続ける修道会を超越した普遍的カトリック学校として存在しています。
★さらに、入学式に登壇した、私をはじめ、父母の会の代表、理事長、理事、監事、同窓会の代表の方は、全員が信者です。
★そういう意味では、クリスチャン信者が経営・運営するカトリック学校なのかもしれません。特にパウロは、ルターや内村鑑三などが大好きな聖人です。プロテスタントでも人気ですから、パウロの精神に学ぶのは、普遍的かもしれません。
★もともと現代の法のあり方や経済システムのあり方について、あるいは経営マネジメントの方法の着想は、多くの学者がパウロの書簡に影響を受けていると言われています。パウロの精神を教職員、生徒、保護者、同窓会、理事会が共有することは、やがてパウロ生の出番に結びつくでしょう。入学式は、黄金律の言葉の響きがそれぞれの式辞、祝辞であふれていました。
★どんな言葉を語るかは、3人は打ち合わせをしません。なぜなら、私たちは自分の言葉を話すわけではないのです。黄金律が反映した話をするようになっています。私たちは、神の計画通りに話しましょうで、通じてしまうということもあります(汗)。
★しかし、ここに来るまでに、パウロの新しいカトリック学校のあり方について、理事長や理事会で多くの対話を重ねています。これもまたバックステージの対話ですね。また、父母の会の保護者の方々とも対話を重ね、入学式のプランをつくるときに、すぐに了解が広まるように、毎月のように行われる父母の会のミーティングに入試広報部長・企画戦略室室長・教務部副部長の伊東先生も参加する機会を創ってきました。
★入試広報は、外部への発信だけではなく、学内の情報共有も大事です。コロナ禍で、先生方が父母の方々と共に行事を運営する機会がなかったので、ときどき対話をする流れを父母の会の会長と対話しながら協力していただきました。
★会長の祝辞は、保護者の眼から見て、スクールモットである黄金律が具体的にどんなシーンで感じられるかという内容でした。保護者の方から、教育活動の評価を得る機会にもなり、新入生も保護者もさらに期待が高まったと思います。そして教職員も自信と勇気をいただきました。たいへんありがたい入学式になりました。
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