Gのチカラ(04)聖パウロ学園 体験の新しい概念と対話
★聖パウロ学園は、パウロの森と人間関係社会と1人ひとりの精神(黄金律)を結びつける教育環境にあります。自然を愛でながらも畏敬の念をもちつつ森の体験をし、その体験はPBLやアドベンチャーになり、互いに協力し、対話しながらの教育。これは、実際に森にはいらず、教室で授業をしていても同じです。体験とは、自然と社会と精神を結び付けて、生徒1人ひとりが何らかのケミストリーを起こすことです。そのときの触媒や刺激が対話です。
(教室の窓越しに見える風景です)
★しかし、問題はその対話の精度があまりよくないと、触媒にも刺激にもなりません。森の体験はああ楽しかったで終わります。人間関係は理解のズレに悩まされます。精神は、不安になったり自信がなくなったり愛されていないという妄想がただよったりします。
★生徒の中には、自分のメンタルモデルがなんであるかわからず、不安になって保健室に立ち寄ることがあります。怪我をしたり、体調が悪かったりするときに保健室に行くケースもありますが、メンタルモデルがわからずに、得体のしれないものに不安がったり恐れを抱いたりして、保健室の養護教諭島津先生に相談に来ることもしばしばです。
★島津先生は、そんな生徒とコーチング的な対話をすることで、生徒自身が自分に気づき、自分が囚われていたものを知り、自ら解放しようというイニシアチブを日々生み出しています。もちろん、度合いが強い生徒は、スクールカウンセラーと相談してごらんとアドバイスもします。
★つまり、リジリエンスを自ら生み出せるかできないかで、保健室コーチングで対応するかスクールカウンセラーによって対応していくかを見極めるのです。
(通学路、パウロ坂の風景)
★そして、非常に興味深いのは、不安という精神は、体調にも影響を与えます。つまり身体という自然です。そして、その不安という精神と体調不良の身体という自然は、友人関係にネガティブな関係を生み出すこともあります。どれが先かはわかりません。人間関係がズレはじめて、不安が生まれ体調を崩すということもあるでしょう。メンタルモデルが自分の気分に影響を与えるところから始まる場合もあるでしょう。寝不足など体調を崩すところから始まることもあるでしょう。
★いずれにしても、そんな自然と社会と精神の悪循環を好循環に、生徒自らが転換していくきっかけづくりをするのが、島津先生の保健室コーチングです。
★そのような話を聴き、実際保健室を活用して元気になっている生徒を見て、これはPBL型授業でも同じだなと気づいたわけです。そこで島津先生に頼んで研修を実施してもらいました。
★レクチャー50%、ワークショップ50%のPBL型研修です。普段きめ細かい面談や20%ルールのPBL型授業で創造的な対話をしている先生方が、自分自身の改善点に気づいたり、改めて同僚のメンタルモデルを了解したり、実りの多い80分でした。
★ネガティブな循環も好循環に転換するには、対話によって結びつきそのものを変容させなければなりません。私たちの対話は、いきなり循環しだすことは難しく、たいていは理解のズレ、つまり循環が滞っているところからスタートします。まずはグッドリスナーとして、どこがズレているのかどこが詰まっているからあるいはどこがつながっていないから循環しないのか見極めるところから対話を始めなければなりません。
★よく「がんばれ」という掛け声はストレスを高めると言われますが、それは、この言葉が循環を促すか切断するか相手の具体的状況やメンタルモデルを見極めたうえでの話でしょう。
★自然と社会と精神の循環体験と対話がマッチングした時に、ケミストリーは生まれ内側から探究心や好奇心が旺盛になり、集中力がでてきます。対話のない体験も、自然のない体験も、精神のない体験も、社会のない体験もありません。この3つの循環と対話の質によってネガティブにもポジティブにもなります。
★教育における体験と対話の何が重要なのか。改めて意味が豊かになりました。
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