Gのチカラ(03)聖パウロ学園 パウロの言動の現代化 才能開花のコミュニティ
★今日本中の学校が、入学式、始業式に向けて、つまり新年度へ向けて準備に取り組んでいます。聖パウロ学園高等学校も日々化学反応を生み出しています。小さな学校がゆえに、教師一人一人がリーダーシップを発揮するし、実際何かしらのリーダーの役割を果たしますから、リーダーフルな雰囲気が一年中こんこんと湧いています。準備と研修がここ数日の動きです。実践知ー理論知ービジョンの循環(カトリック学校ではぶどうの木と呼んでいます)が生まれるのは、このリーダーフル状態が一番ですね。
★ダニエル・ゴールマンとピータ・センゲの共著の翻訳がでました。お二人のそれぞれの本は、2001年から2007年までHondaと共に取り組んできたPBL活動で随分参考にしました。原本はすでに2014年に出版されていて、2011年に私立学校の仲間と立ち上げた21世紀型教育機構のPBLを創り上げるときに当然参考にし、同機構のセミナーでもこのエッセンスをワークショップで共有もしました。当時の聖学院の内田先生がSELのファシリテーターでもあったということもあります。
★そんな経緯もあったので、邦訳本のタイトルが「21世紀の教育」となっているのを見て、密かに喜んでいます。
★今、聖パウロ学園で取り組んでいる教育は、研修や授業、面談、行事、部活の表舞台だけではなくそのバックステージを見ていると、この「21世紀の教育」をもはや自然体に行っているなあとつくづく思うわけです。そもそもパウロ学園は21世紀型教育機構の加盟校ですから当然と言えば当然ですが。
★新年度は、組織としては、教科横断チームとして「グローバル教育部」を新設。今まで「グローバル部」はあったのですが、それを英語的側面だけではなく、教科横断的視野、多角的視点、黄金律を織り込んだ発想をもつグローバルリーダーが育つ教育環境を創ろうというわけです。部長は主幹教諭の大久保先生が担い、研修のプレゼンで、そのことをコミットしていました。
★もう一つの新設部署は「企画戦略室」です。こちらは業務横断的な部署です。学内の年間スケジュールや臨機応変な変更ーたとえば、パンデミックがひどくなった時に、オンライン授業を速やかに始動したりー段取りを組んで実施したりするには、縦割りの仕事では瞬時にできません。それに、多様な学内外の情報収集とデータ分析をするデーターサイエンスをしてくれます。小さいがゆえにデジタル化は重要です。私立学校は経営と教育は両輪ですが、その調整と進化を進める具体的なチームが必要です。室長は入試広報部長の伊東先生が担い、そのことについてコミットしていました。
★研修というと、ワークショップと思われがちですが、スピーチだけとワークショップだけと日にちを替えて行っています。普段から先生方は対話していますから、日々グループワークやワークショップは行っているので、研修は各部署のリーダー1人5分のスピーチによるコミットメントを中心にするものと普段扱わないトピックはワークショップで研修するわけです。
★こう述べると、役割分担ができているように思われるかもしれませんが、ツリー構造にはなっていません。何せスーモールスクールですから教師の人数は少ないのです。それでいて、業務は学校法規に準じて行うものは、他校といっしょです。したがって、セミラティス構造になっています。
★みなマルチプレイヤーです。おのずとナチュラルなリーダーフル状態になるわけです。
★しかし、里山と同じで、ナチュラルな循環構造はマネジメントしないと崩れていきます。新年度は、このマネジメントの方法をビヨンド ピーターセンゲでいけるように稼働し始めました。SEL的な要素についてはパウロ学園は、黄金律の浸透でノーマルになっています。あとはシステム思考の包摂なのですが、その導入はパウロの言動の現代化によって行っていきます。
★ルターや内村鑑三もパウロの精神を大事にしました。米国の組織開発や人材開発にもパウロの精神は浸透しています。GRITなんていうのはパウロの精神がスーパーモデルです。ただ、パウロの言葉をただ読むだけでは浸透しません。現代化が肝です。現代化とは経験化と言ってもよいかもしれません。
★これによって、ただでさえ、才能開花の学園ですから、より才能開花スクールとなると思います。リーダーフルな先生方の息吹が生徒1人ひとりの奇跡を生み出す環境を創っています。新年度どんな奇跡が生まれるのか密かにワクワクしています。先生方と共に歩んで立ち会いたいと思います。
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