2089年から考える21世紀型教育(01)東京私学教育研究所が動き出す
★世の中、4月の移行に向かっていろいろ動いているのがこの時期です。私立学校も動いています。たとえば、東京私学教育研究所は、先週、勤務校(聖パウロ学園)の伊東教諭も出席した研究会を開催しています。そこには、東京の私立学校の理事長校長部会や経営部会、各教科部会などの教師が集まりました。4月から、同研究所は、さまざまな研修を開始していきます。その際に、研修コードをつくって目標を定め、私学の独自性や先見性、先進性をさらにパワフルにあるいはアップデートするために、各部会の具体的な展開をつくっていこうということのようです。
★同研究所所長の平方邦行先生が、そのお話の理念と具体的な展開の視点として、思考コードに基づいて展開している21世紀型教育の構造について共有したということです。そして、各学校がそれを共有しつつも独自に展開するために、研修コードを創って構想を練っていこうということのようです。
★私はラッキーなことに、平方先生とは、この点に関して昨年から議論を続けています。平方先生が、首都圏模試センターの情報誌「shuTOMO」の連載を執筆する際に、恐れ多くも、平方先生がセルフモニタリングをする際の対話の相手として召喚されました。5月の私学展で先生が執筆されるパンフレット編集の際にも、召喚され、私は言いたいことを言わせていただきました。
★長年のお付き合いをさせていただき、言わば私の人生の師ですから、何かお役に立てればと思いますが、平方先生にとっては、広く情報を収集したり確認をする一環に過ぎないのです。
★それに、私の話は、勤務校である聖パウロ学園でどういう思いで何をやり、さらに4月以降どのようにしていくのかというケースメソッドの話です。一方、平方先生は私立学校全体を包括する話で、すべての私立学校と協力して、2089年に60代から70代になる、Z世代、α世代の教育をどうするかという意味で21世紀型教育の新たな構想を描いているわけです。2089年には、昭和世代は全員が100歳以上になります。つまり、ほぼいなくなります。ですから、昭和世代のつくりあげてきた20世紀型教育にこだわるのは、いったん括弧にいれようというわけです。
★否定ではありません。ただ、21世紀型教育を構想しないで、20世紀型教育の立場からいつまでも議論するようなことは、リーダーのやることではないのです。昭和世代は、自分がこうやってきたという話ばかりするのは、どんなにすばらしいことでもそれはエゴ行為です。そういうエゴを捨て、2089年自分たちがいなくなることを前提に、未来を描かなくてはということです。
★なぜ研修コードが必要かというと、思考コードで知識偏重にならないように、創造的思考力までの翼をひろげられるような見通しを立てなければならないのです。そのための組織開発、人材開発のための道標として研修コードが必要だということです。
★そのような2089年から考える21世紀型教育を、私立学校の先生方がいっしょにつくっていくということです。ただし、各学校は建学の精神を土台にしているので、IBのような共通のプログラムを創ろうということではありません。IBがどんなに素晴らしくても多様なプログラムの1つであることに替わりなく、IBは他のプログラムと切磋琢磨し、ハイクオリティのポジショニングを勝ち得ているだけです。
★私立学校はIBやAレベル、APのようなハイレベルプログラムをリサーチをしながらも、独自の教育プログラムを生み出す多様体です。
★このことを忘れると、私立学校は公立学校に吸収され消滅するでしょう。そして、もしそうなったら、日本の教育も衰退します。
★多様性や複雑性のないところでは、エントロピーは増大してしまうからです。
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