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2022年3月 3日 (木)

学校が変容するというコト(18)入学試験ー進路結果―卒業式ー指導要録ー新年度バージョンアップ・・・

★1月後半から3月にかけて、学校のバージョンアップの可能性を身に染みて感じるシーンがビビッドにビッシリ詰まっています。またこの時期は他校の仲間の先生方や業界の新プロジェクトの方々とZoomミーティングが目白押しです。学内外の開放系と閉鎖系のトレードオフ関係を日々同僚とディスカッションながら調整しています。ですから、学校は、まるで生命体さながらの組織であると実感できます。多方面で学校の改善や非難が昨今あふれていますが、その多くが組織を機械モデルで考えています。20世紀型組織開発の成果で語っているものが多く、ディストピア志向のものが多いですね。

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★学校は1つの生命体として考えるのは当然のような気もしますが、そのわりには、その生命体の権利を見下すような愚かな非難が多いのにびっくりする今日この頃です。生命体として命の循環システムを創ろうとしているのに、機械モデルを持ち出して、その枠の中の論理で効率的でないとか合理的でないとか言っているコンサルの多いのに警戒しなければなりません。機械モデルはそもそも循環が担保されていないので、むしろ生態系としての学校組織を危機に陥れます。

★もちろん、生態系さながらといってもメタファーですから、落合陽一さんの言うように、デジタルネイチャーとしての生命体の学校組織です。ですから、そのような自然概念それ自体新しいので、生命体としての学校組織はまだまだ未完の組織です。これからなのです。

★年間スケジュール、時間割、人事、リーダーフルシップ、デジタル化、グリーン化、グローバル化、ケアリング、自己変容と他者貢献(黄金律)などなどがオープンシステムとリスクマンジメントシステムのトレードオフの自己組織化ができる生態的循環組織。その持続可能態としての授業やその他の教育活動のPBLデザイン。PBLの根源的出発点は問いですが、抽象的な意味での問いではなく、世界の痛みが生まれるジレンマやトレードオフに気づき、その問題解決を哲学的・文化人類学的・社会学的・宗教学的・経済学的・政治学的・科学的・数学的・美学的などなど学際的視座で構想実装が生成されるシンキングルーティンから探究型クエスチョンまでのシステム思考的問いが創れるかがポイントです。

★かくして学校はマクロとしての生態的循環組織とその組織を構成するそれぞれの細胞としての要素であるPBLとしてのシステム思考型問いの統合によって成立しています。よく要素還元主義と構成主義というのが対比されますが、要素が細胞体であれば要素還元主義は構成主義になるわけです。

★本日勤務校聖パウロ学園で卒業式が行われました。卒業生、在校生、ご家族、担任の先生方をはじめとする教職員と共に行いながら、そんなことを身に染みて感じたのです。

★新型コロナ・ウィルス感染対策を日々緊張感を抱きながら遂行し、できるだけ対面型で教育活動を行いながらも、入学試験、大学入試、卒業式の機会を守るために、途中3週間もオンライン授業期間を遂行しました。オンライン思考自体はスムーズですが、あらゆることが並列で動いていて直列でないので、マルチ準備状態になります。

★それでも、すべてのことが成就するには、あらゆることは、バックヤードの構想準備がポイントになります。そのためのディスカッションとDOINGとリアリスティックリフレクション&フィードバックがあふれていて、タイトルリーダーシップは意思決定だけで、それ以外は1人ひとりがナチュラルリーダとして、リーダーフルシップが溢れると、生態系としての組織は動いていくものです。

★口コミ評判は、このような生命体の息吹を感じてもらうことによって生まれるし、生命体が故に、その息吹は常に生徒と共有共感されます。それゆえ、生徒は自己変容し、未来の見通しを実現すべく教師や仲間と取り組みます。そのような息吹や自己変容を生成するリーダーフルシップは、同時にモニタリングをリアリスティックにしていきます。朝の会から始まって一日中情報共有しますが、たんなるファクト共有であれば、イントラネットのメールでよいのですが、息吹としてのリフレクション&フィードバックという呼吸、エンパシーという対話型共有がいい感じです。

★エンパシーですから、鶴の一声で何かをやったり、講義形式の対話は当然やりません。偉そうなのが一番ダメです(自戒を込めて)。

★そんな情報を限定付きですが、外部の仲間と情報を共有します。参考になるところが多いので、それをどのように学内に取り込めるのかは、また学内で対話をするわけです。幸い、学外から得た情報をアレンジして活用するかどうか相談できる教職員ばかりです。各専門、見識を頼りに相談にいきます。

★そして、ありがたいことに、そのすべてを統合するにはどうしたらよいかというバージョンアップを対話する先生方もいます。アップデートとバージョンアップの往復ができます。そして、常に、コンセプト生成を重視して動きます。コンセプト、軸というのが学内のルーティン言語で、それらがブレないようにというのが学校文化です。これは得難いですね。

★この時期、入試の結果もほぼ確定し、とりあえず目標達成、結果が確定するまで、すでにリフレクションをその都度しているので、同時にバージョンアップのディスカッションにもなっています。進路の結果も出そろってきたので、その結果分析もすでに始めています。一つの法則を新たに見つけ、進路指導もバージョンアップしていくことになります。なにより、卒業式に向けて在校生全体で動いているため、自己変容型成長の重要性を体感しています。毎年体感するすばらしいシーンです。これをどのように瞬間の永遠に転換するのか生徒指導のバージョンアップも可能でしょう。

★行事や部活は、働き方改革によって否定されがちですが、変形労働時間制(年間スケジュールに落とし込みます)で先生方はなんとか創意工夫するわけです。もっとも、ここは時間割と濃厚な関連があるので、実は1年中考え、ディスカッションしていく生態系システムを形成する必要があります。要するに時間と行動の生態系システムは、オープンシステムでありリーガルマインドと経営が一体となるわけです。

★この開放系システム(リスクマネジメント付き)については、複眼的多面的多次元的ですから、まだまだディスカッションと構想力が必要です。価値創造の持続可能態と言うことができます。

★卒業式は、担任・副担任の先生の愛と情熱が可視化される一日です。外から見ていると集団主義だとか日本の古い文化だとか揶揄する人も多いですが、生徒は1人ひとり自己変容を確認し、明日から次のステージに立ち臨む姿を現します。担任・副担任の先生は、その姿にエールを送り、互いに黄金律を胸に、勇気を鼓舞する大事な瞬間です。いつもとは違う非日常のフォーマルモードな言動は、スピリチャリティが降りてくるイニシエーションで、五感と理性と美学が統合される瞬間です。リベラルアーツの極致ですね。

★愛がアガペーになる瞬間ともいえます。

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