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2022年2月25日 (金)

学校が変容するというコト(13)グローバル教育の新たな展開 聖パウロ学園の大久保先生

★海外の大学院で研究していたということもあるのかもしれませんが、聖パウロのグローバル教育部長で英語科主任の大久保先生は、Thinking Routines Toolを自在に使いこなします。このToolはアプリとかデジタルな何かという物ではありません。短いQuestionを生徒に投げかけながら、自明性を開いていきます。身近な出来事や一般に当たり前と思われているものの見方や考え方を問い返しながら、生徒でも世界の思想家と同じ視座に立てるようになるのです。

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★英語の授業のときだけでも部活の時間だけでもなく、HRや探究の時にも問いかけます。生徒たちは、初めは驚きますが、徐々に視座を高くしていきます。

★グローバル教育というと、英検2級以上のためのトレーニングとか海外研修旅行とか中長期の留学とか思い浮かべるでしょう。もちろん、そのようなプログラムも大久保先生は英語科の同僚といっしょにプロデュースしていきます。

★しかし、大久保先生は、それはグローバル教育の一部でしかないのだと。

★思考コードのすべてのドメインを生徒自身が身につけることこそが重要なのだと。すなわち、パンデミックショックや今回の平和を揺さぶるような危機ドミノに遭遇した時に、自分は何ができるのか自分はそもそも何ものなのか意思決定し、多様な人々とディスカッションしながら問題解決のために協働していく構想力を身につけることが重要なのだと。

★黄金律を内なる光とし、高い視座と創造力、そしてケアリングを発揮していく生徒が生まれるグローバル教育の環境を作っているのが大久保先生です。

★今回のパンデミックや危機ドミノにおいて、ある共通のイノベーション(政治的に高度な問題なのでここでは具体的には控えます)が急務となっています。それを実現するには高い視座と創造力が必要です。また、そのイノベーションが必要だと確信するには、両方の危機において困っている状況下におかれた人々をケアする過程から生まれてきます。

★そのようなダイナミックで繊細な発想力と実行力を世界の人びとを巻き込んで発揮していくグローバルリーダーを生み出すことがグローバル教育の真骨頂でしょう。もちろん、英語ができなければ、そもそも世界の人とディスカッションができません。このことを忘れてはなりません。

★大久保先生の目からウロコの発想。パウロのグローバル教育の源泉です。

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