2022年教育動向(17 )新渡戸文化学園の先生方との対話を通して①New Value School Zone
★昨日1時間ほど時間を頂いて、新渡戸文化学園の先生方とZoom対話をしました。中学入試がひと段落したようですが、また今週すぐに高校入試があるという忙しい中、インスピレーションをいただき、ありがとうございました。ここで私なりにリフレクションして、この1年新しい企画を共にする同志の皆さんと共有できたらと思います。
(新渡戸文化学園の理念のシンボル。たしか在校生が描いたと記憶しています。違うかもしれません。とにかく、同校サイトからです)
★新渡戸文化学園の先生というのは、次の3人です。統括校長補佐・教育デザイナー山本崇雄先生、統括校長補佐・教育デザイナー山藤旅聞先生、ブランディングデザインチーフ・ラーニングテクノロジーデザインチーフ奥津憲人先生。それぞれのタイトルが、一般の学校と違います。肩書きというより、それぞれのペルソナを感じます。このような点に敏感に感じる進取の気性に富んだ受験生や保護者が、同校を志望するのでしょう。
★今年の中学入試は、先生方は手ごたえを感じているということでした。首都圏模試の出願倍率速報(2022年2月7日現在)でも、出願総数の前年対比は、165.5%ですから、中学入試の市場における同校支持者がかなり増えたことは間違いありません。
★勤務校からは、私とプロジェクティビスト伊東竜先生でした。私たちは高校だけの学校ですが、新渡戸文化学園同様、New Value Schoolを標榜しています。この言葉自身はこれからですが、21世紀型教育推進校です。
★座標でいえば、上記のような感じです。新渡戸文化学園も勤務校も、「思考コード」を共有しているので、上記のような座標を分かち合う時に、説明がほとんどいりません。
★A軸思考というのは、知識・理解という思考の軸です。B軸思考というのは、A軸で獲得した知識や理解したことを、別の場面や相似した内容に適用したり、論理的に構成し直したりする思考の軸です。C軸思考は、適用や再構成そのものをクリティカルに見直し、少し進化させたり、構築し直したりするクリエイティブな思考の軸です。
★しかし、もともと知識は誰かが作ったり発見したものですから、知識もまたC軸思考の産物です。ですから、その作ったり発見したりするC軸思考をまずはやってみようと稼働させるところから始まったり、それをカタチにするために論理的に整理したりするB軸思考を活用する学びから始まるのが、New Value Schoolの共通教育ベースです。
★知識はその過程で、当然取り込みますし、調べ直します。知識が不要なのではなく、知識の出来上がるプロセスで働くB軸・C軸思考を優先しているだけです。ですから、山本先生は、あの有名な言説「教えない授業」「教えない教育」という象徴的な表現をしています。
★勤務校は、教えない部分は20%ルールで、教える部分と教えない部分を意識して授業をするので、完全に山本先生方の実践と同じということはないのです。とにもかくにも、新渡戸文化学園のその教育は理想的です。
★ところが、このことは実は中高一貫校と高校だけの学校との違いでもあります。そして、新渡戸文化学園も併設型中高一貫校ですから、高校から入ってくる生徒もいます。
★すると、中学入試と高校入試は同じよう感覚で行きたいものの、現状ではそうはいかない。それはなぜか?そして、それを乗り越えることはいかにしたら可能か?そこの課題意識は私たちと同様です。ですから、そこをどうシフトするのか、まずは改めて、課題意識の共有をしたわけです。
★対話それ自体は、1時間ほどだったので、一応はそこに到達して終わりでしたが、チェックアウトしたときのそれぞれのメッセージが次の対話を予想する問いでもありましたから、しばらくその問いの解答につながるかもしれない視座を広げてみたいと思います。
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