学校が変容するというコト(01)学校と向き合うコトは「老い」と向き合うコトに似ている つまりデジタルネイチャーと向き合うコトなのです。
★今、私は勤務校と向き合い、学校林という森と向き合い、21世紀型教育機構と向き合い、多くの生徒たちと向き合い、先生方と向き合い、保護者と向き合い、家族と向き合い、教育市場と向き合い、とにかく日々多くの他者と向き合いっています。つまりライフシフトの時代とは、私と多様な自然や社会や精神といった他者と向き合うコトを意味します。そして、その私も他者も「老い」と向き合うわけです。「老い」とは「誕生から死」という一回性の歴史であります。そして、この他者とのかかわりがあって初めて自分と向き合うということが言えます。
★落合陽一さんの新著中に、落合さんが養老孟司さんと対談している章があるのですが、それを読んで、そんなイメージが広がったのです。国語の先生からしたら、「自分事」というのは他人事の反対語として構成上認められなくはないが、違和感ありという言葉です。
★なぜ違和感があるかというと、自分事はすでに他人事とかかわってはじめて成立するので、反対語にはならないからでしょう。
★それに、落合さんと養老さんの対談を読めば、「老い」の到達点「死」は、一人称である「私」は語ることができず、三人称という「it」でコトはすまされないコトでもあります。「死」という具体的状況は、結局二人称である「あなた」とかかわる中で知り得ることです。
★さらに私は自分の「誕生」も語り得ません。記憶としてあるという話もありますが、実感はないですね。かくして、私自身は、私自身の「誕生から死」までの歴史を完全に語ることはできません。二人称とのかかわりの中で物語るコトができるだけです。
★学校というのも、同様ですね。私は、勤務校の誕生の時を知りません。勤務校の「死」を迎えるコトも知り得ません。しかも、学校組織は私と違い「死」を迎えるコトは、森と同じで悠久のかなたでしょう。
★学校の歴史は、いまここで学校のメンバー、学校の置かれた状況などとかかわるコトでしか物語れないのです。
★かくして、自分事としての歴史は他者と向き合い関わり合うコトでしか物語れないのです。
★落合さんと養老さんの対談で、そのかかかわる他者には、当然人工と一体化した自然に広がっていきます。落合さんの新しいテクノロジーと自然が一体化した概念「デジタルネイチャー」と「老い」はどう向き合うのか。それが問題です。
★「老い」はデジタルネイチャーと向き合うコトで、エントロピーの増大を遅らせ、持続可能な状態という「変容」を生み出します。「私」は日々細胞の多くが入れ替わることによって、持続可能な変容を生み出しています。
★一方、「老い」は、放っておくと、その変容ができななくなり、それが止まった時、「死」を迎えます。そうならないためには、持続可能な変容という一見パラドキシカルな行為を余儀なくされます。それがデジタルネイチャーと向かい合うコトです。身体の一部が器械で代替されたり、臓器の一部が人工臓器で代替されたり、衣服もスーパースーツになったり。。。
★どうですか?学校が変容するというコトは、まるで、「老い」が持続可能な変容をとげるのと似ているでしょう。成績や勤怠処理のデジタル化やオンライン授業、AIによる個別最適化。。。
★学校もまた、デジタルネイチャーと向かいながら持続可能な変容をしていくのです。デジタル化、グリーン化がキーワードなのは、そういうことなのでしょう。そして、向き合うコトや関わるコトというのは、一人称や三人称を二人称化する気遣い=ケアということでしょう。
★デジタル、グリーン、ケア。DGCシステムの活用を持続可能な変容を生み出すプロジェクトにするコトが、学校が変容するコトと重なるでしょう。
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