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2022年2月 2日 (水)

2022年教育動向(04)武蔵の国語も超長文。メタファーの解読。

★今年の武蔵の国語の入試問題も、超長文問題と漢字の書き取り問題の2題構成。超長文はすべて記述で、50字から80字以内で書くものばかり。6つの問いが出題され、見た目は開成と同じ。長文の字数も8000字くらいだから、長さは開成や麻布とも同じ。ただ、随筆だから、物語を出題した開成や麻布とはやはり違います。武蔵らしいこだわりがあります。

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★それは、美学者でありながらかなり鋭い科学者の眼を持っている伊藤亜紗さんのレトリックとしての表現の背景にあるというかそれが表している事実としての自然現象の内容を説明させるという問いです。

★すべての教科で、この事実のディテールにこだわった視点を要求してくるのが武蔵の特徴なのかもしれません。

★伊藤さん自身、普段気づかないような身体としての記憶と思考と介在するモノとのあいだの関係について克明に描いています。しかも、普遍的な身体論ではなく、インタビューをしている自分の身体と記憶と思考とモノの関係と相手の身体と記憶と思考とモノの関係のズレと共通点というローカル・ルールにこだわり、その事実性を積み上げていくことで人間としての共通ルールに行き着く見通しを立てています。

★まるで、この思考様式に武蔵の学び方や思考のスタイルがシンクロしているかのような問題でした。

★それにしても、麻布にしろ、開成にしろ、武蔵にしろ、大人が読む本から8000~9000字くらいの文章を出題するとは。しかももう30年以上続いているわけです。幼い時からピアノやヴァイオリンを習い、若いうちからコンクールで活躍をしている音楽家たちがたくさんいます。アスリートの場合も同様です。ある意味、この3校に入学する生徒は、幼いころから読書量を積んで、その都度質が向上しますから、小6の頃には、新書版ぐらいの本が読めるようになっています。知のアーティストあるいはアスリートといった感じでしょうか。

★このことがよいのかどうかわかりませんが、子どもたちの才能開花の可能性に蓋をするのはどうやらよしたほうがよいのでしょう。

★一方で、読書がすべてではないわけですから、そのような体験がそれほど多くない場合、これらの学校を目標にすると、なかなかシンドイかもしれません。もちろん、国語が苦手でも算数や理科で振り切る生徒もたくさんいます。

★しかし、その算数や理科の問題をみると、これまた尋常ではないのです。ある意味才能が必要です。

★4教科のうち1教科でも突き抜ける才能者だったら、コレラ3校を目標にするのは、ワクワクするようなゲームになるでしょうが、どれも平均的だけれど、頑張るんだとなると、相当ストレスは高いでしょう。この3校でなければ、未来がないということは全くないのです。4教科の国際コンクールでゴールドメダルを取る生徒がたくさんいるのが、この3校の生徒たちです。それはすばらしいことですが、すべての生徒がゴールドメダリストになる必要はないのは、すべての人がオリンピック選手にならなくても幸せな人生を歩けるのと同じです。

★それぞれの受験生のペルソナに合った学校を探すことの方が楽しみながらそれぞれの才能を開花して、多様なライフシフト時代をサバイブできるのではないかと余計なことを考える今日この頃です。

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