2022年教育動向(20)八雲学園の最強経営戦略 3人の副校長の教育と経営のグローバル戦略
★八雲学園は、今年の中学入試の募集結果を公表しました。単年度だけではなく、3年度分。実受験者数も織り込まれています。もちろん一般入試も帰国生入試も公開。両方合わせた出願総数の前年対比は、115.2%。一般入試の受験率は47.5%。帰国生の受験率は100%です。この結果が出たことは、2021年4月からの新体制と2022年度から学費を上げる決断の両方の成功を意味します。私たち私学の経営戦略にとって極めて重要なロールモデルです。
★新体制とは、3副校長体制になったことが大きな変化でしょう。しかも、3副校長と対話していると、役割分担ではないんですね。教育のベースは共通していて、経営部門で、グローバル広報戦略、国内広報戦略、21世紀型教育広報戦略=ラグビー精神戦略の3つのベクトルが合力になるようにロールプレイする体制になっているのです。最強ですね。
★そしてもう一つ教師同窓力ベクトルというのが、合力に加わります。このベクトルはラグビー精神戦略の賜物でしょう。
★その結果、感動的な生徒の成長力が生成されています。
★それから、学費を値上げしても、出願が増えたということは、実はマーケティング戦略が、前回紹介した「突出型」と「共感型」の両立を仕掛けているため、シナジー効果が現われたのです。
★八雲学園の中学は、Z世代誕生年である1995年に再開したのですが、そのときから八雲学園の教育の総合力を支持している絶大なる受験市場をずっと大切にしています。この点では共感型マーケティングです。
★ところが、受験市場の中には、教育の総合力より塾歴社会のニーズを満たすエリアも21世紀になって生まれています。そこで受験勉強している受験生の保護者は、実はこの共感型市場にはいないのです。したがって、共感型マーケティングだけだとそこの保護者に八雲の教育が届きません。
★そこで、2013年ころからグローバル教育広報戦略を着々と進化させてきました。すると塾歴社会から向こうに本当の教育があるのではないかと気づく受験生・保護者が現われてきたのです。これは突出型マーケティングですね。
★また、この突出型マーケティングによって、遠くの世界で学んでいた帰国生にも見えるようになってきました。
★既存の塾が、このことに気づき、この突出型市場を取り込むことによって、自分たちも市場創出の機会を得られるということにもなってきました。つまり、非塾歴社会の受験市場にとっても有益なのです。
★八雲学園の新体制に到る道のりの中で、この突出型と共感型の2つのベクトルが合力をつくったともいえます。
★わたしの勤務校でも、3副校長というタイトルをつけるわけにはいきませんが、そのロールプレイを参考にして組織を創りたいし、教師同窓力を少しずつ広められるよう状況にもなってきたかなと思っています。とはそっくりそのままとはいかないので、アレンジしなくてはなりません。そういったことをいつも気づかせていただき、ありがとうございます。
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