学校が変容するというコト(10)21世紀型教育機構の新しい学校の作り方 10年後に学校の景色が完全に変わる
★昨年、21世紀型教育機構は創設10年を迎えました。昨日、2021年度の最終定例会が行われ、4月から新しい次元の学校市場を創る準備が整いました。そのための離陸式が、昨日行われたのです。この新しい次元の学校市場のリーダーシップ&コミュニティシップを発揮するのはSGT(スーパーグローバルティーチャー)です。グローバル化×デジタル化×グリーン化ベースのPBLを自在に行えるクリエイティビティを生成することができるプロフェッショナルです。
★21世紀型教育機構の加盟校がそれぞれに自由に行っているPBLは、ハーバードやMITメディアラボ、スタンフォードなどで研究されているPBLと肩を並べるほどです。これらの大学で行われている学問的なPBLは、英語で書かれているために、何か凄いもののように思えますが、読んですぐに了解できることは、私たちも創意工夫している方法論と同期します。
★上記の本のようにハーバードなどで協働して研究された成果は、著者1人の力でできたものではなく、ダイバーシティ&コラボレーションで生まれているということをはっきりと語っています。もともとプロジェクトという研究による成果なので、日本の教育関連の書籍のようにTTP(徹知的にパクる)が当たり前で、クレジットを明らかにせず、あたかも自分のアイデアだけでできたかのような勝ち組負け組の枠の中で、偏差値などを批判したり、学校を批判する自家撞着は回避されます。
★ところが、21世紀型教育機構の加盟校の先生方は、そんな自家撞着は起こしません。互いのアイデアを尊重し、それを共にブラッシュアップしようというコミュニティシップを発揮しています。
★そのようなSGTがたくさん集い、その互いのアイデアを最適に活かしたSGTをたたえる表彰が行われたのです。
★称賛の声は、偉そうにこれはこうしたほうが良いという指摘をする愚かなものではありません。もっとこんなものを共に創っていこうというエンパワーメント型のエールを贈り合うものです。
★しかし、この10年前からそうだったわけではありません。脱偏差値主義を標榜し、その偏差値市場の中で、別の市場を創出しようというやり方でした。その市場では機構以外の学校も21世紀型教育風の教育を行ったとき、それをなんちゃって21世紀型教育だと差別化しようとして必死になったものです。
★しかし、それは結局旧エリート主義に対する新エリート主義の勢力拡大を図ることに自ら陥ってしまったというわけです。しかし、10年経って、同じ偏差値市場の中で、そんな競争をしていたのでは、日本の教育を変えたり、今後ますます困窮する日本社会を救うことができないと気づいたのです。
★今後は、SGTの活動が教育の質を変えることになり、同時に新しい次元の市場を創ることになります。偏差値市場はそのままあってもよいのです。それをどうのこうの言っている暇はありません。新しい別次元の市場を創り、豊かにしていけばよいだけです。そのことに21世紀型教育機構は気づいたのです。
★ライフシフトの時代です。マルチワークの時代です。偏差値市場と別次元の市場のパラレル教育経済社会があって構わないのです。どちらの市場を選択するかは、保護者や子どもたちの私事の自己決定にすぎません。それによって、両者がシナジー効果をだすのか、どちらかが消失するのか、それはわかりません。それぞれぞれが真理を遂行していると信じて行っていけば、自ずと結果はでます。
★とはいえ、この別次元の教育市場は、欧米ではすでにたくさん生まれています。
★日本経済新聞などでは、このことに日本の教育が気づかない理由が最近書かれています。1月31日の記事を読んで、はっとしました。
★いったいそれは何?TTPを回避するために、今ここでは述べません。4月以降それが徐々に見える形になります。秘密主義ではありません。同志には共有されますから。TTPと同志が共有することは似て非なる行為です。エゴかMFO(Men for Others)かの違いです。
★今回のパンデミックショックで、エゴよりもMFOが大切であるということが世界で共有されています。エゴ市場からMFO市場へトランスフォームする時代がやってきました。この流れは、21世紀型教育機構だけではなく、首都圏模試センターも別のアプローチでつくっています。
★2024年に合流して大きなベクトルが現われると確信しています。
★10年前、21世紀型教育機構の教育の基礎作りをしていたとき、多くの人はC1英語なんかできるわけでがない、PBLなんて大学合格実績を生み出せない、ICTを推進している学校は偏差値が低い学校だと一笑に付していました。思考コードを否定したり、思考力入試を否定したりする人もたくさんいました。しかし、真理は自由を生み出すのだと信じ、機構の先生方はみんなでセミナーを開催して、真理の道を追究してきたのです。
★もっとも、今、そういうことを言う人はいません。逆に「21世紀型教育」という言葉は一般名詞になったよねと言われます。
★時代を創るキーワードを生み出したということは、その時点で、空が灰色になったということです。それは再びミネルバが飛び立つ合図です。新しいMFO市場はライフシフト時代を促進する市場です。4月以降、知の女神ミネルバと共に、21世紀型教育機構は新たな動きを生み出していきます。大いに期待しましょう。
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