2022年教育動向(12)聖学院の人気の理由の質が変わった
★今年の聖学院の出願総数の前年対比は、112.3%。前々年比は126.9%。したがって、年々市場の評価は高くなっているのです。その理由は、いろいろありますが、注目したいのは、Only One For Othersという理念が、今回のパンデミックショックで、ひとり聖学院のものだけではなく、世界中の人の胸に響いたということです。今自分たちが人間としてできることは、困っている人々をどうケアし、共に困難をいかに乗り越えていくのか。真正面からこの理念を引き受けることが、たんに道徳的使命ではなく、人間の存在の根源から湧き出ていることであるという共通認識が世界に広がったことでしょう。
(写真は、同校サイトから)
★つまり、私たちは「リンゴの世紀」であることに再び気づき、新しいやりかたでその人類の大問題をα世代、Z世代と共にクリエイティブに駆け抜けようとしています。しかしながら、それは言うは易く行うは難しです。それを実践している学校はどこか?その代表格が「聖学院」です。偏差値という仮象の基準を捨て去り、人間存在そのものを問う言葉と行いを追究する思考力と共感力とパッション(情熱以上の意味があります)を基準に教育を行っています。
★今までの受験市場に、そのような誠実かつ進取の気性をもったプレイヤーが現われたわけです。いや、そのようなプレイヤーを10年かけて、覚醒し掘り起こしてきたと言ってよいかもしれません。その革新的姿勢を、従来の受験市場に右顧左眄するのではなく、聖学院は、誠実に正直に語り続けてきた結果、それが今の人気になっているのでしょう。
★そして、その革新的姿勢の粋が、聖学院の思考力入試です。この試験の方法はあまりにも有名なので、私が説明する必要はないでしょう。それに同校のサイトに行けば、その様子を見ることができます。ぜひご覧ください。
★いずれにしても、聖学院の人気は、もちろん、今でも面倒見がよいから、大学進学実績が伸びてきたから、破格のグローバル教育を行っているから、デジタル化の進化が凄まじいから、PBL型授業が好奇心、自己開示、クリエイティブシンキングを開発するからなどなどは当然のことながらあるでしょう。
★しかし、それはもはや同校の目的でも目標でもなくなっています。それがゆえに、生徒1人ひとりの才能を生かし、その才能を社会実装するカタチに転換することで、大きな成長=自己変容の翼を広げることができるという確信を抱ける市場の支持者が多数登場させることに成功したということでしょう。
★このことは、聖学院の人気の量が増えただけではなく、質も変わってきたということを示唆します。
★それから、グローバル思考力入試を終えて、帰ってきた知人の合格者が、「おもしろかった!自分のアイデアや意見を語ることができました。C軸思考最高!」と語ってくれたのです。思考コード使っているんだとふと思いながら、それはともかく、楽しくて深い学びができる受験勉強がここにあると実感。
★受験勉強のあり方も変容するのが、2022年なのでしょう。
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