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2022年1月23日 (日)

2022年ホンマノオト21で描くビジョンを考える(27)昭和女子大学、iUは、New Value 大学

★中央公論2022年2月号の特集は「もがく大学再生の道」。「トップが語るアフターコロナの大学論」で、早稲田大学、関西学院大学、昭和女子大学、東京工業大学、国際教養大学、金沢大学、iU、東北大学のトップが語っています。いずれもパンデミックによってダメージを受けはしたが、新たな気づきや発見があった。そこをポジティブに展開していこうというトーンは共通しています。その中で、新しい政策やイノベーション、プラットフォーム、大学の使命の提案のみならず、学生一人ひとりのNew Valueをダイレクトに生み出す実践のケースを語っていたのは、昭和女子大学とiU 情報経営イノベーション専門職大学(以降「iU」)で、参考になりました。

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★昭和女子大学の坂東理事長・総長は、国際教育に力を入れていたのが、リアルスペースが活用できなくなって、ダメージを受けたものの、それをグッドクライシスと捉え直し、オンラインで新しい国際交流や研究会を行い、まさにピンチをチャンスに変えたコペルニクス的転回発想を語っています。それはしかし、同時にオンライン格差を生み出しているわけであり、それを解決するには、学生に対する個別最適化というAI頼みだけではなく、個別支援活動をしているというケースメソッドを紹介していました。

★それができたのは、中規模大学だという量と質の均衡を語っていたのはなるほどと。結局デジタル化はメンタルや人間関係、身体の健康などケアリングとセットになっていないとうまくいかないし、大学の教師やスタッフと学生のコミュニケーションがうまくいかないとという話です。

★つまり、デジタルーケアリング、大学人ー学生の2軸がつくる4座標のどの象限も満たされていなければならないということでしょう。デジタルー大学人の話に偏ったり、大学人ーケアリングに偏っても、機能的だけれどハッピーになれなかったり、想いは伝わるけれど突破できない不満が生まれたりするわけです。

★この昭和女子大学の高品質の実践は、おそらく昭和女子大学附属中学にも反映しているのでしょう。現時点で、中学の出願数が前年対比100%を超えている入試がはやくも出てきています。

★同グループは、学生1人ひとり、生徒1人ひとりのNew Valueを生み出す学びや研究を行っているのだと思います。

★中規模と言えば、iUもそうですが、何せあの中村伊知哉学長です。海外大学に目を向けたかと思うと、一気呵成にに学生1人ひとりのNew Valueを生み出すことに目が向きます。MITやスタンフォードのエッセンスを凝集し、多様なコミュニティをワクワクしながら学生がプロデュースする起業機会を創っています。

★両大学から、やはりライフシフト時代を牽引する学生が輩出されるビジョンとメソッドが見えました。グローバル化、グリーン化、デジタル化が三位一体になっていて、それを自在に拡散凝集できるのは、コミュニティを企画運営できるダイアローグの生産力に尽きる感じがします。この生産力をGGDDとしましょう。

★いまのところ、ドイツ人が1000万かせぐ場合の労働生産性に対し、日本人は650万の労働生産性しかありません。働き方改革が進まないわけです。働き方改革をして、労働生産性があがるには、GGDD能力でワクワクしながら起業できるアイデア資本主義がポイントになるでしょう。

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