2022年ホンマノオト21で描くビジョンを考える(19)教えないことは教えることで、教えることは教えないこと。
★昨日、新渡戸文化中高の山本崇雄先生と少しお話しできたのですが、教えない授業の極意に触れたような気がしました。これについては、今度山本先生にお話をお聞きしようと思いますが、どうも世の中は、メタファーという理解をなかなかできなさそうです。とはいえ、言葉は、そもそも言葉である以上メタファーです。「鉛筆」という言葉は、✎そのものではないでしょう。それでも理解できてしまいます。しかし、理解しているということは、「鉛筆」と✎が一致している確率の話で、推論にすぎません。
★ですから「教えない授業」も、本当は「教える=a×教えない」という関数です。関数といのは、グラデーションと置き換えても良いですね。置き換えることができること自体、言葉はメタファーです。
★有名なピアソンとギャラガーの学びを生徒が引き受ける度合はグラデーションで、どこのポジションで教える教えないかで、それは違うわけです。極端に100%教えない「極」を語っているのか、教師と生徒の両極の間のどこか辺りなのかは、授業の展開によって刻一刻と変わるのです。
★ですから、不動の教師一方通行型講義という極に拘泥するのはやめましょうよというのが山本崇雄先生の考え方だと思います。
★メタファーは言葉の関数だし、AIの場合理解一致度の確率の高低でしょう。とはいえ、メタファーは身体性とかかわっているので、AIがなかなか人間を超えられない点でもあります。
★それに、読解で、理由はどこに書いていますか書き抜きなさいという問題も、ずばり書いてあるからズレるはずがないと思っていますが、そのアイデンティティを保証するエビデンスは何でしょう。こんな一見当たり前のことも、私たちは本当は語り尽くせないのです。
★今の教育はそれを無視しがちですね。かりに一方通行でなくても、この言葉はメタファーの度合いが高いか低いかで、メタファーでない存在はないのかもしれないということを対話できなければ、それはただの相互通行型のカタチに過ぎないのです。
★逆にこのことを意識して一方通行型で講義をしていた場合、ダイレクトに語っていることではなく、インダイレクトなことを相手に考えさせることになれば、それは実は教えない授業です。
★でも、また本間の妄想だということになるでしょう。
★しかし、AIの理解は確率の問題です。頑なな軸や極、定義などの固定主義は、AIに勝てるわけでがありません。知の身体性の回復、言葉のメタファー機能の回復が必要な時代です。
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