2022年ホンマノオト21で描くビジョンを考える(29)工学院 大飛躍の風。
★「2022年ホンマノオト21で描くビジョンを考える(25)工学院 New Value School 学びの生態系が拡張」で、工学院大学附属中学校・高等学校(以降「工学院」)の生徒募集が前年対比を超えるのではないか、それはすべての生徒がそれぞれの興味と関心をグローバルでイノベーティブで、クリエイティブな学びや探究に広げていく高い教育の質があるからではないのかというような趣旨のことを書きました。そして、それは2月1日を待たず、証明されました。
★同校教務主任の田中歩先生によると、出願総数の2022年1月24日同日前年対比で150%弱だそうです。すでに帰国生の前年対比は126%です。そして、なんといっても、この段階で、出願総数も、実受験者数も昨年の最終の数を超えてしまったそうです。工学院には、大飛躍の風が吹いていると言えましょう。
★首都圏模試センター発刊の「しゅとも11月号」の特集「進化する授業、進化する教師」で、田中歩先生が取材されています。「対話から1人1人に最適な学びを提供する個別最適“家”」というペルソナが与えられています。
★このタイトルを見たときに、アンディ・ハーグリーブスの“Professional Capital”という本を想いだしました。2013年に出版された本で、21世紀型教育機構を創設する時に、共有した本です。ここから21世紀型教師としてSGTを生み出そうと田中歩先生や聖学院の児浦先生と考え、活動を開始したわけです。
★最近、ライフシフトという本も邦訳され、有形資産から無形資産へという流れがでてきています。まさに工学院の教師は無形資産そのものだし、ライフシフト時代をサバイブする今のZ世代、それからちょうど中学受験生であるα世代が無形資産を生み出すような教育環境を作りだしています。
★ライフシフトで語られている有形資産と無形資産とハーグリーブスのいうビジネスキャピタルとプロフェッショナルキャピタルは、完全に一致はしませんが、重なる部分も多いですね。貸借表の資産と資本の違いとか、そういうことではもちろんないでしょう。あくまでもメタファーでしょう。
★本間はよく教育現場で金の話をするけしからんとお𠮟りをうけることも多いのですが、ライフシフトでは、教師は大事なケアリングクラスです。また、ダボス会議で議論され続けているグレート・リセット時代におけるクリエイティブクラスです。そんな教師が富裕層になる必要は毛頭ないし、なりたいとも思っていないでしょうが、ゆとりのある豊かな精神を持続可能にするキャピタルは必要だと思います。ハーグリーブスも、同書の中で、次のように語っています。
“ When the vast majority of teachers come to exemplify the power of professional capital, they become smart and talented, committed and collegial, thoughtful and wise. Their moral purpose is expressed in their relentless, expert-driven pursuit of serving their students and their communities, and in learning, always learning, how to do that better.
Hargreaves, Andy; Michael Fullan. Professional Capital: Transformng Teaching in Every School . Teachers College Press. Kindle 版.”
★deepl翻訳によると「大多数の教師がプロフェッショナル・キャピタルの力を発揮するようになると、彼らは賢く、才能があり、献身的で仲間思い、思慮深く、賢明な教師になります。彼らの道徳的目的は、生徒と地域社会に貢献するために、専門家主導で絶え間なく努力し、より良い方法を常に学習することに表れています。」少しおかしなところがありますが、私が訳するよりよほどわかりやすいので、そのまま掲載しておきます。
★工学院の教師は、まさにプロフェッショナル・キャピタルですね。大飛躍の風が吹くはずです。
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