2022年ホンマノオト21で描くビジョンを考える(03)プロジェクト89へ3つのステップ
★元旦多摩川河川を妻とシニアウォーキングしていると、遠くに富士山が見えました。静岡県や山梨県から見る富士山も、東海道新幹線や飛行機から眺める富士山も美しいですが、こうして多摩川河川から見える富士山もいいですね。もっとも接近すると、様々な問題もあって、存在とはこういうものだとまた別の真理も知ることができます。いずれにしても古来より日本の国の顔の1つであることに変わりはないでしょう。多面的だけれど普遍というわけです。
★学校説明会で時々話すことがありますが、どこからみても美しい富士山と同じような形をしているのに、裾野の一部だけが注目される山があります。それを皆さん知っていますか?海外にはないのに日本にはあって、それによって生徒の皆さんはいつも思い悩まされます。それは偏差値というベルカーブです。富士山を眺めながら、この偏差値カーブも偏差値65以上という10%だけではなく、100%がいろいろな意味で素敵なんだということにしたいと思うのです。
★評定平均が3ぐらいだとか偏差値50だとか言われ自己肯定感を低くしている君も、冨士さんだったら多摩川河川からでも見える頂上に位置しているわけです。悩むことなんてないんですよ。それぞれの場所で、それぞれの個性とオリジナルの才能を発揮するクリエイティブクラスやケアリングクラス、キャリアデザインクラスとして自分の力を発揮して、年収1000万以上稼げるようになるのは可能なのが、本来の公平な教育なのですから。
★現状は偏差値ランキングは教育格差を生み出し、そのまま経済格差を生んでいます。10%の偏差値65以上の生徒が、企業のうちの10%の大企業に進んで、1000万以上の年収を稼ぎますが、それ以外は、サラリーとして1000万稼ぐのはなかなか難しいのです。この単純な現状の事実を教育現場では語りませんね。おっとここでは母集団が高校1年生100万人ですから、中高一貫校はここでいうその10%にあたります。
★ともあれ、それなのに、起業家精神だとか経営学科への総合型選抜対策だとか、社会実装だとかいいながらサラリーの話は授業の中でしないでしょう。どうしてでしょう。それはいろいろありますから、ここでは述べません。
★それにサラリーは低いけれど、税金の関係で新車をバンバン乗り回し、なんか大企業に勤めているのと同じような、いやそれ以上の暮らしをしている人々もたくさんいます。とはいえ、それも中小企業の勝ち組で、みんながそうだというわけではありません。
★ですから、上のベルカーブの図式は極端すぎますが、まあ、超富裕層や富裕層、準富裕層、準々富裕層までをファーストクラス、それ以外をマスクラスとシンプルに分けたほうが、日本の場合はわかりやすいでしょう。そして、それが学歴社会に重なってしまうのです。
★どうです?こういう具合に事実を認識し直したら、どう感じますか?そう、何が自由、平等、博愛なんだとなるでしょう。
★サラリーの数字は本当はどうでもよいのですが、これによって私たちの生活や心のゆとりが影響を受けてしまうしたらどうですか?この状況を改善しないで、自己肯定感を高く持てなんてますますおかしいと思いませんか?
★日本の教育現場では、驚くほど批判的思考というのが人気がないんですね。リフレクションという言葉は大好きなのにね。
★クリティカルシンキングもリフレクションも同じメタ的な思考なのですが、日本人は前者を批判的思考と訳し、後者を反省と訳し区別してしまっています。だから、現状をきちんと分析せずして、自己肯定感を高めようなんて平気で言えるんです。
★もちろん、現状をそう簡単に変えることなどできないのだから、にもかかわらず自己肯定感を高め続け、機会を狙おうという本質的な意味を体現している方々もたくさんいます。
★しかし、それとて、人口の3%でしょう。
★7%の人は変えなくても、その中でポジションをとって勝ち組になればよいと無意識の内に思っているのかもしれません。
★ところが、パンデミックは、このことを赤裸々にしてしまいました。片方では悪戦苦闘を強いられているのに、もう片方では株価が上がり悠々自適の生活をできてしまっているのです。なんということでしょう。
★いやいや、このパンデミックは、実に公平で、そういう生活をしている人に、それでよいの?と突き付け、新しい資本主義を考えなくてはあかんと思わせるよういにしたのです。同時に、エッセンシャルワーカーの方々にスポットをあて、さらに弱い立場にある方々のサポートこそが文明国の証なのだと言わしめるようになったのです。そして、それをサポートするクリエイティブクラスが前面にでてきているのです。
★そして、このような新しいクラスの登場にライフシフトを形づくるキャリアデザインクラスも誕生してきました。この3つをC軸クラスと私は呼んでいます。
★当面2030年までは、ファーストクラスは慈善事業化になってがんばってもらって、マスクラスは、みんなC軸クラスになりましょう。年収1000万以上稼げますよ。
★そんな馬鹿な?!そう思って、マスクラスのままでいてもよいですが、C軸クラスになってみんながwell-beingを共有する方がいいと私は思います。
★そんなわけで、まずは隣近所からこのことを共有するのがここ1,2年のステップです。そして2030年までには、C軸クラス教育を完成させ、最終的には、2089年にみんなC軸クラスでwell-beingな世界を創るというわけです。ただし、これはまだ日本だけの話なので、22世紀はこれを日本のα世代が布教していくことになります。
★できるわけがないという方もいるでしょうね。すべての始りは、そういう不安に満ちています。いっしょに不安を解消しながらスリリングでワクワクするようなフロンテア精神を拡張しましょう。プロジェクト89スタートです。
| 固定リンク
« 2022年ホンマノオト21で描くビジョンを考える(02)2021年12月アクセスランキング 「基礎学力観のコペ転」注目か? | トップページ | 2022年ホンマノオト21で描くビジョンを考える(04)学校雰囲気 »
「創造的才能」カテゴリの記事
- 今後の中高における生成AI活用の重要性(2023.12.05)
- 2024年中学入試(06)湘南白百合の海外大学進学準備教育(2023.12.04)
- 2024年中学入試(05)小泉信三賞が認める富士見丘の高校生活(2023.12.03)
- 2024年中学入試(04)サレジアン国際学園世田谷 画期的な「国際学園」(2023.12.03)
- 2024年中学入試(03)昭和女子大学附属中学校・高等学校 どこよりも進化する生徒プロンプトエンジニア(2023.12.02)
「21世紀型教育」カテゴリの記事
- 今後の中高における生成AI活用の重要性(2023.12.05)
- 2024年中学入試(07)今年も工学院は人気 共感的コミュニケーションの可視化 生成AIだからこそ(2023.12.05)
- 2024年中学入試(06)湘南白百合の海外大学進学準備教育(2023.12.04)
- 2024年中学入試(05)小泉信三賞が認める富士見丘の高校生活(2023.12.03)
- 2024年中学入試(04)サレジアン国際学園世田谷 画期的な「国際学園」(2023.12.03)
「中学入試」カテゴリの記事
- 今後の中高における生成AI活用の重要性(2023.12.05)
- 2024年中学入試(07)今年も工学院は人気 共感的コミュニケーションの可視化 生成AIだからこそ(2023.12.05)
- 2024年中学入試(06)湘南白百合の海外大学進学準備教育(2023.12.04)
- 2024年中学入試(05)小泉信三賞が認める富士見丘の高校生活(2023.12.03)
- 2024年中学入試(04)サレジアン国際学園世田谷 画期的な「国際学園」(2023.12.03)
「創造的対話」カテゴリの記事
- 今後の中高における生成AI活用の重要性(2023.12.05)
- 2024年中学入試(07)今年も工学院は人気 共感的コミュニケーションの可視化 生成AIだからこそ(2023.12.05)
- 2024年中学入試(06)湘南白百合の海外大学進学準備教育(2023.12.04)
- 2024年中学入試(05)小泉信三賞が認める富士見丘の高校生活(2023.12.03)
- 2024年中学入試(04)サレジアン国際学園世田谷 画期的な「国際学園」(2023.12.03)
「PBL」カテゴリの記事
- 今後の中高における生成AI活用の重要性(2023.12.05)
- 2024年中学入試(07)今年も工学院は人気 共感的コミュニケーションの可視化 生成AIだからこそ(2023.12.05)
- 2024年中学入試(06)湘南白百合の海外大学進学準備教育(2023.12.04)
- 2024年中学入試(05)小泉信三賞が認める富士見丘の高校生活(2023.12.03)
- 2024年中学入試(04)サレジアン国際学園世田谷 画期的な「国際学園」(2023.12.03)
「高校入試」カテゴリの記事
- 今後の中高における生成AI活用の重要性(2023.12.05)
- 2024年中学入試(07)今年も工学院は人気 共感的コミュニケーションの可視化 生成AIだからこそ(2023.12.05)
- 2024年中学入試(05)小泉信三賞が認める富士見丘の高校生活(2023.12.03)
- 2024年中学入試(03)昭和女子大学附属中学校・高等学校 どこよりも進化する生徒プロンプトエンジニア(2023.12.02)
- 2024年中学入試(01)國學院久我山中 理科の入試問題 骨太に進化(2023.12.01)
「聖パウロ学園」カテゴリの記事
- 聖パウロ学園高等学校 小島綾子校長 新しいリーダー像に挑戦(2023.10.17)
- 聖パウロ学園エンカレッジコースの阿部滉先生 大学地域連携学会第3回大会登壇 生徒が開く地域の人々との本来的な関係性(2023.10.14)
- 聖パウロ学園高等学校 生徒1人ひとりの内面の光こそが重要であるという 新しいカトリック学校(2023.10.08)
- 聖パウロ デジタル・グリーン・ワールドを創る人的資本が生まれる環境着々(2023.09.27)
- 対話関係を生み出す分解・統合・変形ワークショップ 伊東竜氏とコラボして➋(2023.09.10)
最近のコメント