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2022年1月10日 (月)

2022年ホンマノオト21で描くビジョンを考える(10)本日10日から首都圏中学入試本格化 埼玉入試・東京と神奈川エリアの出願始まる。人気の理由の変化の兆し。

★本日10日、首都圏中学入試は、埼玉から一般選抜が本格的に始まりました。同時に東京と神奈川エリアの私立中高一貫校の出願が始まります。多くの場合インターネット出願ですから、今日が日曜日であっても出願可能なのです。首都圏中学入試が一斉に始まったわけです。とはいえ、登録準備自体は12月末ぐらいから各校行っていますから、生徒募集の動向をみながら、ギリギリまで柔軟に募集戦術が動いているのがこの時期です。ですから、入試日は20日に千葉エリアの中学入試が本格実施、2月1日が東京・神奈川エリアの中学入試が本格実施なわけですが、学校のバックヤードでは昨年末から首都圏は一斉に本格化しています。

【図1】

Photo_20220110082101

★さて、埼玉入試の出願状況はどうでしょうか。日能研倍率速報(2021年1月9日午後5時現在)では、すでに埼玉エリア全体の出願状況は昨年比126.2%です。ベスト10を列挙してみます。

1:国際学院 1/10午前  221.7%
2:西武学園文理 特待  216.0%
3:武南 第1回午後  207.0%
4:武南 第1回午前  192.7%
5:栄東 A日程①  157.9%
6:春日部共栄 第1回午後  156.8%
7:埼玉栄 第1回医学/難関/進学  153.3%
8:埼玉栄 第2回医学/難関大  144.7%
9:細田学園 一般1回  136.5%
10:春日部共栄 第1回午前  132.4%

★こうしてみると、どこの学校も、【図1】のように教育環境が変化していることがわかります。もちろん、2011年段階の環境もまだまだ併存しているところが多いでしょうが、三田国際のように完全に21世紀型教育にシフトしている学校もあります。いずれにしてもどの学校も、論理的・批判的・創造的思考(思考コードでいう「B軸×C軸思考」)を学べる教育環境になっています。

【図2】

Photo_20220110082201

★しかし、たとえば武南のように教育環境の変化だけではなく、そのB軸×C軸思考を社会実装できる大学に進むキャリアデザインを展開しているところが人気があるという動きがあるような気がします。上記の学校はみなそうでしょう。

★21世紀型教育校とかもっと広い意味ではNew Power Schoolという私立中高一貫校は、2021年まではまだ期待値で人気が不安定でした。ところが、2021年に、国内のみならず海外大学も大量に進学できる実績を出しました。

★東大に何人いれるではなく、Z世代が自分たちで未来や世界を創っていくC軸思考を身につけ、それを自分のやりたい分野や領域で生かせる=社会実装できる大学はどこかというキャリアデザインが新しい学びの環境の中でなされてきたわけです。その結果、コンピュータサイエンスやバイオテクノロジーやでアート思考と工学を連合できる学部に進みたいと思ったとき、海外大学の方が研究環境が整っているあるいは海外にしかないなどと判断したら、チャレンジするという時代に2021年からなったわけです。グローバルでイノベーティブな進路指導と言ってもいいかもしれません。2022年中学入試は、どうやらそこに注目した動きになっている可能性があります。

★したがって、教育環境の変化という質の変化だけではなく実質的な成果も出しているところに人気が集まるという時代に突入したのかもしれません。

★量の競争か質の競争かから質と実質の積のスコアという新たな量の競争に突入したということです。パンデミックショックによって、経済と命の両方を統合するには、理想と現実の統合が必要だというのは世界同時的に身に染みているわけですから当然と言えば当然です。

★理想ばかり言っていないで現実が大切だという20世紀の発想は、ようやく終焉を迎えましたが、同時に21世紀初頭の未来への期待値だけでは生きていけないのだという認識も広まりました。21世紀も四半世紀を迎えます。そのときにパンデミックショックに遭遇しました。

★理想と現実を統合し逞しくサバイブしていくにはいかにして可能か。そのためには、自分一人では生きていけないのだけれど、他者依存でもなく、自己実現でもなく、それぞれの才能を見出して協働しながら自分も社会もサバイブしていける新しい生き方=ライフシフトの時代がやってきたということでしょう。

★小学校6年生は、100万人はまだいますが、このような意味でのネオサバイバルな能力資質を実装できる教育環境を整備している場は、私立公立問わず中高一貫校です。しかしながら、ここは、10万人しかまだ学べません。

★残りの90万人にも同様の環境を作りたいものです。それには高校全体がネオサバイバルな生き方を学べる環境にシフトする必要があるでしょう。まずは勤務校から頑張りますが、連帯のネットワークもつくっていきいたいと思います。そう埼玉の中学入試の動向を眺めながら思った次第です。

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