2022年教育の変容始まる(04)沸騰受験列島から多様なキャリアデザイン列島へ
★沸騰受験列島は2月から3月上旬までが定番でしたが、ここ数年は、10月からすでに受験シーズンは始まっています。もともと小学受験は10月からはじまりますし、大学の多様な推薦型入試も始まります。高校入試もいわゆる本番は1月から2月にかけてですが、11月から12月にかけて各学校で入試相談に向けての準備がピークになるのもこの時期です。そして、12月には中学における帰国生入試やエリアによっては推薦入試がスタートします。したがって、沸騰受験列島は、1年の半分は、そういう雰囲気になっているのが現状ですから、もはや日常ということでしょう。
★ですから、受験ではなく、日々自分の人生をどうするか考え、各年齢に応じた自己と他者の関係物語=ライフ物語を紡いで生きているということですから、キャリアデザインを日々しているのが私たちだととらえるのがよいのではないでしょうか。受験は、節目節目の特別なイベントですが、ライフ物語を妨げるシステムであってはならないわけです。むしろ節句やクリスマスのように互いの幸せへのゲートとしていっしょに突き抜けようとするポジティブなイベントとしてとらえたほうがよさそうです。
★それが、なぜ受験地獄の門のようにとらえられてきたのでしょう。それは、本来共通財の知識を、競争財として使い、あたかもその財を持てる者と持てない者を分断するかのような雰囲気があったからでしょう。そのようなイリュージョンを創り上げてきたからでしょう。
★オイルショックやパンデミックショックなどのように、本来共通財であるトイレットペーパーや食材、マスクなど買い占め、スーパーマーケットやコンビニの棚が空っぽになってしまう光景を私たちは世界各地で目撃しているわけですが、受験シーズンは、まさに同じような構造になっているのではないでしょうか。
★そんなことに気づいた学校がNew Power Schoolであり21世紀型教育校です。このような学校は知識は共通財として思考や創造、判断などによってライフ物語を編集していくときに活用しますが、競争財としては使わなくなっています。
★ですからどれだけ競争財を持っているかで入試を行うわけではないのです。むしろこれからいっしょにライフ物語を編集しいく才能があるかその素養があるかその意志があるかをみる入試を設定するようになっているのです。そして入試問題は学校の顔ですから、そのようなライフ物語を協働編集していくカリキュラムデザインがなされているし、そのような物語を志望理由書やアイデア企画書としてプレゼンできる機会を設定している大学入試に挑むわけです。
★とはいえ、まだまだ日本の大学は知識を競争財として使う入試を実施していますから、それに適合したくない生徒は海外大学に活路を見出すようになってきていますね。この流れは、海外大学や海外の私立学校の日本上陸を促してもいます。ですから国内の大学も、文科省以上に目覚めはじめているわけです。
★このウネリが、沸騰受験列島を、多様なキャリアデザイン列島に変容させていくし、させているのだと思います。
★1989年から100年かけて壮大なウネリが生まれています。それはC軸クラスが地から図に転換するウネリです。つまり1995年からクリエイティブクラスが誕生し、2011年にその活躍が前面にでてきました。そして2020年、このパンデミックショックがケアリングクラスの重要性を前面に押し出しました。2030年は、新しい経済政治社会においてライフ物語の協働編集をするキャリアデザインクラスが前面にでるでしょう。
★思考コードでいえば、C軸発想とA3B3C3ラインの座標系を自在に活用できるクラスです。この視座全体をコーディネートできるクラスがコンバージョンクラス(コペ転クラス)です。コンバージョンクラスは、ほかのクラスの全体集合です。
★そして、2022年は、多様なC軸クラスの時代を開く希望の学校が続々出現してくるエポックメイキングな時代になるでしょう。中学入試の倍率速報を各シンクタンクが公開する時期ですから、C軸クラスを輩出するNew power Schoolや21世紀型教育校の勢いをみていきましょう。
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