2022年教育の変容始まる(03)中高一貫校を選択するとき、高校の教育の質を調べることが大事。ポスト・アントロポロセン=ノヴァセンを議論しその手段を実装できる高校はどこ?
★今日の日経新聞のいくつかのタイトルは、2030年に向けて動いているテーマが目につきました。パナソニックがメタバースに参入するとか、岸田首相が新たな資本主義で日本が世界をリードするとか、NTTと東大が、米中の量子コンピュータ開発競争を、2030年には超える新型量子コンピューターを開発しているとか。
★岸田首相の新しい資本主義のベースにはデジタル田園都市構想があるので、やはりこれらに共通するのは、みな光エネルギーを情報ビッドに変換する話です。化学と物理と数学の話。田園都市ですから、環境問題の話もあり、そこには光エネルギーをニューロン物質に変換する話と電子で直接置換する話のせめぎ合いの話が横たわっています。
★そんなことを考えていたら、今回のパンデミック前夜に出版された「ノヴァセン」(NHK出版で翻訳本がでたのは2020年4月でした)を書いたジェームズ・ラヴロック博士を想いだしました。
★100歳を超えているにもかかわらす、今流行りのアンソロポロセン(人新生)を超える考え方を構想している方です。同書の帯に落合陽一さんがコメントしているのもやはりなあと。
★デジタルネイチャー論者ですから当然ですね。
★これらの話が2022年の高校の新学習指導要領本格実施年度にどんな関係があるのか?大ありでしょう。2030年は、SDGsの1つのゴールだし、それまでに、デジタルサイエンスを充実させ、IT高度人材を輩出しないと、12万人不足するので、高度外国人材をよびこまなくてはならないということになっています。
★グローバルだ、多様性だと言いながら、在留外国人の全人口比は、諸外国に比べてて超低いのです。2%いかないともいわれています。やはり知の鎖国状態ですね。それをいきなり開国というのですからうまくいくでしょうか。
★コンピューターがビッドからQビッドに変わるわけですから、アントロポロセンがノヴァセンにいよいよ移行するというのも直観的にはわかります。というか、そのことは創造的思考自体が、もの創り思考から直観的創造思考に転換するということも示唆しています。
★2025年には、「情報Ⅰ」が大学入学共通テストの科目になりますが、その内容は、政府がいろいろなところで出している話ですが、まだまだ従来のITの話で、新しいITの話ではありません。2030年に間に合うのかなあ。
★ダイヤモンドオンラインでは、経済における米中覇権競争から日本は完全に脱落したということをデータで物語る記事も、今日目にしました。
★このようなランキング競争を生み出す垂直的階層秩序の発想をなんとかしなくてはならないのですが、その現実が眼前にあり、他人ごとではなく、日本における経済格差拡大に拍車をかけるわけです。しかも、日本の垂直的階層秩序は、学歴社会と同根であることも未だ解消されていませんから、経済格差は教育格差に通じます。
★ラヴロック博士は、この事態そのものは、アンソロポロセンのネガティブな側面だが、同時にそのネガティブをポジティブにかえるテクノロジーやデジタル社会ができてきたではないかと。自律した超人的なAIの登場は歓迎すべきであり。人類と新しいデジタル社会の共生があるいは融合がノヴァセンの誕生なのだと。
★2022年の高校の新学習指導要領は、創造的思考を開いたわけですが、この創造的思考を、量子ビッド感覚の直観的思考やSF思考で捉え返して、新しい教育を行っている高校があるとするならば、そこは希望でしょう。
★おそらく、開成(岸田首相の母校)、麻布、武蔵、工学院、聖学院、文化学園大学杉並、三田国際といったところは、そこも射程に入っていると思います。もちろん、勤務校は、カトリック校ですから、ラヴロック教授が黙示録をベースに考案したガイア理論にも親和性があります。今住学と理科教諭などとパウロの森アース構想を練っています。もっともまだアナログですが(汗)。
★ともあれ、自律的超人的AIが量子コンピューターによってさらにパワフルになるのですから、人間の方は、その先をいく直観的創造思考を養うしかないでしょう。。。。
★ラヴロック博士の著書“The Earth and I”の絵本の最後のページに記されたアインシュタインの言葉をここに記します。みなさんはどちらの人生を選びますか?そしてどちらの人生を歩む教育をする学校を選びますか?
There are two ways to live your life.
One is as though nothing is a miracle.
The other is as though everything is a miracle.
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