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2021年12月21日 (火)

2022年教育の変容始まる(02)中高一貫校を選択するとき、高校の教育の質を調べることが大事。工学院の場合。

★中高一貫校を選択する場合、高校の教育の質を調べてみることが大事だというのが、本シリーズのテーマです。なぜかということについては、前回少し述べましたから、ここからは具体的事例などを通して考えてみましょう。まずは多摩エリアで最も先進的と評判の高い工学院大学附属中高(以降「工学院」)です。

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★工学院というと、グローバル教育とICTが当たり前のように融合している教育がルーティンになっています。上記の写真は、インドの高校とオンラインで開催したイベントのロゴです。このサイトを見てもらうと、高校生がこんなハイレベルなフォーラムを企画運営するのかあと驚くことでしょう。

★しかも、これは2つの意味で同校の象徴的な教育活動なのです。1つは、このような活動はレベルの違いはありますが、すべての高校在校生が体験するということです。これは非常に驚きです。というのも、工学院は中高一貫校ですが、高校入学組が、中学入学組の倍以上なのです。

★高校から入ってきても、同様の教育活動を体験できるということが凄まじいですね。私の勤務校もがんばっていますが、高校だけの学校の事情というのがあって、ここまではいきません。ですから、そのエッセンスをいつも同校の教務主任の田中歩先生から学ばせて頂いています。

★もちろん、うちでなければできないこともありますが、グローバル&イノベーティブな教育については、虚心坦懐、教えてもらうのが一番です。本当にいつもありがとうございます。

★さて、もう一つの意味は、このイベントのコンセプト「みんな1人ひとりフェミニストに」です。このテーマを探究にしているということは、エンパシーを大事にしているからということを示唆しています。そう、共感的コミュニケーションベースの教育が工学院の中高のエンジンです。

★高校段階では、どうしても大学進学路線に特化しがちで、ファーストクラスになって勝ち組になるかどうかだけに目が行くものです。ところが、工学院は、中学だけではなく、高校でもクリエイティブクラス、ケアリングクラス、コンバージョンクラスというC軸クラスを輩出する教育がなされています。中高一貫組だけではなく、高校入学組もその環境の恩恵に浴することができます。

★高校入学組は、基礎学力という面では中高一貫組よりもある程度、高校受験を経験しているので、高いかもしれません。それゆえ、互いの違いを相乗効果を生み出すテコに使えます。そのテコとはまさにエンパシーベースのケアリングなのです。

★それから、このような教育環境を企画運営する先生方がすでに上記のC軸クラスであるということが結局大事なのです。

★オーストラリア研修、小論文コンクール、グローバルプロジェクトを各学年団がみな協働して行いますから、その企画運営の段階で、C軸クラスのトレーニングができるという組織になっています。

★勤務校も、そのような仕掛けのある組織態ですが、工学院をモデルにして、もっと意識をしてチャレンジしていきたいと思います。

★ともかく、2022年高校の新学習指導要領が本格実施されることを機に、全国の高校がC軸クラスを輩出する動きを広めていくと、日本の教育格差、その格差と相関している経済格差を解決していく契機をつくることができると思っている今日この頃です。

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