2022年教育の変容始まる(09)ライフ生成的PBLプログラム
★今年は27日が仕事納めとなりました。そこから毎日友人と静かにリフレクションの日々です。いろいろありましたが、最後に一つの大きなプロジェクトが立ち上がりそうです。本当に首都圏エリアの仲間の先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。勤務校の仲間の1人も参加してくれました。本当にありがとうございます。
★今年は、日々いろいろな出来事がありました。ハッピーなこともいっぱいあったし、逆になんとかしなければならないとサポートプロジェクトチームを幾つか立ち上げて切り抜けたり。ワンチームの力のすばらしさをこんなに実感できたことはありません。もちろん、その過程はみんなで知恵をしぼりました。
★最後の最後まで、保護者の方々と対話も出来ました。そして2022年から始まる新プロジェクトのミーティングへと。と思っていたら、1人の生徒が分厚い「絶望を希望に変える経済学」という本を大事そうにかかえてやってきました。「先生、読みました。自分のやりたいこともようやく見えてきたような気がします。年明けたら、また前の時のように対話をお願いできますか」と。もちろんと返事をしました。次のミーティングがせまっていたので、それ以上あまり対話ができませんでしたが。
★「学年末試験」の邪魔にならない程度にねと余計なことを言ってしまいましたが、もともと期末1か月前にこの本の話題になり、期末の邪魔にならないようにとそのときも言っていたことを思い出しました。
★彼とは創立記念行事の時のコンセプトについて対話したり、夏期中のセカサク(世界の作り方)講座でいっしょに学んでいたので、すれ違ったり、バス停で出会ったりしたときにときどき話していました。もちろん、彼一人ではなく、小さな学校ですから多くの生徒とそうなるのです。
★人から勧められた本は読まないものだからなあといいながら、いろいろ紹介しました。おもに高3生で、総合型選抜やカトリック枠の面接や口頭試問の対策で、先生方から〇〇にイレギィラー問答や変化球の問いをお願いしますと依頼されて行っていました。彼らはランチタイムを切り詰めて対話しにやってきました。
★正義論や哲学問答に、マーケティングの思考実験問題や、パンデミック下の医療や看護、救命救急の問題点と法制度の不備について問答したり、生物資源問題やニューコモンズ、メタバース論などについても問答しました。その中で、上記の本が課題図書だというので、読書会みたいな対話もやりました。
★そんなことをやっていたので、雰囲気を察知したのでしょう。そろそろ進路を決める時期ということもあり、高1や高2の生徒がすれ違いざまに一瞬だけれど深い質問をしてくるわけです。高3生は、最初は試験対策がメインですが、そのうち世界が広がり深まりますから、それもいいけれど、卒業試験準備ちゃんとやるんだよと言わざるを得なくなることもありました。
★ゲームのポジティブな効用や起業家精神について鼻を膨らまして語る生徒もいました。いつ入試なのかと聞くと、3日後ですというので、話はこれぐらいにして、準備しようかと。わかりましたと階段を軽やかにあがっていく生徒の後ろ姿に、立ち臨む姿勢を感じました。
★私は教科の授業も進路指導もするわけではありません。私のところに来るまでに相当準備を先生方としてくるわけです。それを感じたとき、学校全体がPBLだと感じ入りました。人生を自らデザインするように生徒が成長していくには、学校全体のあらゆる教育活動のプロジェクトのアンサンブルこそが本当のPBLなのだと実感したのです。
★夏休みに入るまでは、自分の考えや言葉は、先生方や生徒に届くだろうかと不安でした。実際小難しいことをいうという前評判がありましたし、わかりやすく話すことが求められもしました。
★ところが、先生方と対話を続けていくうちに、それは私の方の問題であって、小難しいとかわかりやすいということではなく、相互に理解できる、相互に創造する過程が大事なだけだということは了解しました。何事もいっしょにやってみる。でも、つかず離れず。距離感というより響きの間ということのほうが、今の自分には納得がいきます。
★保護者と話す時も、ストレートにどうしたらいっしょによくしていけるのか考えましょうという対話の方が、響き合うということも身に染みました。
★終業式や始業式、イベントや説明会があるとき、上記の4冊の本とシンクロするような話をしているのだとあとからですが気づきました。ですから、この本によるとという話にはなりません。引用の時は別ですが、自分の考えを自分の言葉で語ってしまっています。あとから、本を読んで、同じことが書いてあるじゃないかとなぜか安堵するわけです。
★おそらく当面、上記4冊の本に書いてあることと同じようなことを語るのが、2022年だろうなあと。デヴィッド・グレーバー氏のは、超ラディカルなので、そこまでは言わないと自分で歯止めをかける鏡としてとても参考になります。上流思考は、結局はシステム思考ですが、やはり上流と下流という言い方がシステムという関数的なイメージより了解しやすいということでしょか。表現方法の勉強になりますね。
★2089年からバックキャスティングするには、最小限ノヴァセンの考え方は大切だなと思っています。未来をといいながら、2030年くらいのことしか見ていないという自分がいるので、それこそ上流思考でもっと先から考えなくてはとモニタリングになります。
★そして、ライフシフトは、総合型選抜の効用を共有する時にヒントになることでしょう。
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