工学院 高2探究論文発表会~文化としての思考コード
★工学院大学附属中学校高等学校(以降「工学院」)で、高2探究発表会が行われたようです。同校のサイトにバーンと掲載されていました。閲覧していると、発表者の1人が、「たくさんの人に共感してもらえた」と振り返っている言葉が目に飛び込んできました。こういう言葉をすんなり生徒自身が使っているところに、共感的コミュニケーションが同校の文化になっていることがわかります。
(写真は、工学院の先生方がファシリテーターを行ったセミナーのプリントスクリーンと同校サイトの写真から作成)
★それから、たくさんのポスターセッションの写真が掲載されていますが、どれも魅せるプレゼンを行っている様子が映し出されています。思考コードでいえば<C3>領域で行われていることは明らかです。
★しかしながら、このコードを生徒が意識してつかっているかというと、工学院の場合は、この探究論文をすでに8年くらいやっていますから、もはや意識の中の文化として形成されているのだと感じました。
★文化としてというのは、もはや当たり前になっているということです。
★写真だけでなぜわかるんだと言われる方もいるかもしれませんね。たしかにそうです。実は、この間、工学院の先生方と、対話を積み重ねてきたからそれがわかるのです。
★<GLICC Weekly EDU 第51回「工学院×聖パウロ 好奇心からWorld Making Learning作りへー希望の教育がここにある」>で、工学院の先生方と対話をして、その先生方がセミナーでファシリテーター行ったのですが、それにも参加して、そう感じたのです。
★工学院の先生方はPBL型授業を自然体で行いますから、思考コードはすでに当たり前のように意識の中で自動化されています。グローバルプロジェクトや今回の探究論文もプロジェクト型であります。したがって、思考コードは文化として通奏低音を響かせているのは当然でしょう。
★行事等でルーブリックとしての「思考コード」として活用する時もあるでしょう。評価目標を分析的に明らかにするために「思考コード」を活用する時ももちろんあるでしょう。しかし、心身化し文化としての「思考コード」が最強です。
★文化としての思考コードは、デザインとしてのアフォーダンスやマーケットにおける意欲を生み出すナッジとかと同様の機能を果たしているのかもしれません。
★教育目標としての思考コード、評価としての思考コード、学びの文化としての思考コード。使われ方は多様です。考えるとか感じるとか判断するとか、そんな簡単なわけはないということでしょう。
★わかりやすさは氷山の一角で、その水面下では複雑なループが絡み広がっているということでもありましょう。
★わかりやすさだけで、その背景は空っぽということもあります。工学院とは真逆の学校もあります。勤務校もそうならないように、工学院の先生方に学びたいと思います。
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