小中学時代に幾何を真剣に学ぶかどうかで、認識の仕方が変わる。多分。
★中学入試は、おそろしく幾何の問題がおんもしろい。ある中高一貫校では、中学時代は幾何の学びがメインになっているところも多いですね。マイクロソフトの入社試験の三角問題はとても有名です。なぜこのような問題を出題するのかネット上でわんさか語られています。
★公式を暗記してあてはめる能力はいらないというメッセージでしょうか?たぶんそれもあるでしょうが、そうは簡単ではありません。トリックアートとして把握できるかどうかですよね。この図の背景に、直径10の円周が描かれているのが見えているのかどうか。ルビンの壺というやつです。
★数学とアートを結び付けたエッシャーのトリックアートを想起すればピンと来るでしょう。
★しかしながら、そう簡単な話でもなさそうです。もし、これがオックスブリッジのあの口頭試問でだされたら、このような三角形の存在理由やアイデンティティについても対話するのではないでしょうか。
★果たして、これは二次元に描かれているのか、描かれているとしたら、ユークリッド平面ではなく、トポロジーに変換しなくてはならないのではとか、そもそも立体で、鳥瞰する地点がどこなのか。かりに湾曲していたとしたら、どんな方程式で解くことができるのか。
★湾曲している屋根の場合だったら、最初は微積をつかうでしょうが、一般的な面積の公式に係数をかけて出す簡易な方程式を見つけるために使うだけだとか、なんとかいろいろ語れます。
★マイクロソフトのこの問題は、常識を見破る力とか多面的なアプローチができるかとかいう哲学入門的な発想よりも、現実にあるこの図をどのように捉え返して、デジタル処理できるか、そのアイデアをちゃんと出しなさいと言うことでしょう。
★それはともかく、こういう問題を議論すると、幾何と関数、特に三角関数や微積分がストレートに関係することがわかります。私たちがスライドで図をつくるとき、幾何の組み合わせの創意工夫はたしかに大事ですね。
★ところが、小中学校の教科書では、公式を覚える練習問題が山積しているだけで、幾何と関数の関係がみえてきません。
★一方、中学入試は、面積の問題にしても、等積変形など、関数的な計算をします。上記のマイクロソフの三角形も、等積変形すると、二次元ではこの図形はないなあということがすぐにわかります。
★中学入試で、旅人算などの速さの問題も、幾何と座標を結び付けて考えるようになっています。中学入試で方程式を使わないようになどという話は本当かどうかわかりませんが、線分図や面積図なんていうのは関数そのものでしょう。
★面積の問題は、そもそもが積分の問題です。
★幾何の問題は、関数的素養を養ううえで、もしかしたら有効なのかもしれません。トリックアートやトポトージ的な発想を中学時代に加えて幾何を学ぶコトができたら、関数的な認識を養えるでしょう。公式を覚えればそれでよいという認識はなくなるでしょう。
★関数的な認識の方法を身につけないと、アナログとデジタルを往復することができません。これができない教育がなされている現場で、教育改革が進むはずはないし、ましてルーブリックだなんて発想は、観点別という要素還元主義的な認識方法で足踏みしてしまうだけでしょう。
★様々な思考ツールが開発されていますが、あれはデザインロゴのように使われていて、関数的な発想や幾何、とくにトポロジー的な発想で使われていないので、残念です。
★とはいえマイクロソフトのような問い作りをしている先生方も現れています。入試問題的なシリアスな問いから、マイクロソフト的なポップな問い作り。中学入試の算数の問題にはそういう問題があります。麻布の問題はそうですね。それにアナログからデジタルに飛ぶ数の問題も出題されます。
★シリアスからポップへ、アナログからデジタルへ、そしてあるときはその逆へ。この往復関数発想が見える化される学びのホームベースは、幾何かもしれません。
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