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2021年11月 3日 (水)

第4回SGTセミナーを振り返って~21世紀型教育の教師と学校組織の関係をコーディングする。

10月31日(日)工学院の田中歩先生が総合司会を、そして工学院の若きSGTがファシリテーターとなり、授業デザインのツールをテーマに、オンラインでディスカッションが行われました。若きSGTが集まり、同時に若きSGTが順番にファシリテーターを行う、4回シリーズのセミナーの今期フィナーレを飾りました。

★21世紀型教育機構の理事の方々からその後電話やメールがきて、本当にSGTのクオリティーやパワーなど勢いが盛り上がっていて感動したと。一方で、21世紀型教育のSGTが心地よく力を発揮できる学校組織はどうしたらよいのかと質問がありました。いろいろ議論しましたが、やはりクライテリアが学校経営陣によって違うので、SGTという教師と学校組織のシナジー効果がまだインパクトがないのではないかと。

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★SGTの場合は、思考コードを共有していて、それをベースに多様なPBLが生まれています。それでいて、一つの大きなベクトルが見える化されています。クライテリア(基準)がはっきりしているので、それを意識して自由に創意工夫するとインパクトがあるわけです。目的志向型ではなく、基準ベースの自由なアクションがSGTというブランドを創出しているのです。

★この考え方は、新しいマーケティングの考え方です。コトラーとクリスチャン・セーカーがいっしょに開発したブランド・アクティビズムの考え方です。まだ邦訳がでていないので、教育の世界では、それほどしられていませんが、SGTの活動は利益主義でなく、コモングッド(共通善)を教師と生徒がコモンツール(共通道具)を創り、活用して学び、探究するので、無意識のうちに、新しいSGTブランドを市場にプロジェクト(投影)するのに成功しています。

★組織があらかじめ決めたブランド主義的な目的に向かうのではなく、コモングッドを市場で共有することでマーケットがブランドを創出する新しいマーケティングのコンセプトに成功しているのです。

★問題は、この新しいブランド・アクティビズムを学校組織が創り出せるかにかかっていますが、まだまだ初めにブランドありきという古いマーケティングや経営活動から脱することが難しいので、SGTのブランド・アクティビズムと理解のズレが生まれるか、そのズレに気づかないでいるかどちらかでしょう。

★ですから、学校組織も思考コードなどのクライテリアを共有して、それをベースにガバナンスやマーケティングを行っていくと、加盟校がそれぞれの手法で行っても、結果的にベクトルが1つになるのです。この手法はコミュニケーションという情報伝達共有ではなく、ダイアローグという新しい価値を生み続ける共感的な対話手法が必要です。

★コトラーやクリスチャン・セーカーのマーケティング的な考え方を、教育に変換すると上記のような図になります。とはいえ、私の独断と偏見にすぎませんが。

★ともあれ、そうすると、まだまだ教師と学校組織の関係はB2が多いわけです。加盟校のすべての教師は情熱的ですが、必ずしもみんながSGTではないのです。ですから、B2からC3に行くためにはどうしたらよいかという21世紀型教育のクリアする課題意識を共有できるかできないかが経営陣の腕の見せ所です。

★21世紀型教育機構では、このような議論をラディカルにできるのですが、機構以外で21世紀型教育を行っている多くのNew Power Schoolでは、まだA2やB1の状況が多いのではないかと思われます。

★20世紀型教育でも、ICTを導入することでC1くらいには位置できるので、マーケットでのインパクトがまだまだ学歴階層価値志向が強固ですね。

★21世紀型教育市場は、まだまだC3領域では拡大していないので、今後このC3での拡大をどうしていくのか。果たして経営陣が思考コード的な関数関係主義的な、つまり構成主義的な発想を持てるのか。

★もてなければ、日本の教育は、日本型学校教育という箱の中に収納されて、世界型学校教育を創れずに、終わります。2030年、脱炭素社会と言われていますが、そもそも衰退経済社会を起死回生にもっていける人材を生み出すことができないまま大変なことになっていくかもしれません。

★日本沈没はドラマの話で終わらないかもしれません。そうならないように、SGTとプログレッシブな学校組織がC3に向かうベクトルを生み出すブランド・アクティビズムをデザインしていきたいものです。

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