鈴木裕之さんとの対話 帰国生入試×英語入試×思考力入試が垂直的序列を破壊し、水平的多様性へシフトする。聖学院が注目されるわけも納得。
★昨日、GWEで、主宰の鈴木裕之さんと対話しました。テーマは、GLICC Weekly EDU 第54回「帰国生・国際生も注目! 英語/思考力入試ー本間勇人さんとGLICC鈴木の対話」でした。改めて、多くの気づきを得ました。鈴木さんありがとうございました。詳しくはぜひご視聴ください。ここでは、2つの気づきと、私が提示したグラフのミスを訂正させていただきます。何せ、リハなし、ストーリーなしのインプロライブだけに、ミスもあります(汗)。お許しください。
★1つは、帰国生・国際生入試の入試問題を、思考コードで読み解いていくと、これは、もし日本語だと、開成や麻布、桜蔭の論述部分の問題、あるいは早稲田大学の政治経済学部の個別入試の総合型問題、つまり思考コードではB軸・C軸の問題が多数出題されているという事実が再確認されました。
★帰国生は、国語や算数、社会、理科の教科テストでは、開成や麻布、桜蔭に合格する生徒とは肩を並べることができない生徒もいるけれど、その生徒の素養は、開成や麻布、桜蔭に入る生徒以上の能力を持っている可能性があるということを示唆しています。
★そのような生徒が、今帰国生に爆発的に人気の聖学院、富士見丘、かえつ有明、文化学園大学杉並、三田国際、広尾学園などに入学していくわけです。それは偏差値という垂直的序列を壊していくはずです。
★また、もし英語で行えば、帰国生入試と同じ質、いやそれ以上になる思考力入試は、英語や国語や算数、社会、理科の教科では、開成や麻布、桜蔭に入れないけれど、C軸思考だけは、抜群の能力を持っているという生徒が入学していく聖学院が人気が高い理由は納得です。しかも、入学後、その生徒が目を見張るタラントの開花をし、結果的に大学進学実績も高めているのです。
★聖学院の児浦先生は、もはや大学進学実績がどうのこうのという話はしません。コモングッドを生み出す知と愛情を生徒と共有すれば、そして社会実装すれば、大学入試問題はもはや簡単なのだと。
★もう一つは、帰国生や国際生の過半数以上は、PBL授業でなければ、承服しません。だからPBL授業を行っているところを探します。聖学院や富士見丘など先ほど挙げた学校はすべてPBLをやっています。それから来週対話させて頂く和洋九段女子もPBL授業は実に質が高いのです。量もすさまじいですね。
★しかも、そのPBLは、特に英語で行っているコースは、授業の手法として行っているわけではないのです。グローバル・シチズンシップを同時に養うことにもなっています。
★つまり、PBLを拒否する学校は、国家追随型の発想があり、PBLをやろうとする学校はグローバルシチズンシップを大切にしている学校だという選別ができてしまうわけです。ちょっと恐ろしい気づきでした。勤務校もPBLをやってきてよかったとふと思いました。
★しかし、恐れずに言いますと、グローバルシチズンシップは、国家と市民社会の共生を考える発想があります。それゆえ、欧米の多くの民主主義国家は、ナショナルカリキュラムはなく、各自治体に委ねられています。日本も初等中等教育は、公立は国家の管轄、私立は自治体の管轄となっています。ときどき、折に触れ、国は、私立も国家に併合しようという動きをしますが。。。。
★いずれにしても、たとえば、J.S.ミルなどは、「自由論」の中で、表現の自由と翻訳されているところは、実はディスカッションの自由のことを言っているわけです。授業の中でディスカッションができるPBL授業をやっているかどうかは、そのような背景が見え隠れするわけです。
★私たち21世紀型教育機構の加盟校のPBLは、デューイ×パース×ジェームズのプラグマティストたちの発想を受け継いでいますが、彼らは、あくまで近代民主主義を生み出す教育を目指していました。その土台を形成する教育がPBLだったのです。特に聖学院は、キリスト教的なグローバルシチズンシップを創設以来育成する教育を持続可能にしています。
★それから、ミスしたグラフは次のグラフに置換えて頂きたいのですが、番組の中で使ってしまったグラフの傾向は、話の趣旨を変更することはありません。したがって、文脈に影響はありません。
★これだけ、英語入試のシェアが広まっていく中で、中には、帰国生・国際生入試と同じような質感の問題を出題しているところが増えてきました。小学校5・6年生の英語教科化は、それに拍車をかけています。
★帰国生でなくても、思考力入試を受けなくても、英語だけで、入学する生徒もでてきていますが、それは思考力入試で入学する生徒と同じような傾向を生み出しています。
★誤解して頂いては困るのは、だから、御三家は衰退するなどということを言っているのではありません。水平的多様性が起こり、フラットになるだけです。多様な価値観のクラスターが生まれ、どのクラスターを選ぶかは自由です。サンデル教授ではありませんが、その価値観の比較優位的な能力主義の専制という今ままでの垂直的序列が崩れるというだけです。
★2022年の中学入試は、日本の教育の新たな地平を拓きます。私の勤務校は高校だけなので、受験という角度では当事者ではありませんが、私立学校の今後を洞察する身としては当事者です。ウォッチし続けたいと思います。
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