鹿児島純心 シスター久松校長と対話 神様にも人にも喜ばれる女性に パンデミックの時代だから見える人間の真理
★昨日、鹿児島純心女子中・高等学校(以降「鹿児島純心」)の校長久松久美子先生と対話する機会を頂きました。つないでくださったのは、神崎史彦先生です。校長久松先生のことは、私はシスターとお呼びすることの方が多いかもしれません。3人の対話は、シスターによる祈りを分かち合い、3人で主の祈りを唱えるところから始まり、シスタ―の祈りを分かち合いながら終わりを迎えたからです。つまり、特別な意味があるのです。
★さて、シスターは、校長として、鹿児島純心の教育について、明快・簡潔・感銘が三位一体になっているお話をされます。しかも、ビジョンとその具現化の両方がきちんとセットになっています。リーダーたるもの、シスターのように、シンプルでインパクトあるビジョンを語り、かつそれが具体的に染みわたる実行力のあることを示すタラントが必要なのだということに改めて気づきました。
★自分がそのようなリーダーシップを発揮していないことに気づき、気を引き締め直しました。そして、ビジョンと実行力をつなぐものは、やはり対話なのだということも了解できました。
★シスターは、鹿児島純心の教育は建学の精神の実行だと確信に満ちた質感のある言葉で語ります。すなわち、「神様にも人にも喜ばれる女性」になる教育なのだと。これは、今回のパンデミックで、世界中の人が望む希望のロゴスです。
★というのも、パンデミックは、格差を押し広げ、弱い立場にある人間が世界中で窮地に陥る事態を生み出し、従来の経済社会や価値観ではその絶望をどうすることもできないことを明らかにしてしまったからです。
★したがって、大事なことは絶望を希望に変える発想力・判断力・実行力ですが、それをシスタ―は「人に喜ばれる女性」という存在になるとシンプルに表現しているのです。そして、パンデミックの時代だからこそ、その「喜ばれる」というロゴスの真理性と重みの意味は大きく深いのです。
★シスターは、「喜ばれる」には、人と人のつながりが大前提だと語ります。パンデミックで、この当たり前の「つながり」が実に得難い大切なものであることを世界中の人々が共有したのです。シスターはこうも続けます。このことは当たり前で、こもっていては喜ばれないのだと。だから、教師も生徒も外に目を向け外との関係を大切にするのは当たり前なのですと。
★そして、外とはグローバルも、これまた当然ながら、含むのですと。ですから英語だってきちんと学ぶ必要があるし、言語の必要性は、多様性の中でこそ力を発揮するのだというのです。
★しかも、互いにわかり合えるところからはじめるのではなく、むしろ互いにわからないというところからコミュニケーションは始まるのだから、受け入れる心と穏やかで寛容な感情を育てることは学びの土台でもあるのですと。
★同校は21世紀型教育を促進していますが、それが革新的だから行っているのではなく、ディスカッションや対話の学びが、建学の精神を教師も生徒もみんなで分かち合うために必要だったという根源的必然性から促進しているのだということが了解できました。
★また、21世紀型教育の1つの柱であるPBLは、学びのツールとして見える化する仕掛けがたくさんあります。
★シスター久松校長は、自分たちだけでは、暗黙知として行っているものの真価が意外とわからない。それゆえ外と結びついて対話をしたり、見える化することによって、その真価と自分たちが向かい合うことができるし、自分たちの中に大切なものがあることの確認は自信にもつながると語ります。それは生徒も同じだと。
★なるほど、神崎先生が、鹿児島純心の探究の授業の仕掛けと、それによって生徒が認知能力と非認知能力の両方をトルネードさながら豊かにしていくプロセスを見える化したときには、実に腑に落ちるものがありました。
★さらに、思考コードで、生徒さん1人ひとりの知と情の豊かな成長ポートフォリオを見える化していたのも、ロゴスとエビデンスの両方があるので、学内で分かち合うだけではなく、その検証は、学外においても共有できます。
★神様にも人にも喜ばられる女性の存在の魅力が学内外に広まることは、幸せの精神を広める社会貢献そのものです。それに、鹿児島純心の教育を、結果的に魅せることにもなります。
★生徒募集の成功を超えて、より広く人間の幸せとは何かをいっしょに考え創っていくプロジェクト・カラシ種が巧まずして動き始めているのを感じました。感動です。そして、その動きを神崎先生も私も共に分かち合い、稼働させていかなければと共振しました。
★かくして鹿児島純心は、進路実績も良好だし、学びも好循環を生成しています。この循環をさらに広げていくカトリック学校の使命も果たしています。だからこそ、多様な外部団体との連携や生徒の主体的な社会課題を解決する動きなども活発です。ですから、生徒のみなさんは好奇心旺盛になり、もっとおもしろいことに挑戦してみようと自らの精神性が拡大し、つながりも広がっていくのでしょう。
★それについては、いずれまたお話したいと思います。
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