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2021年10月29日 (金)

学校林パウロの森で自然体験や生態系探究

★聖パウロ学園は、学校林パウロの森で、生徒が自然体験や生態系探究、イノシシと闘いながらの畑づくりなどをしています。このパウロの森は、八王子市の北高尾山地に位置し、23ha(東京ドーム5個分)の広大な面積を有しています。乗馬クラブもあり、生徒は体育の時間に馬術体験もしています。2007年に国土緑化推進機構のモデル学校林に認定されましたから、パウロの森くらぶが組織され、森の保全や整備をしています。そして、学園と連携してパウロ自然体験(PNP)もロングホームルームや探究の時間で実施しています。

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★パウロの森は、近隣の小学校にもくらぶのインストラクターといっしょに自然体験の場として使われたりしています。もともと里山ですから、まさにコモンズの機能を果たしているわけです。植物や動物の生態系を麻布大学の生命・環境学部の先生方と生徒は協働して探究してもいますから、彼ら自身が、その先に新しいコモンズの世界を見通すことになるかもしれません。

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(右上左から、松本先生、大久保先生、渡邊先生。高1の担任団です。教師も生徒と共に無心で自然体験できる聖なる場でもあります)

★この時期は、中間テストが終わり、しばし秋の恩恵に浴するイベントとして、学年ごとにPNPを行います。今回高1は、インストラクターの方々と対話しながら、森のアスレティックスーペースの遊具づくりをしていました。

★一学期の時に伐採していた木材もほどよく乾いたころを見計らっての作業でもあります。

★コロナ禍でなければ、カレー作りなどもしてさらに盛り上がる自然体験です。

★このような体験ができるのも、パウロの森くらぶのインストラクターの方々のおかげです。森の知識、森の豊かさに感謝し、森の自然のルールを熟知しているからこそ、子どもたちが安心して森の中で活動できます。しかし、ルールを逸脱すると、自然は猛威をふるうというのは、自然災害が多いこの国に住んでいる私たちは知っています。しかし、最近、直接そのような自然と接する機会が少なく、すっかりネットニュースで知っているつもりになっているだけということは多いですね。

★今回のパンデミックで、そのことを思い知らされました。PNPは、そのことを感じいる学ぶ機会でもあります。エゴはどんなに小さいか、大きな存在とコミュニケーションをとることの重要性。その存在の大切さ。。。

★さて、パウロのもう一つの学校エンカレッジの生徒はジャガイモやなすび、トマト、いちごなど一年中、畑をつくっていますが、イノシシに掘り返されないように格闘しています。イノシシの被害は、今や全国的に大きな被害になっています。各自治体で対策を練っているので、パウロ生の中から新たな対策案を講じることができるかもしれません。

★それにしてもイノシシは、実に賢いということが最近の動物行動学から証明されているらしいのです。麻布大学の江口教授はその専門領域の第一人者で、お話を聴くにつれ、イノシシの人間の裏をかく戦法は、なかなかどうして地政学的です。昨今の海洋を巡る軍事力のつばぜり合いなど、なぜあのルートを航海するのか、イノシシの戦法を通して了解出来てしまいます。

★自然から学ぶとは、多くの科学者や詩人が語っていますが、まさにそれを私も実体験しています。

★パウロの生徒にとってこの自然環境は当たり前の環境です。しかし、江口教授が述べるように、宝の山です。日常の中に新しい価値や意味を見出す学びこそ探究の第一歩だし、その出発点は、結構一生ものになります。

★幸せの青い鳥とはこのいことです。たくさんの気づきを得ることを祈っています。。。ウム。祈ることももちろん大事ですが、いかに生徒が好奇心旺盛になるか、授業で刺激を生み出すにはいかにしたら可能か。先生方と対話し続けたいと思います。

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