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2021年10月31日 (日)

今日の選挙の背景 Common Goodの光と影のスクランブル

★今回の選挙はパンデミックをどう味方にするかというショータイムだから、どうも微妙です。しかし、その背景は、2011年3・11からずっと世界同時的にCommon Goodつまり、共通善を巡る社会システム構築の文脈が見え隠れしています。すでに2010年からNHKの白熱教室でサンデル教授がコミュタリアン的な最高善を持ち出してきて、今回の新著もCommon Goodの話です。ですから共通善の政治哲学が今も世界の通奏低音になっています。

Commmon-good

★すでに、ドイツのハーバーマスさんがサンデル教授に共感してEUに広めたから、特にドイツはCommon Good寄りに動いたとまで言われています。そしてフランスのピケティさんやノーベル経済学賞のティロールさんは、格差社会を是正する提案をしていて、それもトレンドになりました。特にティロールさんは「共通善の経済学」という著書を世に出しています。

★若い学者のマルクス・ガブリエルさんや落合陽一さんも倫理資本主義やクリエイティブクラスなどのキーワードで共感しているのをNHKが放映しもいます。

★東大准教授の野原慎司さんも、アダム・スミスの共感をキーワードに資本主義の共通善よりの話をしながら、そうはいっても危うさもあることを日本経済新聞の「資本主義の進化を考える」というシリーズで論じています。

★共通善の政治・経済・哲学がトレンドになっていることは事実ですね。教育ではというとゴールデンルールを理念に21世紀型教育機構の加盟校がやはり動いています。中学入試の革新的な勢力になっています。

★しかしながら、一方で、J.J.ルソーが一般意志と共通善をさらりと置き換えているために、啓蒙思想的なアプローチは、常にヤヌスの側面で、大きな政府→全体主義的傾向→監視資本主義などという批判的警鐘もならされてもいます。

★「監視資本主義」の著者ズボフさんは、ハンナ・アレントとも親和性のある発想で、GAFA帝国に警鐘をならしているわけですね。しかし、一方でザッカーバーグさんはメタバースに取り組み、ニューコモンズのジレンマを新しく持ち出しました。

★第3の近大の光と影がハイブリッドな空間で生まれています。これが今日の選挙の背景にある文脈でしょう。ざっくりしすぎですが(汗)。

★さて、岸田政権のデジタル田園都市構想は、第3の近代を触発するのでしょうか、触発したらしたで、それはユートピアなのかディストピアなのかどうなるのでしょうか。それを決めるのは私たち国民?そうだといいのですが。そう簡単ではないでしょう。

★私にできることは、粛々と21世紀型教育を進化させるしかありません。アクティブにコモングッドを追究するしかないわけです。

                                             (投票しながら思ったこと)

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