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2021年10月20日 (水)

日本私学教育研究所平方邦行所長との対話 <研修コード>に基づいた研修構想 ≪私学の系譜≫の現代化

★先週土曜日、日本及び東京私学教育研究所所長の平方邦行先生と対話しました。現在平方先生は、一般財団法人日本私学教育研究所の理事・所長、日本私立中学高等学校連合会常任理事、一般財団法人東京私立中学高等学校協会 常任理事、東京私学教育研究所 所長に就任されていています。また文部科学省の高大接続関連のワーキンググループにも長年かかわっています。

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★また、21世紀型教育機構の会長でもあります。私は、この機構を平方先生といっしょに立ち上げたスターティングメンバーの一人として、今もこうして対話の機会を頂けるわけです。

★とはいえ、このような役職に先生は就いていますから、全国を駆け巡っています。コロナ以前は、世界も駆け巡っていました。ですから、先生との対話は、月に一度お会いすることができるかどうかという貴重な機会です。

★ですから、そのテーマはいつも革新/確信/核心の話に集中します。

★つまり、常に、東京のみならず、全国の私学、そして私立公立を問わず、日本の教育をどう変えていくのか、2089年からバックキャスティングして対話するのです。しかし、そのような時代の精神の読み取りと見通しは、教育制度、学校組織、カリキュラム、生徒募集など具体的な実践に一気通貫していなければというプラグマティックな話に行き着く来ます。

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★ですから、私学教育研究所は、全国の私学の研修を企画運営しています。理事長校長などスクールガバナンスの研修と現場の教師の研修、現場の教員の委託研究支援という学校のマクロとミクロの両面から研修サポートしているのです。

★平方先生は、神は細部に宿るという考え方を持っていますから、教育制度や学校組織、カリキュラム、生徒の成長、生徒募集などすべてが収束しているのが日々の1つひとつの授業だというのです。

★だから、時代が変わって、大学入試や学校組織のあり方が変わろうとしても、授業が旧態依然としたら、教育は変わらないのだと。

★したがって、授業を講義形式中心からPBL型授業に変えるのだという活動をずっとしてきたわけです。これからも、もちろん続けます。

★しかしながら、知識習得型をPBLでやっていたのでは、実は元の木阿弥であるということも理解していますから、思考コードを作成して、知識習得×論理的思考×創造的思考のコンセプトを教師も生徒も共有すべく活動してきたのです。

★つまり、PBLでルーブリックをつくっても、そのルーブリックが、知識習得の枠内であったら、何も変わらないのです。そういう意味で思考コードはルーブリックのモニタリングをできるわけです。ルーブリックは授業デザインの際の授業目標の精緻版ですから、必要ですが、枠組みの広さはモニタリングしておく必要があるのです。

★そして、日本及び東京私学教育研究所は、そのようなコンセプトを実行できる研修を行っていきますから、自らも思考コードに基づいた研修デザインをしなくてはなりません。現場が知識習得×論理的思考×創造的思考の枠組みで行おうとしている時に、研修では、それを満たさないことを行っては齟齬が生じるからだと語るのです。

★研修プログラムは、テーマ項目については「内容」が全面にでます。内容が魅力的でなければ、参加者は集まりませんから、テーマは大事です。しかし、その背景にはどこまでそのテーマを深く参加者と共有するのかという仕掛けも重要です。このような研修は、一般には講演スタイルが中心になりますから、講師はたしかに深く広く話されます。

★参加者は、感動し、いい話だったということになりますが、それがどれだけ深く身につき、現場に持ち帰ることができるかという仕掛けは必要です。

★最近では、ワークショップ型の研修も増えてきましたから、仕掛けることが可能です。そこで、思考コードに基づいた研修コードを創ろうということになったそうです。まずは東京私学教育研究所の研究員が開発しているということです。

★また、一方で学校組織を運営する理事長校長の研修には、平方先生は思考コードをベースにした運営コードとしてアクレディテーションを提唱していく予定です。

★21世紀型教育機構は、思考コードに基づいたPBLを推進していますし、PBLをコアに学校全体が好循環になっているかどうかをモニタリングするためにアクレディテーションを行っています。世界の私立学校では、このアクレディテーションは当たり前です。説明責任やモニタリングは、民主主義では当たり前だし、それがインディペンデントな私立学校なら、国からモニタリングされるのではなく、自らリフレクションするのが当然だからです。

★日本では、それがないから、偏差値という外部評価に学校選択者は頼らざるを得なかったのです。偏差値という統計手法がわるいわけではありません。アクレディテーションもまた外部評価ではありますから、むしろ外部評価というのは参考エビデンスとして必要なのです。

★ただ、評価視点が1つだと、学校選択者の志向性を視野狭窄にしてしまうおそれがあるのです。評価視点は多様にしなければ学校選択者のそれぞれの志向性にマッチングできないでしょう。

★もちろん、そうなると評価視点のそれぞれの相関が計算されるようになり、つまり因子分析が進み、それぞれの学校の強み弱みがはっきり見えてきます。しかし、それは偏差値のようにランキングにならないし、そのモニタリングの結果をみて、学校がさらに洗練する努力をしていけばよいわけです。

★洗練度の度合いが学校選択者の目の付け所になるというのは、互いに幸せなことでしょう。

★平方先生は2089年からの見通しというコンセプトを語りながら、思考コードとアクレディテーションを現地に赴いて伝道しています。歴史は、やがて平方先生を21世紀の私学人として刻印するでしょう。20世紀の私学人内村鑑三、新渡戸稲造の如く。

★≪私学の系譜≫の現代化が生まれているということでしょう。

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