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2021年9月19日 (日)

革新的教育×自己変容型マインド(01) 学校をめぐる制度設計のどこにポジショニングを置くかによって、教師及び生徒の自己変容型タイプが変わる。そのため、自己変容型マインドの差異を意識しないとミスマッチングになる場合もある。

★ここのところリアルスペースでもサイバースペースでも保護者(勤務校とは限らない)と出会い対話をする機会が増えました。ご子息の学びの環境を探す話です。それぞれに希望する学びの環境は違いますが、私と話そうとされる保護者の方々の共通点は自己変容型マインドを大事にしているということです。ただ、傾聴していると、どこで自己変容型マインドを育てたいのかは違います。

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(この図では、差異が生まれ、選択判断における違和感や葛藤が生まれた場合、解消できません。ワンピース足りないのです)

★どういうことかというと、私たちは近代国家の延長上で生きていますが、最近は国家間の連携を超えてGAFAのような民間が国家以上にグローバルに動く時代になっています。すると国内制度設計はグローバルな制度設計と出会い、葛藤を起こしたり連携したりと影響を受けます。Web環境の加速度的変化が、ダイレクトに生徒1人ひとりにつながっているので、イナターナショナリズムの時代とはわけが違います。

★したがって、保護者の方の経済ポジショニングがどこにあるかによって、世界の見え方が違い、ご子息の未来の見え方も違います。

1)学校の中の成績や部活度などの行事の中で育つことに疑問をもたないけれど、そこでリーダーシップをとって自分のことだけではなく仲間を巻き込んで、学校というチームを盛り上げるような自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。

2)国内制度設計が、格差が生まれる教育を生み出したりインクルーシブな教育を行えないことに対するクリティカルシンキングを発動し、そのような国内制度設計の欠陥を解決するような学びの環境で、制度設計を変えるようなリーダーシップを将来生み出せるような自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。

3)国内制度設計とグローバルな制度設計の差異がもたらす葛藤を解決する先進的グローバル教育を行っている学びの環境で、世界の多様性を巻き込むリーダーシップを発揮する自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。

4)国内制度設計に見切りをつけ、グローバルな制度設計の中で学びの環境を探し、国内制度設計から自由に生き、コスモポリタン的な自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。

5)どのような環境にあっても、つまり、1)から4)のどこのポジショニングにいたとしても、ご子息が自身で、超越論的自己変容型マインドを育成してくれればよいというタイプ。

★いずれにしても、自己変容型マインドを大切にしているのですが、上記のようなカテゴライズを必ずしも保護者はしていません。そのため、学校説明会でグローバル教育の話やSTEAMの説明を聞いて、ここだと決めて、あとから何か違うということになる場合もあります。

★また、逆にそのようなカテゴライズをしている保護者の場合は、自分の望むカテゴリーにマッチする学校がどこか、その情報を探すのが難しいということに気づいてしまうという場合もあるのです。

★このようなミスマッチングや選択判断の迷いは、学校説明会で発信する側、端的に教師の側が、そもそもカテゴライズを自らしていないのですから、カテゴライズした意味が空洞化もしくは未分化した抽象的な「自己変容」という言葉を使ってしまいます。それに近い言葉として「主体性」とか「自律」という言葉を使ってしまいます。

★そして、それにグローバル教育とかSTEAMというか教育活動をぶら下げます。ますます自己変容型マインドを大事にする保護者の選択判断はブレてしまうのです。

★たいていの教師は、3ポリシーに紐づいた教育活動を推進する校務分掌の枠の中に位置します。その中で、環境順応型マインドの生徒を育てるか、自己主導型マインドの生徒を育てるかします。この枠内で自己変容型マインドの生徒を育てようとする教師もいますが、そのような教師は、学内制度設計を揺るがしますから、クレージーというレッテルを貼られ、そのままでは才能をつぶされます。

★したがって、公立中高一貫校や私立中高一貫校では、企画開発室とかインターナショナルチームのようなプロジェクトチームをつくり、才能を生かそうとします。ですから、自己変容型マインドを持った教師がその学校にいるかいないか、あるいはいても生かされているかどうかは、何らかのプロジェクトが設定されているかどうかで判断ができます。

★そして、グローバル教育といったとき、英語科の中だけで行っている場合は、グローバルな世界で自己変容型マインドを発揮しようという生徒は育ちにくいですね。ですから、3)のようなタイプの保護者は、グローバル教育部とか国際教育部などが分掌に組み込まれていたり、プロジェクトチームとして動いていたりしているかどうかはチェックしたほうがよいでしょう。

★それから、塾もそうです。特に、高校入試の場合は、多くの場合は、校務分掌の教育活動の枠内にダイレクトにむずびついています。IBとか実践している学校は特別で、最近はそこに直結する指導をする塾もでてきましたが、まだまだ少数派です。

★大学入試も、校務分掌の教育活動が直結するケースがほとんどです。一般選抜の多くは、このケースです。ですから、2)や3)のタイプの保護者そして生徒は、プロジェクトチームのある学校やグローバルな交流のある学校を選ぶのですが、そのような学校が通学できる範囲に散らばっているわけではないので、どうしても塾に頼ることになります。

★というのも一般選抜以外に、公募推薦や総合型選抜が増えてきたからです。国内外の社会の矛盾に気づきそのような世界の痛みを解決する制度設計を新たに探究する生徒にとっては、この入試制度設計はある意味救いです。しかし、まだまだ多くの学校では、総合型選抜などは形成的評価の領域の入試制度ですから、一般選抜のような総括的評価(従来型評価)でないので、指導が行き届きません。

★それゆえ、総合型選抜をサポートする塾が溢れ出てきているのです。

★学校を巡る国内の制度設計がパラダイムシフトする過渡期なわけです。そして、それにグローバルな制度設計も関係してきているわけです。校務分掌主義の学校だとしたら、自己変容型マインドを大切にしたとしても、自分たちの周りの制度設計が先に変わっていくために、結果的に変容できずに学内でせいぜい自己主導型マインドを育てるにとどまるというのが本当のところでしょう。

★しかしながら、自己変容自体、いろいろなあり方や価値観があります。いかにプロジェクトチームを作ったとしても、対応しきれるものではありません。ですから、2)から4)のタイプの保護者や生徒は、常に違和感やズレを感じずにはいられないのです。

★では、このズレや違和感の解消はいかにしたら可能なのでしょうか?それが先日ご紹介した聖学院にはあるのです。また、工学院にもあるのです。和洋九段女子にもあります。もちろん、三田国際は突き抜けるほどあります。

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