首都圏模試、2024年、2027年の市場変容に向けてダイナミックに動きを作っています。抑圧市場からウェルビーイング市場へ
★本日9/5(日)に首都圏の25会場で首都圏模試センターの小6第3回・小5第2回「合判模試」が開催されています。合わせて20,000人弱の受験生がチャレンジしていると思われます。そして、ここに驚嘆すべき情報誌が配布されています。それは今までとはパラダイム転換を果たしている<shutomo>です。首都圏中学受験生の20%強の受験生の家庭に3年後の2024年、6年後の2027年に中学入試市場が2段階で大変化することをアブダクション的に大胆に推理・編集して、共有しているのです。
★今までの情報誌と言えば、偏差値動向、入試要項変更情報、学校の教育情報、大学合格実績情報が中心で、情報編集の方法は演繹的な論理が中心でした。しかし、今回のパンデミックで、今まで語られてきた予測不能な時代というのが遠くの話ではなく、いまここで起きてしまっているため、帰納法的論理やエピソード推理以外に、新しい学びである探究で浮上してきた仮説推理(アブダクション)という予測を立てる推論方法も付加した編集になっています。
★同誌は、思考コードを始め新しい評価あるいは推論のモノサシの記事も多角的に掲載しています。その思考コードの眼鏡で見れば、知識・理解中心のA軸や論理中心のB軸を活用した編集から、B軸とクリティカル&クリエイティブシンキングを活用するC軸を活用した編集にシフトしているともいえるでしょう。
★そして、教育出動の大きなウネリとして、親のマインドセットの方法について、教育ジャーナリストでマザークエスト代表の中曽根陽子さんが執筆している論考を掲載しています。親がどのような価値観をもって子供の学びの環境を整えるのか、その学びの環境を有している私立学校をどのような観点から選択するのかについて詳細に論じています。
★昨今の市場の潮流は学歴社会の価値を重視するコンサバ志向と未来の市場で勝ち組になればよいという損得勘定をベースとしたリバタリアン志向の価値観以外に、競争主義ではなく、地球市民が包摂的にウェル―ビーイングになる解決策を探究する学びを重視するリベラリズムや弱者の立場から物事を考え社会全体が最高善としての黄金律を内側で共有する価値観をベースにするコミュニタリアン志向が加わっています。
★今回のパンデミックで、サンデール教授のように、メリトクラシー(日本では学歴社会志向性や勝ち組負け組志向性)を生む社会や考え方を悪とまで言い切るウネリが生まれています。
★中曽根さんも、OECDのPISAから生まれてきた2030年の社会のあるべき姿を目指しているラーニング・コンパスの考え方やSDGsの潮流の話題も紹介していますから、コンサバでもリバタリアンでもないでしょう。やはりリベラリズム的な発想をもとに論考を描いていると思います。
★学歴主義や偏差値主義などコンサバ、リバタリアン的な発想とは違うようです。
★また、さらに驚嘆すべき論考が掲載されています。それは、一般財団法人日本私学教育研究所理事・所長であり、東京私学教育研究所の所長でもある平方邦行先生の論考を掲載しているのです。タイトルは、<『21世紀型教育』と思考コード>です。平方先生は東京のみならず、私学全体の多様な教員研修を全国で展開するプロデュースをしている先生です。
★21世紀型教育の理念は、ニューヨーク国連が掲げているワン・アースの黄金律men for othersです。国連は、この黄金律は、キリスト教のみならずすべての宗教、民族、人種の差を無化する共通の理念だとしています。
★ほとんどの私学の建学の精神はこのmen for othersと通底する理念をもっています。
★そういう意味では、21世紀型教育は、リベラリズムやコミュタリアンのような発想がベースです。
★中学入試市場は、学歴主義の中でいかにサバイブするか、その抑圧的な雰囲気の中で傷ついてしまう子供たちは根性がないとかやる気がないとか精神的に弱いという抑圧市場だったのです。私もそのような市場でクリティカルシンキングを発動しないで生きてきました。しかし、みなさん、そのことをいっしょに振り返り、回心しようではありませんか。
★そういう抑圧市場をウェルビーイング市場にパラダイム転換しようというのが首都圏模試センターの30周年ビジョンだと思います。みなさんこの方向をいっしょに歩みましょう!
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