World Makingの時代 覚書(05)思考コードの風が吹き始めた その理由は?魅力づくり。
★ここ最近、ふと感じるのは、思考コードが全国に広がる風が吹き始めたなあということです。まず、平方邦行先生(一般財団法人日本私学教育研究所の理事・所長、日本私立中学高等学校連合会常任理事、一般財団法人東京私立中学高等学校協会 常任理事、東京私学教育研究所 所長)と対話をしていてそれを感じます。平方先生は、全国の私学を飛び回り「思考コード」と「アクレディテーション」がZ世代の<World Making Learning>に必須だと語り続けています。この平方先生との対話については、「shutomo」に記事としてまとめる予定になっています。
(左から伊東教諭、松本教諭、佐藤教諭)
★また、ある女子校の若手の先生方から、思考コードを応用したルーブリックを創りたいのでZoomミーティングをと呼びかけられました。その女子校は、やはり10年前から急激に高人気になってきた学校ですが、成功体験に安穏とせず、さらにチャレンジングなのだなあと感心しました。2013年の21世紀型教育を創る会のセミナーに参加されていて、首都圏模試の記事などで、ふと私のことを思い出していただいたようです。思考コードの首都圏模試との共同開発者としては、うれしい限りです。また、どこかのタイミングでその女子校について語りたいと思います。
★何せ、影響力のある学校ですから、思考コードの風はますます吹くのではないかと期待しています。それにしても、学校の自己変容は、見える化路線から、見える化と内蔵化の循環にシフトしています。思考コードの風が広がるというのは、このような質的変容が起きているということでしょう。
★勤務校でも4月の研修で、思考コードは、教頭で進路部長の小島綾子先生が、共有しました。その後、それぞれ、A軸、B軸を意識したり、探究ゼミでC軸を意識してプログラムを展開しています。
★たとえば、伊東教諭は、私と協働してセカサク(世界の作り方)ワークショップを行ってきました。ワークショップで生徒自身がどこの思考ポジショニングにいるのか振り返りの鏡として活用したり、自分自身が授業デザインやテストデザインの時に思考コードを活用しています。
★毎月定期的に、数学科は大学入試問題を素材に、数学的思考力を抽出し、現場でそれをどのように生徒にマッチングさせていくかについて対話しています。
★この間も、一橋大学のガウス記号を使った数列の和を求める問題をきっかけに、どのような数学的思考力を要するか対話しました。まずは10分間解き、その後、一橋大学の意図を推理したり、自分たちの生徒ならどのようなアプローチをするのか対話します。そして、このような問題が解けるようになるステップはどこか最近接発達領域を探ります。
★今回は、自分たちは、当然ながら一橋の意図と同じ発想を持っていることを確認しました。つまり、「標準的ではない数列の構造を見極め、手順を踏んで正確に計算できるかをみる問題」なのだと。
★そして、この初見の数列の構造とか法則性を見抜くには、まずは具体的に数えてみるところから始まるのだと。帰納法的な推理力が必要なのだと。ただし、数学科でいつも議論になるのは、いきなり帰納法的推理をするのではなく、その前にある程度見通しをたてることが重要なのだと。
★その見通しを立てる方法は、直観派とアブダクション派に分かれます。おもしろいですね。ともあれ、構造や法則性があればあとは演繹的に計算適用していけばよいわけです。
★伊東教諭は、このような議論を形式知化した思考コードを使って議論するのではなく、内蔵化された思考コードで対話を広げていきます。解き方に焦点化すると、A軸B軸に偏った思考になるので、C軸発想をどこで活用するか発想を広げます。
★限られた時間内で対話をするときに、内蔵化された思考コードを活用すると、拡散と収束という数学的思考を使っていくと、魅力的なミーティングになるわけです。授業づくりやテストづくりも同じです。
★対話の魅力、授業の魅力、テストの魅力、学校の魅力、教師の魅力、生徒の魅力、学校の魅力。その構造や関係性は実は同じなのです。思考コードは魅力づくりにも役に立ちます。風が吹くはずです。
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