思考コードのIn-Ex loop(内外循環)工学院とか首都圏模試とか
★学校の先生方や教育関係者と思考コードについて語る機会が多くなっている昨今ですが、今のところその使い方には3つのタイプがあります。「内在化」、「ルーブリック化」、「問い化」がそれです。そして、「ルーブリック化」と「問い化」は見える化しているので、まとめて「外在化」とも呼べるでしょう。そして、これらはループでつながっていて循環していますから、「内外循環」と呼んでおきましょう。internalizationとextenalizationとloopをつないで、In-Ex loopとでも呼んでおきましょうか。
★【内在化】:最初は、どこの学校も思考コードを図式化するのですが、それをそのまま使うことはあまりなく、すぐに内在化させます。教師が授業をしたり作問したり、評価をしたりするときのメタ視点として意識下の中で活用することが多いですね。人事考課など、多角的にモニタリングする時にも活用している経営者もいるようです。自己推薦や総合型選抜の志望理由書や面接のときに意識の中でモニタリングの多面体としても活用できます。PBLを行っている学校は、学習者(教師も生徒もということ)中心主義なので、この思考コードの内在化そのものを共有します。
★【ルーブリック化】:内在化させる前に、それぞれの領域の中に、目標を書き込む作業をするということが一番使いやすいというのが現場の事情かもしれません。授業の中で目標を生徒と共有するために活用しているのは、たとえば和洋九段女子、三田国際です。思考力入試で採点の目安を書き込む学校もあります。たとえば、聖学院、かえつ有明などがそうです。そして工学院の場合は、各行事で、生徒が目標を書き込みます。事前学習や行事の過程や事後学習などでモニタリングしていくリフレsクションルーブックとして活用しています。次の思考コードは工学院のある行事で活用されたものです。
★【問い化】:首都圏模試センターは、模擬試験会社ですから、真っ先に問いの分析をしていったわけです。この思考コードをつくるときに、ブルームがタキソノミーを作ったときのように、入試問題の問いを1つひとつカテゴライズしていったのです。その結果、内在化思考コードをつくり、そこに作問を並べていったのです。次の首都圏模試センターが作成した問い化した思考コードは有名です。石川一郎先生がインフルエンサーとしていろいろなところで講演して広めました。先生の著書の中でも紹介されています。
★【In-Ex loop】:この3つはループでつながっていって、循環しています。が、意外と循環させずに、思考コードをルーブリックを作ったり問いを作ったりするための「表」として使ったりして循環させない場合が多いかもしれません。まあ、それでも、思考コードを意識することによって、従来のように知識偏重、つまりA軸偏重で、A1→A2→A3と難度があがっていくステップを、基礎→応用→発展などと称し、応用、発展が思考力だと錯覚していた時代を、乗り越えるアーキテクチャーにはなっていると思います。
★Z世代は、クリエイティブクラスの時代です。第一次産業、第二次産業、第三次産業という階層構造を貫いて、どの産業でもクリエイティブな人材が活躍する時代です。貫くことによって、階層構造を無化します。思考コードは社会を変容させるアーキテクチャーのコンセプトだったということですね。
★思考コードをIn-Ex loopとして活用することが、探究だし、教育イノベーションだし、Z世代が未来や世界を作るアイテムでもあります。何を作るのか、何を考えるのか、何をテーマにするのかは、各人の自由です。In-Ex loopなきもの作りは、それはそれでよいのですが、学際的なあるいは横断的なあるいは越境的な知を体得しづらいかもしれません。
★予測不能なあるいは激変する時代には、どうしても学際知が必要だと思うわけです。このこと自体はよく言われてきたのですが、その方法論が実は見えてこなかったわけです。思考コードの内在循環はその一つの提案にはなると思います。
★価値の時代から価値と方法論が循環する時代です。価値だけ言っていると道徳的な表現になって終わります。価値に合わせてそれを実現するための方法論を議論していくことは、やはり大事なのです。そしてそれがイノベーションでもありましょう。
★そういう意味では、思考コードについて対話が巻き起こり始めたということは、知のイノベーション実装が生まれ始めているということでしょう。つまり、クリエイティブクラスの時代がようやく現実態として拡大してきたということでしょう。
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