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2021年9月

2021年9月30日 (木)

自己変容型マインドが生成される仕掛けを作る教師の対話力

★今までは組織の中で主体的に考え・動ける能力を身につければそれでうまくいきました。そして、学校組織と会社組織、社会というのは相似形で同心円状にあったわけです。ですから、学校教育は生徒が卒業後の進路先で貢献できる主体性やそこにおけるOJTにすぐにつながる基礎学力を養っておくことが重要だったのです。

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★そして、このような社会は学歴社会・優勝劣敗主義・メリトクラシーが当然と思われています。ですから勝ち組の3%にとってハッピーであればよい社会です。エッ~!97%は振り落とされているのと驚かれるかもしれません。そういうわけです。しかし、気づかないようになっています。

★とはいえ、隠されているわけではないのです。総務省の家計調査をみれば、5階級に分けて年収調査が行われているのがわかります。働きに応じて配分が低い順から高い順位なっています。長い習慣で、当たり前になっているので。

★ところが今回のパンデミックで、それはどこかおかしいと世界中の人がきづいたわけです。今回の総裁選でも、配分の問題が話題になっていますし、所得倍増論も復活しています。嬉しい限りですが、しかし、比率は変わらないわけです。勝ち組は3%なのです。

★ですから、ステイクホルダー資本主義などと言われているように、この配分をもっと過激に変えようというわけです。

★そうなると、今までの基礎学力だけの教育では間に合いません。私立学校のように動けるところから動くわけです。教育活動を基礎学力以外に、面接指導、総合型選抜指導、小論文指導、探究活動、体験活動と広げているわけです。

★大学入試が一般選抜だけでなくなったというのもありますが、これらを大学入試に合格するための指導とするのか、それも当然行いますが、これらの教育を通して新しい人材育成をしようと考えるかによって全く違う教育の質になります。

★よく人材育成ではなく、人間教育だと熱く語る方もいますが、それはある意味思い込みです。学校教育だけで人間形成はできません。人間は個人が多様な人々との関係性の中で悲喜こもごもの葛藤と向かい合いながら形成されていきます。

★もちろん、そのような人間の存在問題を根っこにもちながら、生徒が自ら存在問題に向かい合える学びを意識することは必要ですが、ここをまともに道徳的な意識をぶつけた場合、たいていは狭い人間観を植え付けることになりがちです。

★あくまで、社会の中でサバイブする思考力・判断力・表現力などのスキルベースでよいわけです。ただし、予測不能な社会ですから、そこに対応できる柔軟なスキルを自ら生み出せる自己変容型マインドが生まれてくるような仕掛けをする必要があります。

★そのような仕掛けを作るには、人材育成という視点よりもう少し幅の広い人材開発の視点をもたなければなりません。教育活動を、

1)知性マネジメント

2)身体マネジメント

3)感情マネジメント

4)言語マネジメント

5)WMマネジメント(WM:World Making)

★という視点で捉え返す企画戦略室が学校においても必要になります。

★このマネジメントは社会変動による組織変動が起こるあるいは組織変動によって社会変動が起こるわけですから、これに対応できるトータルな人材開発マインドによって可能になります。

★人材育成も今まではその学校組織になじむ主体性でよかったわけですが、学校組織が慣習的に自己編変容しない場合、未来の人材は育ちません。学校も自己変容し、教師も自己変容する。ただし、それは自分軸をなくせということではないのです。むしろ逆です。自分軸を創るということです。それは人間の存在問題を引き受けることでもあります。

★主体性は、所属する組織の指示を積極的に遂行するだけで成り立ちます。指示待ちではなく、先回りするわけです。意識が高く、それを実行するフォームをつくるのですから、たしかに人材育成です。

★しかし、そこに自分軸がなくても主体性は生まれてしまいます。これがハンナ・アレントのいうアイヒマン問題です。もしかしたら、これが男子原理の本質だったかもしれません。世の中が、この原理がおかしいと気づき始めて、サブカルチャーで揺らぎ始めているのはエンターテイメントの商業主義と軽視することはできないかもしれません。

★やはり、フォームに自分軸という存在問題を引き受ける仕掛けが必要です。

★フォームに人間存在問題の魂がはいったとき、トランスフォームが起こり、自己変容型マインドが生まれます。

★このような変容が起こるには、教育活動における人材育成を人材開発マインドで捉え返す、あるいはモニタリングできる、言い換えると、ルビンの壺よろしく図と地を自在に反転させられる対話力が必要になります。果たしてその対話力とは?これがそう簡単ではないのです。(つづく)

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2021年9月29日 (水)

京華女子 革新的教育を断行し自己変容型マインドを育てる学校

★先日京華女子中学・高等学校(以降「京華女子」)の校長塩谷耕先生及び国語科主任二俣潤也先生をはじめ若き俊英の先生方とZoomで創造的対話ともいうべき機会を得ました。ありがとうございました。

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★20年以上前に、京華女子の先生方とアートやメディアルーム開設について対話をしていました。今考えればSTEAM教育の先駆けだったわけです。革新的教育のロールモデルです。

★今では、同校は、ICT教育は当然のことながらグローバル教育も幅広く実施しています。革新的教育は今も脈々と続いています。

★しかし、そのころなかったものがあります。それは過激なまでのルーブリックです。

★各学年各教科各領域がすべてルーブリック化されているわけです。労作かつ傑作です。

★このルーブリックの制作過程をシェアすることによって、教師も自己変容しているというのは、今回のZoom対話における先生方との哲学的対話の雰囲気や柔軟な複眼思考が広く深くなることから推測するのは簡単です。

★何より、生徒の成長過程を観察しながら面談しながらルーブリックが生成されているので、結果主義ではなく、プロセス主義のカリキュラムがデザインされています。

★生徒が自己変容型マインドを生み出している学園生活が目に浮かぶようです。

★勤務校と同じようにスモールサイズの学校ですから、近年京華女子の右肩上がりの募集戦略は大いに参考になります。

★革新的教育の質を高めるのはやはり自己変容型マインドを持った生徒の数です。はじけるアートや対話の浸透力でもあります。

★京華女子の魅力に学ぶことは実に多いです。女子校は生徒募集で苦戦するという通説を覆す希望を感じました。

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2021年9月26日 (日)

聖学院SGT×聖学院Z世代×21世紀型教育研究センターによるオンラインセミナー 自己変容型マインドあふれる教育

本日26日(日)、聖学院のSGT(スーパーグローバルティーチャー)と聖学院のZ世代の生徒さん、そして21世紀型教育研究センターのリーダーのみなさんがコラボして、<次世代SGT オンライン セミナー 「生徒の成長と評価」>を開催しました。

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★聖学院の英語の伊藤先生と情報の山本先生が、生徒と対話しながら生徒の成長をうながす授業やルーブリック、評価について情報共有をしました。

★その具体的な情報をきっかけに、生徒が成長するメカニズムについて、2回のブレイクアウトルームのセッションがありました。多様なアイデアが、ジャムボードを媒介にあふれでていました。

★ものづくりと、ことづくりという外在的制作と内在的制作のコンビネーションが実に興味深い対話となりました。

★聖学院の先生方は、情熱や想いというイデオロギーとICTを駆使したテクノロジーの両方を巧みに使い、個別具体的な授業をICEモデルという高感度な抽象化モデルと融合しながら展開していることがわかりました。何より、学習者中心主義がベースで、生徒と共に教育メカニズムができていることが明快に伝わってきました。

★そりゃあ、生徒はノビノビ、ワクワク、イキイキ、ナゼナニ・・・成長するわけですね。

★ブレイクアウトセッションで語られていた視点やアプローチは多様で、私には言葉でまとめることはほぼ不可能です。それで、上記の図を描いてみました。聖学院のSGTと生徒は共に自分たちの成長を9の6乗通りという無限ともいうべき視点で関係性をつくっていきます。この無限の視点は内在化され、一回一回の授業はその中から重点視点を抽出して見える化してルーブリック化していきます。

★ですから、生徒は成長するのですが、それは環境順応型でも自己主導型でもなく、まさにく自己変容型マインドという世界を変え、世界を創る社会的自己を形づくっていく魂の響きという感じです。

★セミナー終了後、勤務校の同僚とラインでリフレクションしました。こうして聖学院の教育の魂は、まるでぶどうの木のようにたわわに広がっていくのだと同僚と感動しながら、明日への希望としました。聖学院のSGTのみなさま、生徒のみなさま、21世紀型教育研究センターのみなさま、心から感謝申し上げます。

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2021年9月25日 (土)

工学院 ついにミラーワールドで国際交流!いずれメタバースにおける教育にも突入するでしょう。

工学院大学附属中学校高等学校は、ついにミラーワールドで国際交流を開始しました。パンデミック前は、ラウンドスクウェアの国際会議は、順番に世界の加盟校に行って、つまりリアルワールドで行っていましたが、今はそれができないので、ミラーワールドという、国際交流ができるバーチャル空間を設定し、そこをアバターが移動したり頷くいたり、感情を表現したりするSNSに続く第三のバーチャルスーペースを活用しているようです。

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★たんなるZoomオンライン交流ではなく、学校空間や都市がまるごと巨大なデジタルプラットフォームにすっぽり埋め込まれ、自分の分身としてアバターがそのデジタル空間を動いたり考えたり発言するわけです。

★今回のテーマは、気候変動に関する議論をしているようです。英語で行われているので詳しくはわかりませんが、アクティビストかスラックティビズムに分かれて、立場を変えて多角的にディスカッションをして、プレゼンしているようです。

★日本の高校では、そもそもアクティビストやスラックティビズムまで活動している生徒はまだまだ少ないでしょう。

★SDGsはだいぶ注目されるようになりましたが、身近なところからという以上のダイナミズムはまだこれからでしょうか。

★しかし、工学院は、すでに国境を超えて、この世界の高校生のダイナミズムの風を受け、大きく帆を広げているわけです。

★このことの重要性について、教育委員会も文科省も、メディアも注目していないのは、国際社会から見たら、問題です。

★工学院に学びながら、別アプローチでできることはないか私も探っていきたいと思います。

★そのカギは、メタバースとコモンズの新たな世界作りでしょう。これは教育だからこそやりやすいということもあります。

★文科省は、この世界作りに補助金をドーンと出すとすてきなのですが。

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仲野想太郎さんの逆境をはねのけるリーダーシップ論 自己変容型マインドを生み出す21世紀型教育改革校1期生

★昨日24日(土)、GLICC Weekly EDU 第47回「総合型選抜と中高の学びの重要性ー自己変容型知性を育てる工学院附属中高ー仲野想太郎さん(成城大学1年生)との対話」が配信されました。主宰者の鈴木さんをうならせる仲野さん。そのストーリーテラーぶりに、聴いている側が魅せられ、勇気をもらえます。リーダーシップとはこれだなと実感しました。

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★中高6年間で、4つのリーダーシップ体験をした仲野さん。その情熱的なストーリーは、その中に自己変容型マインドが内包されているがゆえに、文字にするのは私の力では無理です。したがって、ぜひご視聴ください。

★私としては、仲野さんの存在によって、21世紀型教育機構を立ち上げる(2011年立ち上げ当初は「21世紀型教育を創る会」)ときに、先生方と共有したものの中の1つ、スティーブ・ジョブスがアップルに復帰したときに制作した動画<Think different>のコンセプトが本当に流れているのだということを実感でき、これまで、そしてこれからも共にする先生方と生徒の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

★そして、仲野さんをはじめとする21世紀型教育を経た生徒が今後たしかに自分たち自身の社会や世界を作っていくのだと確信しました。私たちは、先人が作ってきてくれた社会に乗っかってマイナーチェンジで生きてこれたけれど、もうそういう時代ではないことは誰もが感じているわけです。

★<Think different>のテーマであるクレイジー=天才が世界を変えてきたわけだけれど、今後は、一握りの天才ではなく、仲野さんのような自己変容型マインドを燃やしている1人ひとりがクレイジーな変化を引き起こしていくのでしょう。世界の人々がオールクレイジー=クリエイティブクラスになる教育システムはいかにして可能か?21世紀型教育機構のミッションはそこだなと改めて鈴木さんと感じた夜となりました。

★仲野さん、勇気とWML(World Making Learning)の立ち上げの重要性について気づきをいただきました。本当にありがとうございました。

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PBLからWML(World Making Learning)へ。「こころ」に流れる近代的自我をZ世代が捉え返すことの意味。

★勤務校の国語の授業を見学しました。デジタル・ネイティブであるZ世代の生徒が、夏目漱石の「こころ」をどう読み解くのか興味津々でした。そして、結論から言って、驚愕でした。繊細かつ大胆でした。Kにすでに則天去私的な兆しのあるのを見抜いている生徒がいたり、女性の深層心理と表層心理のパラドクスについてウィットに富んだプレゼンをしていた生徒がいたりしたのです。明治の女性のまさに「こころ」の近代的自我を掘り起こす視点です。ああ、近代的自我は男性原理に偏った見方をしていたのかもしれません。それゆえ、Kに対する見方も別角度になったのかもしれません。

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(国語科の高橋教諭)

★高橋先生はICTを駆使したPBL型授業です。源氏物語や枕草子の人間像や芥川竜之介や夏目漱石を通しての近代的自我を、いわゆる読解ではなく、学習者中心主義的な読み取りを優先します。

★文章に即して構造をなぞる読解もしますが、むしろメタファーや書いてない深層心理について仮説的推理(アブダクション)をしていく読み取りです。

★文学ですから仮説的推理(アブダクション)は、検証しにくいですが、中世の人間像や現代的人間像、未来の人間像(自分たち自身を念頭に置いています)と比較することによって関数的な諸関係の場から近代的自我の特徴を推理することはある程度可能です。その比較のためのデータは、ある意味検証の材料です。そして、そのデータは日常の授業で蓄積されているわけです。

★また、高橋先生は小説を書く授業も展開しています。そこでは、自分とは何かをストーリー化する自己存在の編集を行うわけです。

★さらに、推薦入試や総合型選抜の志望理由書のチュータリングも行っています。

★スモールサイズの学校がゆえに、多くの生徒が高橋先生のワールドで学ぶコトができます。このワールドは、結局自分とは何か?自分の価値とは?自分の役割とは?自分の感情とは?・・・という「自分の存在」と「人間の存在」との諸関係を思いめぐらす時空を<共に>するわけです。

★そうこの<共に>が肝心です。生徒は、グーグルクラスルームで作品を共有したり、グーグルフォームで相互にフィードバックします。つまり、ピアサポートのチームができます。

★「自分の顔は自分で見ることはできない」というのは、哲学の1つのテーゼでもありますが、それを解決するには「対話」が大切だというのも世に知られていることです。しかし、それが授業の中でできるというのが、ICTを駆使した高橋先生のPBLでしょう。もちろん、自分の世界をつくるには、基礎知識も大切です。高橋先生は、当然グーグルフォームでミニテストをサクサク行っていきます。すぐにデータ化されて共有できるので、作品のプレゼンだけではなく、基礎知識も、インプロリフレクションができてしまいます。

★たしかに、高橋先生の授業すべてを俯瞰すると、自分づくりというPBLになっています。しかし、自分という世界だけではなく、人間像や社会像、なんといっても感情のシステムをつくることになっています。

★サルトルや東浩紀、もっとさかのぼるとルソーもそうですが、自分の思想という世界を小説という世界に置換える、思想をストーリーに置換えることによって、世界観を生み出し、読み合ったりフィードバックしたりして共同編集して、協働世界作りをする。これが高橋先生の授業の構造だと感じ入りました。

★どうやら、PBL(Project based Learning)からWML(World Making Learning)へという事態が勤務校では生まれ始めているといえましょう。これは、新しい気づきです♪

★なお、勤務校の授業は20%ルールというのがあって、思考コードのB軸(論理的思考)かC軸(創造的思考)の思考の機会を20%以上設定することがお約束になっています。高橋先生の場合は、20%をはるかに超えた授業デザインになっているわけです。授業の魅力は学校の魅力でありますが、同時にそれは教師及び生徒の魅力が花開いているからだということに、改めて気づくことができました。ありがとうございました。

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2021年9月24日 (金)

思考コードのIn-Ex loop(内外循環)工学院とか首都圏模試とか

★学校の先生方や教育関係者と思考コードについて語る機会が多くなっている昨今ですが、今のところその使い方には3つのタイプがあります。「内在化」、「ルーブリック化」、「問い化」がそれです。そして、「ルーブリック化」と「問い化」は見える化しているので、まとめて「外在化」とも呼べるでしょう。そして、これらはループでつながっていて循環していますから、「内外循環」と呼んでおきましょう。internalizationとextenalizationとloopをつないで、In-Ex loopとでも呼んでおきましょうか。

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★【内在化】:最初は、どこの学校も思考コードを図式化するのですが、それをそのまま使うことはあまりなく、すぐに内在化させます。教師が授業をしたり作問したり、評価をしたりするときのメタ視点として意識下の中で活用することが多いですね。人事考課など、多角的にモニタリングする時にも活用している経営者もいるようです。自己推薦や総合型選抜の志望理由書や面接のときに意識の中でモニタリングの多面体としても活用できます。PBLを行っている学校は、学習者(教師も生徒もということ)中心主義なので、この思考コードの内在化そのものを共有します。

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★【ルーブリック化】:内在化させる前に、それぞれの領域の中に、目標を書き込む作業をするということが一番使いやすいというのが現場の事情かもしれません。授業の中で目標を生徒と共有するために活用しているのは、たとえば和洋九段女子、三田国際です。思考力入試で採点の目安を書き込む学校もあります。たとえば、聖学院、かえつ有明などがそうです。そして工学院の場合は、各行事で、生徒が目標を書き込みます。事前学習や行事の過程や事後学習などでモニタリングしていくリフレsクションルーブックとして活用しています。次の思考コードは工学院のある行事で活用されたものです。

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★【問い化】:首都圏模試センターは、模擬試験会社ですから、真っ先に問いの分析をしていったわけです。この思考コードをつくるときに、ブルームがタキソノミーを作ったときのように、入試問題の問いを1つひとつカテゴライズしていったのです。その結果、内在化思考コードをつくり、そこに作問を並べていったのです。次の首都圏模試センターが作成した問い化した思考コードは有名です。石川一郎先生がインフルエンサーとしていろいろなところで講演して広めました。先生の著書の中でも紹介されています。

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★【In-Ex loop】:この3つはループでつながっていって、循環しています。が、意外と循環させずに、思考コードをルーブリックを作ったり問いを作ったりするための「表」として使ったりして循環させない場合が多いかもしれません。まあ、それでも、思考コードを意識することによって、従来のように知識偏重、つまりA軸偏重で、A1→A2→A3と難度があがっていくステップを、基礎→応用→発展などと称し、応用、発展が思考力だと錯覚していた時代を、乗り越えるアーキテクチャーにはなっていると思います。

★Z世代は、クリエイティブクラスの時代です。第一次産業、第二次産業、第三次産業という階層構造を貫いて、どの産業でもクリエイティブな人材が活躍する時代です。貫くことによって、階層構造を無化します。思考コードは社会を変容させるアーキテクチャーのコンセプトだったということですね。

★思考コードをIn-Ex loopとして活用することが、探究だし、教育イノベーションだし、Z世代が未来や世界を作るアイテムでもあります。何を作るのか、何を考えるのか、何をテーマにするのかは、各人の自由です。In-Ex loopなきもの作りは、それはそれでよいのですが、学際的なあるいは横断的なあるいは越境的な知を体得しづらいかもしれません。

★予測不能なあるいは激変する時代には、どうしても学際知が必要だと思うわけです。このこと自体はよく言われてきたのですが、その方法論が実は見えてこなかったわけです。思考コードの内在循環はその一つの提案にはなると思います。

★価値の時代から価値と方法論が循環する時代です。価値だけ言っていると道徳的な表現になって終わります。価値に合わせてそれを実現するための方法論を議論していくことは、やはり大事なのです。そしてそれがイノベーションでもありましょう。

★そういう意味では、思考コードについて対話が巻き起こり始めたということは、知のイノベーション実装が生まれ始めているということでしょう。つまり、クリエイティブクラスの時代がようやく現実態として拡大してきたということでしょう。

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2021年9月23日 (木)

総合型選抜の行方?コモンズの意味やメカニズムをどこまで求めるのか?探究のパラドクス。やっぱり教科授業がよいとなってしまう。

★今回の長引くパンデミックで、世界共通の財産や価値のシェアや配分の正義がクローズアップされました。たとえば、入院できるトリアージを富裕者優占にしたら暴動がおこるぐらい世界の世論は、メディアで騒ぎ立てました。ワクチンも権力者や富裕層が先にうったとしたら、同じように世界の世間が騒ぎ立てました。

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★医療技術やワクチンは、実はコモンズ(共有財)だったのだということを世界が改めて自覚したのです。それとともに、地球それ自体がコモンズだと。それなのに、貧富の格差が広がり、コモンズを独占している富裕層や権力者、GAFAのような巨大プラットフォームを寡占状態にしていることに対し、不満がさく裂したわけです。一瞬経済法則のコモンズの悲劇が訪れるかのようでした。

★しかし、同時に、公平に共有する動きもでたわけです。コモンズの悲劇を喜劇に転じる政策を次々と各国政権は打ち出してきたわけです。

★ただ、あまりうまくいきませんでした。なぜなら、「自由」というコモンズを一方で縛ったからです。ロックダウンや緊急事態宣言で。

★税金も実はコモンズです。それを偏った使い方をすると、暴動が起きます。反発が生まれます。革命が生まれます。ローマ帝国の崩壊、フランス革命、米騒動。。。不平不満を無視すると、時の政権は危機に陥るというのが歴史の教訓でしょう。

★というわけで、今年の総合型選抜や小論文で問われるテーマは「コモンズ」でしょう。東洋経済の表題にあるマルクスについては問われないでしょうが、WIREDで特集されているような、プラットフォームによるコモンズの喜劇というあたりまでは問われるだろうなあと。

★しかしながら、所詮はそこまで。それ以上はまだ研究テーマにないから、それ以上のことを、つまり第三のコモンズについて論じると、うまくいかないでしょう。つまり、これが本当のコモンズの喜劇です。

★あっ、やはり悲劇。。。

★今、最先端の理屈は、ハイエク辺りをもちだし、リバタリアン的市場の原理でコモンズを逆にいかに生み出すかといった話で寸止めになると思います。

★これは、SDGsというコモンズ発想も同じです。

★ということは、この第三のコモンズについて問い返す大学があるとしたら、そこは頼もしい限りです。

★おそらく、それはどこかの工学部で問われるかもしれません。

★それ以外は、コモンズそのものを問うのではなく、自然と社会の循環について問うということは、生命科学や環境科学ではあるでしょう。

★スポーツ科学やスポーツマーケティングなどでもコモンズの喜劇のレベルまでは問うてくるかもしれません。

★しかしながらカーボンゼロとしてのコモンズを洞察すると、第三のコモンズ発想はでてくるし、すでに工学的にあるいはエンジニアリング的に研究も進んでいます。しかし、それがなかなか進まないのは、コモンズの悲喜劇が規制しているからです。

★この規制について問うと、日本の文科系の大学は自らの首を絞めるので、問う勇気はないでしょう。

★問えるのは、工学部と宗教系の大学でしょう。

★それ以外は、市場の原理の枠の中で解決するコモンズアーキテクチャーをデザインするということになりそうです。

★しかし、それはコモンズの悲劇を回避することはできません。

★コモンズの悲劇を乗り越えようとしたのは、たしかに「ドイツ・イデオロギー」でしたし、モリスの「ユートピアだより」でした。それを法学者キャロル・ローズは「コモンズの喜劇」として乗り越えようとしたわけですが、どちらのシステム思考も、決定的なワンピースが足りません。それゆえ、もう一つの循環項が見えないままです。

★マルクスに拠っている段階では、コモンズの悲劇は乗り越えられないし、ハイエクに拠っていても、乗り越えられません。

★社会学や経済学や文化人類学、法学などでは、これ以上の新しい知見が今のところないのです。

★あるのは、工学と宗教です。しかし、宗教的な切り口で入試に立ち臨めるのは、上智大学を代表するような宗教系の大学だけでしょう。となると、あとは工学部ですね。しかし、ものづくりをベースにすると見えなくなります。コトづくりという世界作りをベースにしないと。それはなかなか難しいですね。

★新しい学習指導要領の探究がなかなかうまくいかないのは、こういう文脈があるわけです。

★それゆえ、探究の時間はワクワク好奇心に満ちた時空であればよいということになります。

★となると、やはり大切なのは教科の授業ということになります。ここは、足りないワンピースを見つける知識とスキルの宝庫だからです。ただ、そのように知識を変換する数学的思考は必要です。講義形式ではこれはできません。PBL型授業である必要は、この希望のワンピースをZ世代が見出せる環境を作るためです。もちろん探究でもできるのですが、世界作りではなくもの作りが優先するので、難しいのです。

★第三のコモンズ段階までは、さすがにわからな~いといわれるので、受験情報誌では書けません。疑似コモンズのブログプラットフォームでしか書けないのです。まだ自由のコモンズはありそうですから。。。。

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革新的教育×自己変容型マインド(05)八雲学園にアクセス急上昇

★本日23日秋分の日、東京はさわやかな秋晴れです。いつもは休日は本ブログのアクセスは伸びません。とくに午前6時から7時はアクセスは少ないのが通常ですが、今日は朝からアクセス数が多いのです。不思議に思い、ページビューランキングを見てみました。すると、かつての記事が閲覧されています。中でも八雲学園の記事のアックセス数が多いのです。たとえば、「八雲学園 共学1期生男子 プレゼンで人の心を動かす術教えます(了)在校生とOGからのメッセージ」の記事です。

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★今年の3月22日の記事ですから、このような過去の記事に直接アクセスしているというのは、考えにくいので、検索エンジンでググった結果でしょう。つまり、本日23日、休日ですが、いや休日だからこそ、八雲学園をリサーチしている保護者や受験生がいるということだと思います。

★いったい何が起きているのだろうと、同校のサイトをサーチしました。すると、こんな記事がありました。

10月16日(土)第22回学校説明会・10月30日(土)第23回学校説明会(中学受験生対象)は好評につき満席となりました。受付「終了」の表示はキャンセルが出次第「受付中」に変わり、予約可能となります。以下の説明会は引き続き受付中です。 

★なんと1カ月先まで予約がいっぱい!そりゃあサーチしている方が多いはずです。

★特に先述の本ブログの記事は、共学1期生の男子生徒の自己変容についてコメントしています。なるほど、革新的教育を行ってかつ自己変容型マインドを生み出す選択眼をもった保護者が注目しているということでしょう。

★ちょうど、10月29日(金)、GLICC Weekly EDUで、近藤副校長、菅原副校長、横山副校長と対話する予定になっていますから、同校の自己変容型マインドが生まれる秘密について対話したいと思います。八雲生はみなグローバルリーダーシップを体得します。リーダーフルな学園です。まだ1カ月以上先ですが、ご期待ください!

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World Makingの時代 覚書(05)思考コードの風が吹き始めた その理由は?魅力づくり。

★ここ最近、ふと感じるのは、思考コードが全国に広がる風が吹き始めたなあということです。まず、平方邦行先生(一般財団法人日本私学教育研究所の理事・所長、日本私立中学高等学校連合会常任理事、一般財団法人東京私立中学高等学校協会 常任理事、東京私学教育研究所 所長)と対話をしていてそれを感じます。平方先生は、全国の私学を飛び回り「思考コード」と「アクレディテーション」がZ世代の<World Making Learning>に必須だと語り続けています。この平方先生との対話については、「shutomo」に記事としてまとめる予定になっています。

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(左から伊東教諭、松本教諭、佐藤教諭)

★また、ある女子校の若手の先生方から、思考コードを応用したルーブリックを創りたいのでZoomミーティングをと呼びかけられました。その女子校は、やはり10年前から急激に高人気になってきた学校ですが、成功体験に安穏とせず、さらにチャレンジングなのだなあと感心しました。2013年の21世紀型教育を創る会のセミナーに参加されていて、首都圏模試の記事などで、ふと私のことを思い出していただいたようです。思考コードの首都圏模試との共同開発者としては、うれしい限りです。また、どこかのタイミングでその女子校について語りたいと思います。

★何せ、影響力のある学校ですから、思考コードの風はますます吹くのではないかと期待しています。それにしても、学校の自己変容は、見える化路線から、見える化と内蔵化の循環にシフトしています。思考コードの風が広がるというのは、このような質的変容が起きているということでしょう。

★勤務校でも4月の研修で、思考コードは、教頭で進路部長の小島綾子先生が、共有しました。その後、それぞれ、A軸、B軸を意識したり、探究ゼミでC軸を意識してプログラムを展開しています。

★たとえば、伊東教諭は、私と協働してセカサク(世界の作り方)ワークショップを行ってきました。ワークショップで生徒自身がどこの思考ポジショニングにいるのか振り返りの鏡として活用したり、自分自身が授業デザインやテストデザインの時に思考コードを活用しています。

★毎月定期的に、数学科は大学入試問題を素材に、数学的思考力を抽出し、現場でそれをどのように生徒にマッチングさせていくかについて対話しています。

★この間も、一橋大学のガウス記号を使った数列の和を求める問題をきっかけに、どのような数学的思考力を要するか対話しました。まずは10分間解き、その後、一橋大学の意図を推理したり、自分たちの生徒ならどのようなアプローチをするのか対話します。そして、このような問題が解けるようになるステップはどこか最近接発達領域を探ります。

★今回は、自分たちは、当然ながら一橋の意図と同じ発想を持っていることを確認しました。つまり、「標準的ではない数列の構造を見極め、手順を踏んで正確に計算できるかをみる問題」なのだと。

★そして、この初見の数列の構造とか法則性を見抜くには、まずは具体的に数えてみるところから始まるのだと。帰納法的な推理力が必要なのだと。ただし、数学科でいつも議論になるのは、いきなり帰納法的推理をするのではなく、その前にある程度見通しをたてることが重要なのだと。

★その見通しを立てる方法は、直観派とアブダクション派に分かれます。おもしろいですね。ともあれ、構造や法則性があればあとは演繹的に計算適用していけばよいわけです。

★伊東教諭は、このような議論を形式知化した思考コードを使って議論するのではなく、内蔵化された思考コードで対話を広げていきます。解き方に焦点化すると、A軸B軸に偏った思考になるので、C軸発想をどこで活用するか発想を広げます。

★限られた時間内で対話をするときに、内蔵化された思考コードを活用すると、拡散と収束という数学的思考を使っていくと、魅力的なミーティングになるわけです。授業づくりやテストづくりも同じです。

★対話の魅力、授業の魅力、テストの魅力、学校の魅力、教師の魅力、生徒の魅力、学校の魅力。その構造や関係性は実は同じなのです。思考コードは魅力づくりにも役に立ちます。風が吹くはずです。

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2021年9月20日 (月)

革新的教育×自己変容型マインド(04)学校と塾の葛藤あるいは連携 抑圧型組織か才能開花型組織かがわかる。

★最近は多くの学校が、学内予備校や塾のコンサルと提携しています。しかし、葛藤が起こるところもあれば、連携がうまくいきシナジー効果が生まれているところもあります。それはなぜでしょう。AIを導入しているところは、基礎学力はAIに任せて、PBLや人間形成は学校が行うという分業を行いやすいのですが、学内予備校の場合、予備校の講師がカリスマだったりすると、感情的に生徒が学内学校離れを起こします。すると学校は調査書を発行してくれればよいという機能に転落します。

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★AIの方が人間ではないので、割り切りやすいわけですが、学内予備校の場合は、そうはいきません。学内予備校と学校のコミュニケーションが言うまでもなく肝ですね。しかしながら、学内予備校は、知識や基礎学力という領域なので、コミュニケーションが比較的とりやすいし、スコア化しやすいので、互いに成果をエビデンスとして話し合いがしやすいのです。AIとそこは同じですね。

★ところが、総合型選抜や小論文の指導となると、スコア化がしにくいし、人によって編集方法が違うので、コミュニケーションは複雑です。しかも、自己主導型マインドタイプの学校が、自分たちは総合型選抜ができないからと塾に依頼すると、丸投げになりがちで、塾の方は、物理的に処理ができなくなるという葛藤が起きます。お金を潤沢に出すのであれば、塾の方も人員を増やすのですが、そうはならないので、負担がかかります。塾の方はビジネスですから、できないことはできないとはっきりいます。しかし、学校はそこがわからないので、無責任だとか強欲だといわれなき圧力をかけてきます。

★しかし、塾に頼まない場合、どうなるのか?結局なるべく一般選抜入試に進路準備を変更していきます。ところが、今度は共通テストで高得点を取るための勉強ではなく、それはそこそこ必要だけれど、細かいことは調べればよく、自分の興味と関心をもったことを広げたい深めたいという生徒は、学校に不満を抱くようになります。その場合、意欲のある生徒は塾に行けばよいのですが、それが出来る環境にある生徒はよいのですが、そうでない生徒はどうすればよいのか。。。この総合型選抜は、学校のディプロマポリシーの変更を迫る隕石のようなものなのかもしれません。

★一方、自己変容型マインドタイプⅠからⅢの学校が塾に総合型選抜などのコンサルを頼んだ時、このタイプの学校はOld PowerとNew Powerが拮抗しているのが常ですから、その組織の葛藤の影響を塾側も影響を受けてしまいます。コンサル側に、その組織変容のコンサルも契約に入っている場合は、そこを解決する提案をしますが、入っていない場合は、ボランティアになるか、巻き込まれるかして、本来の総合型選抜に集中できないという悩みが生じます。しかも、学校の教師の中には、ボス型リーダーがいて、気にいらないからと業者に強くでるようなアクションを起こすところもあります。

★うまくいくところは、経営陣や担当部署の長がそこは調整します。

★総合型選抜の塾の中には、学校以上に人間の根源的な存在問題をベースにプログラムを展開するところがあります。自己変容型マインドタイプⅣとかⅤとかと連携すればシナジー効果が出るのは間違いないのですが、このタイプの学校は、自前でできてしまうので、依頼するケースが少ないのです。

★ですから、そのような学校以上に存在問題ベースで総合型選抜の指導を展開する塾は、そのプラグラムデザインのコンセプや方法において、学校の総合型選抜指導に対する考え方と大きなGAPに直面しがちです。ですから葛藤になりやすいのです。もちろん、学校側が謙虚に受け入れて大きな成果をだすところもあります。

★なぜこのような情報が保護者にとって必要かというと、自己変容型マインドがのびのびと成長していくには、学校組織がハラスメント組織や抑圧組織であってはうまくいかないからです。成長の条件は、学校が才能開花型組織であるということなのです。

★ハラスメント組織(あるいは抑圧型組織)か才能開花型組織であるかどうかは、説明会で教師のスピーチの雰囲気や使う言葉によってわかります。特に自己変容型マインドタイプを志向する保護者には、すぐにわかるでしょう。

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革新的教育×自己変容型マインド(03)自己変容型マインドタイプと3ポリシーの関係を表にすると?

★前回、自己変容型マインドタイプを5つにわけて図にしてみました。今回は、それぞれのタイプに対応する3ポリシーを表にしてみました。

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★教師や生徒がどんなに変容しようとしても、その組織の自己変容型マインドタイプが違えば、その変容度も変わってくる可能性大です。もちろんタイプⅤの考え方で言えば、どの対応においても超越論的自己変容型マインドを独自に持っていれば、全く問題ないのですが、そもそも環境順応型文化だった社会において、そのような独自路線が芽生えている教師や生徒はそんなに多くないので、環境はやはり大事です。

★さて、教育革新度というのは、自己変容型マインドの広がりや深さと同じだと考えてください。もちろん、スコアは私の独断と偏見です。参考程度にしていただければ幸いです。たしかに、革新的教育を行っている学校では、生徒は自己変容型マインドを育てやすいのですが、一方でその度合いが違うので、保護者の期待値とズレが生じることがあるのです。

★3ポリシーといっても、その内容というより、入試制度や授業システムの違いがわかりやすいので、それをトッピングしました。

★ディプロマポリシーでは、一般選抜を推奨するのか、総合型選抜を推奨するのか、そのバランスの度合いを不等号で示しました。

★カリキュラムポリシーは、授業スタイルに注目しました。革新度が高くなると、PBL(Project Based Learning)の機会が多くなります。もっとも、自己変容型マインドタイプⅠの場合、講義形式が多いですが、かなり対話型なので、実際にはPBL的要素が強くなっているものです。

★また、この表では、PBLとしか書いていませんが、実際には、PBLの質も違います。それはリサーチする必要がありますが、膨大な資金と何より学校がそれを受け入れるかどうかも問題です。

★21世紀型教育機構のように、アクレディテーションを実施し、自分の学校のPBLの有効性をスコア化して同盟校どうし切磋琢磨するというのは他にはないですね。

★今後は、このようなアクレディテーションを行うようになると、海外のエスタブリッシュスクールとも共有でき、日本の教育の質は変わっていきます。しかし、そこにいくまでには、評価の概念のコペルニクス的転回が必要です。

★したがって、今は私の独断と偏見もやむを得ないということです(汗)。

 

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革新的教育×自己変容型マインド(02)制度設計の違いと自己変容型マインドタイプ

★前回、保護者が望む自己変容型マインドのタイプを5つ挙げました。今回は、保護者の望みに対応する自己変容型タイプを生み出す制度設計を図にしてみます。

1)学校の中の成績や部活度などの行事の中で育つことに疑問をもたないけれど、そこでリーダーシップをとって自分のことだけではなく仲間を巻き込んで、学校というチームを盛り上げるような自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。これに対応する制度設計のタイプは次の通りです。以下同じように列挙していきます。

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2)国内制度設計が、格差が生まれる教育を生み出したりインクルーシブな教育を行えないことに対するクリティカルシンキングを発動し、そのような国内制度設計の欠陥を解決するような学びの環境で、制度設計を変えるようなリーダーシップを将来生み出せるような自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。これに対応する制度設計タイプ。

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3)国内制度設計とグローバルな制度設計の差異がもたらす葛藤を解決する先進的グローバル教育を行っている学びの環境で、世界の多様性を巻き込むリーダーシップを発揮する自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。これに対応する制度設計タイプ。

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4)国内制度設計に見切りをつけ、グローバルな制度設計の中で学びの環境を探し、国内制度設計から自由に生き、コスモポリタン的な自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。これに対応する制度設計タイプ。

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5)どのような環境にあっても、つまり、1)から4)のどこのポジショニングにいたとしても、ご子息が自身で、超越論的自己変容型マインドを育成してくれればよいというタイプ。 これに対応する制度設計タイプ。

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★ところで、多くの場合、次のような制度設計タイプが多いということを指摘しておきましょう。この場合、自己主導型マインドは育てようと思えば育ちますが、多くの場合は環境順応型マインドタイプが育ってしまいます。これは、この制度設計を運営するリーダーの資質によるわけですが、現状企業や他の団体でも、日本はようやくリーダー論がほうれんそう型からおひたし型が議論されるようになってきたのが現実です。

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★「ほうれんそう」というのは、報告・連絡・相談です。「おひたし」とは怒らない・否定しない・助ける・指示するといわれています。情報共有型リーダーと言っても、「ほうれんそう」型リーダーのバリエーションで済んでしまう場合もあります。このとき、情報共有の目的は、あくまで環境順応型マインドタイプを育成するために一丸となるという組織風土に準じます。

★おひたし型リーダーが情報共有するのは当然で、それによって、その組織内で自ら創意工夫して組織の改善をして持続可能にしたり強化を果たす自己主導型マインドタイプが生まれます。しかし、他の組織を巻き込みながら、新しいイノベーションを起こすような自己変容型マインドタイプを生み出す発想はないでしょう。自己変容型マインドは、タレント(才能)を尊重されます。日本の場合、多くの才能者が高校段階で、芽を開花しないまま卒業します。

★これでは、生徒の多くが自己肯定感が低いという回答するのは当然ですが、では高くするには?おひたし型リーダーでよいのかというと、そうはいきません。相対的に自己肯定感は高くなるでしょうが、ようやく光を見る勇気をもち、外を見たとき、彼らは、愕然とするでしょう。

★したがって、日本社会が新しい経済社会を創ろうとするのなら、自己変容型マインドタイプを生み出す学校をつくる必要があります。そのためには、リーダー論も大事ですが、そのリーダーが運営する学校を取り巻く制度設計をどのように組み立てるか、そのコンセプトをもてるかです。

★そのためには、さらに新しいリーダー論が必要です。ほうれんそう→おひたし→TASTYとなると私は思います。(つづく)

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2021年9月19日 (日)

革新的教育×自己変容型マインド(01) 学校をめぐる制度設計のどこにポジショニングを置くかによって、教師及び生徒の自己変容型タイプが変わる。そのため、自己変容型マインドの差異を意識しないとミスマッチングになる場合もある。

★ここのところリアルスペースでもサイバースペースでも保護者(勤務校とは限らない)と出会い対話をする機会が増えました。ご子息の学びの環境を探す話です。それぞれに希望する学びの環境は違いますが、私と話そうとされる保護者の方々の共通点は自己変容型マインドを大事にしているということです。ただ、傾聴していると、どこで自己変容型マインドを育てたいのかは違います。

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(この図では、差異が生まれ、選択判断における違和感や葛藤が生まれた場合、解消できません。ワンピース足りないのです)

★どういうことかというと、私たちは近代国家の延長上で生きていますが、最近は国家間の連携を超えてGAFAのような民間が国家以上にグローバルに動く時代になっています。すると国内制度設計はグローバルな制度設計と出会い、葛藤を起こしたり連携したりと影響を受けます。Web環境の加速度的変化が、ダイレクトに生徒1人ひとりにつながっているので、イナターナショナリズムの時代とはわけが違います。

★したがって、保護者の方の経済ポジショニングがどこにあるかによって、世界の見え方が違い、ご子息の未来の見え方も違います。

1)学校の中の成績や部活度などの行事の中で育つことに疑問をもたないけれど、そこでリーダーシップをとって自分のことだけではなく仲間を巻き込んで、学校というチームを盛り上げるような自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。

2)国内制度設計が、格差が生まれる教育を生み出したりインクルーシブな教育を行えないことに対するクリティカルシンキングを発動し、そのような国内制度設計の欠陥を解決するような学びの環境で、制度設計を変えるようなリーダーシップを将来生み出せるような自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。

3)国内制度設計とグローバルな制度設計の差異がもたらす葛藤を解決する先進的グローバル教育を行っている学びの環境で、世界の多様性を巻き込むリーダーシップを発揮する自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。

4)国内制度設計に見切りをつけ、グローバルな制度設計の中で学びの環境を探し、国内制度設計から自由に生き、コスモポリタン的な自己変容型マインドを持ってほしいと望むタイプ。

5)どのような環境にあっても、つまり、1)から4)のどこのポジショニングにいたとしても、ご子息が自身で、超越論的自己変容型マインドを育成してくれればよいというタイプ。

★いずれにしても、自己変容型マインドを大切にしているのですが、上記のようなカテゴライズを必ずしも保護者はしていません。そのため、学校説明会でグローバル教育の話やSTEAMの説明を聞いて、ここだと決めて、あとから何か違うということになる場合もあります。

★また、逆にそのようなカテゴライズをしている保護者の場合は、自分の望むカテゴリーにマッチする学校がどこか、その情報を探すのが難しいということに気づいてしまうという場合もあるのです。

★このようなミスマッチングや選択判断の迷いは、学校説明会で発信する側、端的に教師の側が、そもそもカテゴライズを自らしていないのですから、カテゴライズした意味が空洞化もしくは未分化した抽象的な「自己変容」という言葉を使ってしまいます。それに近い言葉として「主体性」とか「自律」という言葉を使ってしまいます。

★そして、それにグローバル教育とかSTEAMというか教育活動をぶら下げます。ますます自己変容型マインドを大事にする保護者の選択判断はブレてしまうのです。

★たいていの教師は、3ポリシーに紐づいた教育活動を推進する校務分掌の枠の中に位置します。その中で、環境順応型マインドの生徒を育てるか、自己主導型マインドの生徒を育てるかします。この枠内で自己変容型マインドの生徒を育てようとする教師もいますが、そのような教師は、学内制度設計を揺るがしますから、クレージーというレッテルを貼られ、そのままでは才能をつぶされます。

★したがって、公立中高一貫校や私立中高一貫校では、企画開発室とかインターナショナルチームのようなプロジェクトチームをつくり、才能を生かそうとします。ですから、自己変容型マインドを持った教師がその学校にいるかいないか、あるいはいても生かされているかどうかは、何らかのプロジェクトが設定されているかどうかで判断ができます。

★そして、グローバル教育といったとき、英語科の中だけで行っている場合は、グローバルな世界で自己変容型マインドを発揮しようという生徒は育ちにくいですね。ですから、3)のようなタイプの保護者は、グローバル教育部とか国際教育部などが分掌に組み込まれていたり、プロジェクトチームとして動いていたりしているかどうかはチェックしたほうがよいでしょう。

★それから、塾もそうです。特に、高校入試の場合は、多くの場合は、校務分掌の教育活動の枠内にダイレクトにむずびついています。IBとか実践している学校は特別で、最近はそこに直結する指導をする塾もでてきましたが、まだまだ少数派です。

★大学入試も、校務分掌の教育活動が直結するケースがほとんどです。一般選抜の多くは、このケースです。ですから、2)や3)のタイプの保護者そして生徒は、プロジェクトチームのある学校やグローバルな交流のある学校を選ぶのですが、そのような学校が通学できる範囲に散らばっているわけではないので、どうしても塾に頼ることになります。

★というのも一般選抜以外に、公募推薦や総合型選抜が増えてきたからです。国内外の社会の矛盾に気づきそのような世界の痛みを解決する制度設計を新たに探究する生徒にとっては、この入試制度設計はある意味救いです。しかし、まだまだ多くの学校では、総合型選抜などは形成的評価の領域の入試制度ですから、一般選抜のような総括的評価(従来型評価)でないので、指導が行き届きません。

★それゆえ、総合型選抜をサポートする塾が溢れ出てきているのです。

★学校を巡る国内の制度設計がパラダイムシフトする過渡期なわけです。そして、それにグローバルな制度設計も関係してきているわけです。校務分掌主義の学校だとしたら、自己変容型マインドを大切にしたとしても、自分たちの周りの制度設計が先に変わっていくために、結果的に変容できずに学内でせいぜい自己主導型マインドを育てるにとどまるというのが本当のところでしょう。

★しかしながら、自己変容自体、いろいろなあり方や価値観があります。いかにプロジェクトチームを作ったとしても、対応しきれるものではありません。ですから、2)から4)のタイプの保護者や生徒は、常に違和感やズレを感じずにはいられないのです。

★では、このズレや違和感の解消はいかにしたら可能なのでしょうか?それが先日ご紹介した聖学院にはあるのです。また、工学院にもあるのです。和洋九段女子にもあります。もちろん、三田国際は突き抜けるほどあります。

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2021年9月18日 (土)

聖学院との対話 革新的教育出動をし、自己変容型成長を生み出す。それが自然体。

昨日18日(金)、GLICC Weekly EDU 第46回「自己変容型の成長を生み出す学校ー聖学院中高の伊藤豊先生と山本享先生、そして児浦良裕先生との対話」がZoom上で行われました。聖学院が、いかに突き抜けた革新的な教育を実施し、入試問題の準備段階から、生徒もそして教師も自己変容型マインドを生み出していく学校であるかがわかる対話となりました。ぜひご視聴ください。

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★しかも、それが自然体です。聖学院の3人の先生のことばには、ときどきシステム思考とかティール組織とか、レゴシリアスプレー、チェンジなどのような学習する組織やPBL型学習理論、ローバート・キーガンの自己変容型マインドの理論が背景にあるというのが見え隠れしますが、そういう理屈を前面に出す無粋で野暮なトークをしないのが素敵です。

★さらに、自己変容型精神を生み出す過程が、ロバート・キーガンとは違います。キーガンの過程は、環境順応型マインド→自己主導型マインド→自己変容型マインドですが、その出発点が違います。キーガンが環境順応型というとき、自己意識に注目しますが、聖学院の場合はギフト意識から始まります。自己の前にすでに与えられている何者かであるという存在だというところから出発するようです。自分というのは、自分を超える者から支えられているという感謝と優しさが内面に生成されるところから始まるのでしょう。

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★もちろん、3人の先生方は、このような理屈っぽい野暮な話し方は、しません。自然体でそういう過程を生徒と共に歩いていくという感じです。論より証拠、タイ支援プロジェクト2021の話の最中に、このプロジェクトを伊藤先生と推進している生徒から、サイトのページのアドレスが児浦先生のラインに送られれ、そのサイトを番組で共有しながら対話ができました。

★教師と生徒がICTというデバイスを活用しながら心の絆をしっかりつくっていることがわかる瞬間でした。たしかに革新的教育出動をして、自己変容型のマインドを生み出す学校です。ぜひご視聴ください!

 

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2021年9月16日 (木)

多層的・多極的課題意識 総合型選抜の要 工学院型

★大学入試は、推薦入試や総合型選抜の準備がピークを迎えようとしています。志望理由書や小論文について、勤務校の教員も日々面談対策で対話が溢れています。私も時々手伝いますが、学年団や担任、進路指導部の教員の情熱や行動力、サポート力に頭が下がります。

★そんなこともあり、9月24日のGLICC Weekly EDUでは、工学院で出会った仲野想太郎さんと同番組主宰の鈴木裕之さんと総合型選抜について対話します。

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★仲野さんとは幾度かZoomで対話してきて、それについて、本ブログでも触れています。仲野さんの課題意識の分厚さには圧倒されるのですが、そのイメージは次の図のネットワーク型モデルです。

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★志望理由書には、好奇心や興味・関心について当然触れるのですが、それが階層モデルで言えば、どこまで深堀しているのか、ネットワークモデルでは、どれぐらい多角的あるいは多極的な意識のアプローチがあるかによって、課題意識の分厚さ、質の高さが決まります。

★小論文にしても、与えられる社会課題を自己課題と照らし合わせて考えていくのか、多層的あるいは多極的に捉えていくかでは全く違います。

★そして、生徒と対話する時、論述する時は、順序づけが大事なので階層モデルになりがちですが、対話は多極的に対話してみるとその生徒の根源的な志向性が現われてくる場合が多いです。

★階層モデルを使うと、深堀するのは時間がかかり、時間切れで途中で終わったままになりがちです。

★授業も結局講義形式だと深堀出来ず、知識習得で終わりがちです。やはりPBL型が必要です。

★仲野さんは、工学院の21世紀型教育本格推進一期生で、総合型選抜をネットワークモデルの環境で学びました。工学院型の総合型選抜準備をしてきたスーパーモデルです。24日に対話できるのが楽しみです。

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2021年9月12日 (日)

平方邦行先生との対話 2089年からの教育構想

★昨日、平方邦行先生と対話をしました。平方先生は、今年の春、工学院大学附属中高の校長を任期満了で退任し、一般財団法人日本私学教育研究所の理事・所長、日本私立中学高等学校連合会常任理事、一般財団法人東京私立中学高等学校協会 常任理事、東京私学教育研究所 所長に就任。現在は、全国を飛び回り私立学校と2089年からの教育構想を共有しています。

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(首都圏模試発刊の教育情報誌「shutomo」から。)

★また、中学受験の模擬試験会社の首都圏模試センターが発刊する新しい教育情報誌「shutomo」でもインタビュー記事が連載されています。テーマは思考コードと21世紀型教育についてです。

★平方先生は、21世紀型教育機構の会長でもあり、拡大マイルストーンとして2089年からの教育構想をビジョンとして打ち出しています。1989年のベルリンの壁崩壊の時から2089年にかけて教育の進化について、私もいっじょに考える機会を得ています。

★現在平方先生が各地でセミナーや講演を行う際、アイスブレイクで、その地域で世界を変えた人物について対話します。東北に行けば、当然宮沢賢治なども話題にしますが、平方先生は生物の教師であると同時に技術の教師でもあり、なんといっても群馬を代表する彫刻家です。

★ですから、その地域のアーティストの作品を通して、その生きざまがPBLそのものであるという落とし込みをしていきます。具体的なことはあまりに教養と博学の広さゆえに、私などにはついていくのが大変ですが、ジョブスのプロデュースした<think different>と同じトーンを共有するところから始まります。

★世界を変えるのはクレージーだと。もちろんそのクレージーは、それがゆえに天才であり、今やだれもがクリエイティブクラスになれる(ジョブスの動画は数々の超有名天才が登場しますが、最後は無名の少女の眼がパチッと開くところで終わります)のだ。そういう教育が21世紀型教育の哲学だというのです。

★21世紀型教育のベースであるPBLは、19世紀末から20世紀初頭に生まれたプラグマティズムの継承進化です。特に日本においては、1898年に明治憲法が成立し、アジアで近代国家に踏み切った画期的な年です。そのときに、官僚近代は、このプラグマティズムを排除しています。一方で、当時から私学はそのプラグマティックな精神を継承しています。そして、これもまた89年です。こうして89年を100年スパンでたどっていくと、1789年はフランス革命であり、1689年はイギリス名誉革命です。

★近代民主主義国家が広まったのは、第二次世界大戦後ですから、そういう意味では、新しい世紀を迎えるたびに新しい息吹が生まれ、保守勢力とせめぎ合い、89年に革新的な爆発が起こるという近代民主主義の進化のサイクルがあるのかもしれません。

★そういう意味で、1989年ベルリンの壁が崩壊して、インターナショナリズムからグロ―バリゼーションへのシフトが始まったときに、平方先生は、そこから100年先を見通す作業をしました。

★そして、このグローバリゼーションは当然webが絡んでいます。AIがからんでいます。したがって、一部の天才が世界を牽引するのではなく、すべての人がクリエイティブクラスになって世界を創る=World Makingをする2089年がやってくるのだと。

★一見壮大ですが、その実践は、私立中高一貫校が、思考コードとアクレディテーションを行うことによって、大学入試全体に影響を与える。つまり、偏差値ランキングで学校を選ぶのではなく、生徒が自分の才能にあった大学や学部学科を探す時代になるのだと。私はそれを宝物探しに転じることだと表現していますが、それはいいねと言う話になりました。

★いずれにしても、一部の富裕層がお金という宝物を所有する時代から、すべての地球市民が自分のタレントという知財=宝物を使って共生する時代になるのだと。

★しかし、それは私立中高一貫校で思考コードとアクレディテーションを活用するところから始まるのだと。ダイナミズムの根本は、最初の決断が指数関数的な曲線を描くことです。神は細部に宿るという平方先生の2089年教育構想の戦略です。もちろん、私も恩師平方先生と歩みます。

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2021年9月10日 (金)

生徒理解と集合論と現象学的還元と本質直観

★先日、勤務校の数学科と一橋大学の今年の数学の問題🈩を通して、数学的思考が経済や経営、法律などにどう役に立つのかディスカッションしました。本日は日本大学文理学部の土屋弥生准教授に生徒理解と現象学的還元や本質直観がどう関係しているかご教示いただきました。

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★私たちは、普段、物事を理解する時に、認識の眼鏡を通すわけですが、素朴なまでにその眼鏡がないかのようにコミュニケーションをとっています。その眼鏡を自覚して先入観や偏見を外すことが現象学的還元というものらしいです。

★これをするのに、多角的な面からクリティカルシンキングをするのもいいのですが、現象学的還元は省察という行為によって、セルフリフレクションする方法です。

★この現象学的還元を作動させないで、コミュニケーションをとると、当たり前のものになっている眼鏡で、他者を観ます。他者も同じようにみます。すると、そこには互いの志向性が何か確認しないで理解しますから、当然トラブルが起きます。

★しかも恐ろしいことに、この互いにズレた他者理解をしていることに気づかないまま行き着くところクラッシュするわけです。けんかになる場合もあるでしょう。一方がストレスを感じて事件が起こることもあるでしょう。

★相互現象学的還元による間主観形成が大事だということです。

★しかし、それはいかにして可能か?省察とは何ぞや?

★それは、数学科と話し合った集合論の視野をもつことだということにつながりました。

★現象学的還元をせずにコミュニケーションをとっていると、それぞれ違う部分集合をみて、話をしているわけで、かみ合いません。また部分集合を包摂する全体集合に気づきませんから、視野狭窄になります。

★結局、コミュニケーションを救うのは数学的思考による現象学的還元をし、そもそも互いに何を志向しているのか、本質直観できる見通しを持つ必要があります。

★フッサールは、当時のナチスの台頭を生み出してしまう学問の危機を現象学的還元し、警鐘をならしますが、排除されます。しかし、歴史を振り返れば、フッサールのものの見方考え方は、見事に危機を生み出すメカニズムを見破る方法論をもっていたことを証明しています。

★したがって、今もまだまだ存在する抑圧的組織を解体し健全な組織に蘇生するには現象学的還元が有効だということでしょう。

★そして、その現象学的還元の省察は、数学的思考によって達成されるのです。3人の数学の先生方、そして土屋先生、ディスコミュニケーションの解除の方法のヒントを頂きました。ありがとうございます。

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本日首都圏模試教育研究所長北一成さんと対話 

★本日10日(金)21:00から、「GLICC Weekly EDU 第45回「2022年中学入試に向けた最新動向ー首都圏模試センター取締役 教育研究所長 北一成さんとの対話」があります。2022年中学入試動向からその動向変化が社会に与える影響についてまで広く深い対話となると楽しみにしています。

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★北さんは、次の3つのビジョンについてその動向にからめてくると思われます。

・教育も中学入試もいまが変化(進化)の節目であること。
・保護者の学校選びの視点も変化しつつあること。
・しゅともし発行の情報誌『shuTOMO』『my TYPE』でお伝えしたいこと。 

★いずれも目からウロコとなるはずです。北さん、宜しくお願い致します。

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2021年9月 9日 (木)

高校生の学びと成長に向けた「大学選び」溝上慎一著(東信堂)

★溝上慎一先生から著書を頂きました。ありがとうございます。<高校生の学びと成長に向けた「大学選び」偏差値をうまく利用する>(2021年8月30日 有信堂)がそれです。プラグマティックで、世界を変える野心的な著作です。そして、同書を読んだ生徒はいまここで力が湧いてくるでしょう。

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★「偏差値をうまく利用する」という視点がまずすてきです。「偏差値にこだわらない」とかいうのではなく、「偏差値」の問題性を客観的な視点で冷静に見つめ、偏差値がみていないものを、見出し、それが結果的に偏差値が低くても、他の生徒が気づかないような宝物や秘密の花園を見つけたようというのです。

★偏差値が語り得ぬものを見出すという、偏差値を逆手にとる方法が書かれています。

★考えてみれば、偏差値は上位15%のためにあるようなものです。その15%の生徒が受験しようという大学の情報はマスメディアや受験情報誌が常に発信しますが(それでなければ売れないので)、それ以外の情報は、その大学が広報する場合にようやく世にでます。

★そういう意味では、自ら大学のサイトをみて、オープンキャンパスなどに出かけて、皆が気づかないような大学や学部学科を見つけるという手が、確かにあります。

★同書では、実際に偏差値で選ぶ受験生が少なくなっているというデータも掲載しています。先ほども言いましたが、受験生の15%が偏差値をまず気にするのです。それ以外は、大学や学部、学科の特色です。どうやらそういう偏りがあるのなら、残りの85%の中から宝探しをしようよということでしょう。大いに賛成です。

★また、大学を何を学びたいかで選ぶのではなく、どんな職業に就きたいからどういう大学や学部を選ぶのかと考えよというのも実に現実的で創造的です。

★それによって、大学で何を学びたいのか、何を研究したいのかがはっきりわかるからですね。

★しかも、未来は予測不能で、AIによってなくなる職業もあるわけです。ですから、未来にどういう職業があるのか、なぜあるのか、それは世界にとってどんな価値があるのかを、実はリサーチし考えぬくわけです。

★自分の興味と関心を仕事という現実態にするにはどうするかというのが、自分の就きたい職業をリサーチする考える、なければ起業するという壮大な話です。

★結局、自分の興味と関心=夢を実現する仕事=メカニズムを創るということです。世界を創るという話だったのです。

★それには、アクティブラーニングやPBLの講義を行っている大学を選びなさいと溝上先生は語るわけです。

★これらの講義は、予測不能な未来を、それでも見通そうとする学びです。

★こんな進路指導をするとしたら、しかしながら、一般選抜ではなく、総合型選抜にチャレンジということになるでしょう。

★宝物を見つけるには、うってつけの入試制度です。同書は溝上先生の戦略的な書です。ひそかに大学入試のあり方まで変えようという野心に満ちた書なのです。

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2021年9月 8日 (水)

21世紀型教育研究センター 新教育経済出動

★昨日、21世紀型教育センターのリーダーが、今月聖学院の先生方が中心となって開催するオンラインSGT(スーパーグローバルティーチャー)セミナーのミーティングをしました。途中から私も少し参加しました。Z世代が中高時代に起業する時代です。SGTも新しい教育経済論を生み出し、教育で日本の経済を活性化しようという教育センタープラットフォーム構想(仮称)が議論されていました。

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★なぜそのようなことが可能か?それは、21世紀型教育機構のそれぞれの加盟校のSGTがそれぞれの独自のPBL授業を展開し、多様化が加速しているからです。

★おそらく日本の高校レベルだと、80%は20世紀型教育です。なんとか変わりたいと思っても、理論を共有するセミナーがあっても、多様なPBL授業体験を共有するプラットフォームがないのです。

★そこで、それを創ってしまおうというわけです。

★誰か1人の偉い人の授業を見学したり受けてみても、現場の教師は、自分と共に学んでいる生徒の状況が違うわけですから、ダイレクトに持ち込めません。すごいなあで終わります。

★ところが、実際の多様な授業を共有できれば、教師の授業方法のいわば最近接発達領域が開かれるのです。

★そのためには、多様なPBLの授業バンクがプラットフォーム化されていなければなりません。今21世紀型教育センターで共に学んでいるSGTはそれが可能です。

★今までの教育改革は、教育出動に過ぎなかったのです。これでは、教師の志望者が右肩下がりになるのは当然です。教育出動し、SGT所得倍増計画構想を実現化しなければなりません。

★今までの教育改革は、教師の善意によって成り立ってきました。今後は、教師の善意と日本の経済を活性化するがゆえに、所得も倍増するというシナジー効果を生みだす必要があります。

★経済を考えず、自分の名前を売るだけの教育改革者の話をありがたがって聴くのは、考えものです。

★具体的にはどうするか?それはSGTになってから共有しましょう。

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2021年9月 5日 (日)

首都圏模試、2024年、2027年の市場変容に向けてダイナミックに動きを作っています。抑圧市場からウェルビーイング市場へ

本日9/5(日)に首都圏の25会場で首都圏模試センターの小6第3回・小5第2回「合判模試」が開催されています。合わせて20,000人弱の受験生がチャレンジしていると思われます。そして、ここに驚嘆すべき情報誌が配布されています。それは今までとはパラダイム転換を果たしている<shutomo>です。首都圏中学受験生の20%強の受験生の家庭に3年後の2024年、6年後の2027年に中学入試市場が2段階で大変化することをアブダクション的に大胆に推理・編集して、共有しているのです。

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★今までの情報誌と言えば、偏差値動向、入試要項変更情報、学校の教育情報、大学合格実績情報が中心で、情報編集の方法は演繹的な論理が中心でした。しかし、今回のパンデミックで、今まで語られてきた予測不能な時代というのが遠くの話ではなく、いまここで起きてしまっているため、帰納法的論理やエピソード推理以外に、新しい学びである探究で浮上してきた仮説推理(アブダクション)という予測を立てる推論方法も付加した編集になっています。

★同誌は、思考コードを始め新しい評価あるいは推論のモノサシの記事も多角的に掲載しています。その思考コードの眼鏡で見れば、知識・理解中心のA軸や論理中心のB軸を活用した編集から、B軸とクリティカル&クリエイティブシンキングを活用するC軸を活用した編集にシフトしているともいえるでしょう。

★そして、教育出動の大きなウネリとして、親のマインドセットの方法について、教育ジャーナリストでマザークエスト代表の中曽根陽子さんが執筆している論考を掲載しています。親がどのような価値観をもって子供の学びの環境を整えるのか、その学びの環境を有している私立学校をどのような観点から選択するのかについて詳細に論じています。

★昨今の市場の潮流は学歴社会の価値を重視するコンサバ志向と未来の市場で勝ち組になればよいという損得勘定をベースとしたリバタリアン志向の価値観以外に、競争主義ではなく、地球市民が包摂的にウェル―ビーイングになる解決策を探究する学びを重視するリベラリズムや弱者の立場から物事を考え社会全体が最高善としての黄金律を内側で共有する価値観をベースにするコミュニタリアン志向が加わっています。

★今回のパンデミックで、サンデール教授のように、メリトクラシー(日本では学歴社会志向性や勝ち組負け組志向性)を生む社会や考え方を悪とまで言い切るウネリが生まれています。

★中曽根さんも、OECDのPISAから生まれてきた2030年の社会のあるべき姿を目指しているラーニング・コンパスの考え方やSDGsの潮流の話題も紹介していますから、コンサバでもリバタリアンでもないでしょう。やはりリベラリズム的な発想をもとに論考を描いていると思います。

★学歴主義や偏差値主義などコンサバ、リバタリアン的な発想とは違うようです。

★また、さらに驚嘆すべき論考が掲載されています。それは、一般財団法人日本私学教育研究所理事・所長であり、東京私学教育研究所の所長でもある平方邦行先生の論考を掲載しているのです。タイトルは、<『21世紀型教育』と思考コード>です。平方先生は東京のみならず、私学全体の多様な教員研修を全国で展開するプロデュースをしている先生です。

★21世紀型教育の理念は、ニューヨーク国連が掲げているワン・アースの黄金律men for othersです。国連は、この黄金律は、キリスト教のみならずすべての宗教、民族、人種の差を無化する共通の理念だとしています。

★ほとんどの私学の建学の精神はこのmen for othersと通底する理念をもっています。

★そういう意味では、21世紀型教育は、リベラリズムやコミュタリアンのような発想がベースです。

★中学入試市場は、学歴主義の中でいかにサバイブするか、その抑圧的な雰囲気の中で傷ついてしまう子供たちは根性がないとかやる気がないとか精神的に弱いという抑圧市場だったのです。私もそのような市場でクリティカルシンキングを発動しないで生きてきました。しかし、みなさん、そのことをいっしょに振り返り、回心しようではありませんか。

★そういう抑圧市場をウェルビーイング市場にパラダイム転換しようというのが首都圏模試センターの30周年ビジョンだと思います。みなさんこの方向をいっしょに歩みましょう!

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世界を創る人神崎史彦先生と対話 

昨夜というか今日の夜中というか、久々に長時間、神崎史彦先生とZoom対話をしました。テーマはいつものごとく、実用的な話から世界を創る時代感覚の話まで多様ですが、多なるものは1であり、1であるものは多であるという往還対話です。要するに盛沢山。最後はまた実用的な探究や小論文のプログラムのフラッシュアイデアを出し合って互いに退出しました。

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★超多忙な神崎先生。長時間ご教示ありがとうございました!

★さて、先生のワークは、スタディーサプリ登壇や執筆活動、各学校コンサルなど多様です。首都圏をベースにしながら、北は北海道、南は九州を駆け巡り、絶望を希望に変える世界を創る発想力・思考力・意思決定力・正義に基づく判断力・men for othersとしての行動力をZ世代生徒及び教師と共有しているエバンゲリストです。

★古今東西エバンゲリストは苦難に遭遇し、深く悩み、にもかかわらず異端者との対話をあきらめずにしていくというパッションを持っています。パッションというのは情熱という意味もありますが受難という意味もあります。

★もちろん、神崎先生はクリスチャンではありませんが、ときどきSNSで、ニューヨーク国連でディスプレイされているノーマンロックウェルのモザイク画を投稿しているように、あらゆる違いを超えた黄金律を胸に、ワン・アースの最高善を求めて教育支援をしています。

★わたしは、神崎先生がクリティカルシンキングを発動したり、クリエイティブな活動をしたりするときに、よって立つ世界性が何であるか対話によって明らかにしたいと思っているわけです。

★というのは、この世界性にしっかりと立って、自分の力で世界を巻き込みながらいまここで生きている人間像というのは、20世紀まで活躍していた人間像とは違う21世紀型人間像だと思うからです。

★というのも、21世紀型教育において価値が大事だとよくいわれますが、その価値はお金に換算されるものです。マーケティングにおける価値という条件つきです。

★GAFAの製品のヘビーユーザとしての教育は、クリエイティブではないし、そこで評価される価値は、GAFAにとって利益になる価値です。それを無批判にGIGAスクール構想だとかいったとしたら、本当はどうなんでしょう。EU諸国のICT戦略やドイツのアーティストの中には、警鐘を鳴らすだけでなく、それに対抗する倫理、制度、公正市場、アーキテクチャーというトータルな制度設計を進めている人々がいます。

★だから、神崎先生の語る価値というのは、そういうある団体の価値を超えた超越的内在者としての人間の在り方を生徒と語り合っているのでしょう。

★価値は、マックス・ヴェーバーではないですが、神々の闘争でしょう。それでよいとするか、多なるものは再び1に向かおうとするのか。部分集合の中にとどまる内在的超越者であればよいのか、全体集合という世界性を足場とするのか。

★それとも部分集合と全体集合が反転するのでしょうか。

★バックキャスティングといまここの力がどこでもドアでつながるのでしょか。GAFAが進める次なるメタバースの戦略は、どこに向かっているのでしょうか。

★マイスター・エックハルトの流れを汲むサヴォナローラの生きたルネサンスにすでに20世紀型経済社会の萌芽はありました。もちろん、そこではサヴォナローラは火刑に合います。そのような萌芽が成長し開花するのに、邪魔だったからです。メディティ家の経済システムと教養とスペインの軍事力がサヴォナローラを排除します。

★しかし、今再び絶望を希望に変える世界創りが求められています。サヴォナローラの松明は、ルターを通して、継承されて未だ脈々と続いています。その現代化と一つの宗教にこだわらない世界性の普及に、つまり大きな存在のイメージをもちつつ神崎先生は駆け巡っているのだと思います。

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9月の末には、二子玉川に拠点を移すということです。教育とビジネスの融合こそ、21世紀型経済社会のあり方であり、社会のベースが化石燃料の寡占システムから大きな存在のイメージを内在化させる生徒1人ひとりの学びの場がベースで経済社会が成り立つ時代に大きく転換します。そのエバンゲリストが神崎史彦先生なのです。

★化石燃料の寡占システムは競争を生みます。格差を生みます。そこを無化する大きな存在者を内在化させる人材が、競争と格差をなくす新しい経済社会を創ろうと取り組んでいくことになるでしょう。競争から包摂へ。ポストパンデミックの世界性です。

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2021年9月 4日 (土)

World Makingの時代 覚書(04)インプロプレゼン いまここに存在の価値が溢れ出る

★セカサクワークショップは、気になるニュース2つぐらいを紹介し何か結びつきがないか関係の発見を1分間くらいで発表するインプロプレゼンを行います。一回目は夏休み前に課題として出しておいたのですが、できなかったという生徒もいます。やってないんですと声をかけてくる生徒もいますが、大丈夫アドリブでやればよいからというと、意外にもいいんですかと。スマホとかクロムブックを開いて、すぐに調べ始めます。

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★この時期ですから、東京オリパラのこととか、コロナ感染症のこととか、医療従事者の方々のこととか、女子高生がSNSで事件に巻き込まれたこととか、アフガニスタンの現状とか、映画のニュースとか、様々語ります。

★あくまで、即興、アドリブOKです。みんなの前にすたすた歩きでて、照れくさそうに身体をくねくねさせながら、懸命に話します。このゼミを選択したということもあって、インプロプレゼンを拒否する生徒はいません。ニュースはデータです。気づいたことは主張です。なぜ気づいたのかは理由付けです。三角ロジックのプロトタイプがちゃんとあります。

★また、GRITマインドも発揮しました。

★かりに拒否する生徒がいたとしても、IH(伊東×本間)とこうして拒否する対話をしたということで、十分かけがえのない存在の価値を表明しているわけだから、いまここにいっしょにいるということを改めて感じてみようかと、凄いことだよねこの瞬間いまここで出会っているなんて。一回性の重さを共有することがインプロプレゼンの大きな役割です。内容はこの段階では問いません。

★世界とはいまここに一回性のものとしてあるけれど、それを瞬間の永遠にすることはいかにして可能か?答えがすぐに出るはずはありません。ただ、いっしょに存在を承認することからセカサクワークショップは始まります。

★今回は全員がチャレンジしました。そして、互いにその姿を見て、すでに生徒1人ひとりが世界を持っていることを互いに感じたと思います。

★自分とは何か?照れくさくて少し斜めにずらしてくるケースもありますが、その心がすでに世界なのです。ただ、その世界が内在的光なのか壁なのかは本人が気づくしかありませんが、今回のメンバーは、最初は照れくさてもその仮面をパカッと勇気をもってはずし、話し出すと深い思考となんといても思いやりがにじみでてきました。

★世界があるなあと語ると、みなウンと顔を縦に振っていました。マインドセットを互いにしたわけです。ようやくセカサクワークショップが本格的に始まります。ここからは伊東教諭にバトンを渡しました。一気に盛り上がったのでした。

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World Makingの時代 覚書(03)12人の生徒×2人の教師×教室空間×サイバー空間×付箋紙×三角ロジック×思考コード×解決視点×世界制作方法 小さくてダイナミックなワールドが映し出される

★ダ・ビンチの最後の晩餐。あのシーンから、2001年目、世界人口の30%はキリスト教の宗教コードを持つ時代になっています。12人から始まっているのです。裏切り者のユダも出ますが、ちゃんとその席を埋める新しい使徒も誕生します。そのうちの1人がパウロです。

★そんなわけで、14の探究ゼミのプロジェクトチームは生徒が12人前後です。ラウンドテーブルと呼ばれているソクラテスメソッドの対話の手法が、米国のエスタブリッシュスクールで行われていますが、やはり生徒は12人ぐらいですね。なぜか12というのは、生産的・創造的で思いやりあふれるマインドフルネスが生まれやすいのです。そんなわけで、勤務校の探究ゼミも1プロジェクト基本12人で構成しています。

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★伊東教諭とコラボしているセカサク(世界の作り方)ワークショップが、昨日から始まったのですが、ワークショップは、基本アーキテクチャーあるいはアフォーダンスあるいはナッジというファシリテーションデザインで行います。

★そのアーキテクチャーの構成要素は次の9つで、掛け合わせます。12人の生徒×2人の教師×教室空間×サイバー空間×付箋紙など学習ツール×三角ロジック×思考コード×解決視点×世界制作方法。足し算にはしません。

★ですから、生徒が教室にはいってくると、机には学習ツールやテキスト、アドレス、そして上記の写真のような雑多な札がおいてあり、生徒はそれぞれ1つずつとって、自由にすわります。すでに伊藤×本間(IH)のセカサクワークショップに参加したことのある生徒は、自由に座っても、どうせ移動することになるということを知っていますから、すんなり座りますが、初めての場合、どこにするか迷います。

★すでにここで生徒の行動と意志と情緒、思考があらわれでていて、それぞれの世界がちらちらします。

★せっかく席についたところで、番号札が同じ数字の生徒がチームであることを告げ、席を移動します。

★この体験が大事ですね。デザインの構成要素を足し算にすると、たんなるチーム分けになります。

★掛け算にするには、あとで議論や三角ロジック400字論述を行うので、そこにうながるような問いを投げます。「チーム分けを<作る>にはどうやってやったらいい?」と。ゴツゴツした文ですが、<作る>という言葉を挿入することもわすれてはなりません。何せセカサクですから。

★生徒はいろいろ言いますが、だいたいゲーム感覚です。ルールとか制度をつくってとか。具体的にはジャンケンとか整列してとかでてきます。

★自由でいいじゃんというのもでますか。だいたいその二つのパターンです。で、今の札で分けられてしまったというのはどういう意味があるのか問います。ルールや制度でもあるけれど、何か違うなあとキョトンとしています。そこでAmazonで購入したことあるとか、アプリの話とか、マックの昔の椅子の話とか投げます。これはメタファー推論を促す問いです。

★世界作りには、エピソードやレトリック(メタファー)は欠かせません。つまり、チームを作るところからセカサクは始まているのです。

★そんなわけで、自由とかそうでないとかという話は、「道徳的視点」だねとか、みんなは「ルール」の視点を活用したねとか、それから、番号に値段がついていたらどうなるとかいうと、それは取り合いになるかもと。つまり「市場」の視点で分けることもできると。そして、そう今回のは単純すぎるけれどアーキテクチャーの視点だねと。

★問題を見つけて、解決策を考える時、多くの場合、意識や道徳レベルで終わってしまうので、気づくのをまつのもよいのですが、高校段階ですから、あまり時間もないので、そこは対話しながら誘導してしまいます。ここはインストラクションですね。ただ、対話はします。思考実験的な体験を何度も繰り返すことによって、学際的・教科横断的な視点が芽生えてもきます。

★というわけで、足し算ではなく掛け算だというメタファーを使ったわけです。

★で、こんな些細な3人チームを4組<作る>こともセカサク(世界作り)なんだよとリフレインレトリックを使います。ああ~という視線を投げてくる生徒とまだピンとこない表情の生徒もいますが、そこはそっとしておきます。

★かくして、セカサクは、フィールドワークや外部の方々と結びつくことも貴重な体験ですが、小さな動きも体験として意味を含む仕掛けをします。教室で、2089年の世界作りができるのです。というか、2089年からバックキャスティングすれば、フィールドワークもチーム作りも五十歩百歩です(笑)。尺度やモノサシのパラメーターを変えてデザインすることが必要です。

★日本の学校教育は、どこまでいっても算数で数学に変換しないんです。素朴と言えば素朴でよいのですが、ダイナミズムは指数関数的に変容しますから足し算では解決できませんね。

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World Makingの時代 覚書(02)プロセスフォリオがまだオンラインでできないわけ 技術の進化が追いついていないだけ

★セカサク(世界の作り方)ワークショップを勤務校の数学科の伊東教諭と協働しているわけですが、1人でやっているとなかなかできないプロセスフォリオのモニタリングが手に取るようにわかるのです。写真にあるような成果物や最後に書く三角ロジック400字論述は、あくまでポートフォリオです。

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(伊東教諭とコラボ。セカサクワークショップで、「トリアージ」の思考実験を行ったときの成果物の一部。)

★プロセスフォリオとは、それぞれの成果物を創っているとき、思考・情緒・行動の3つの過程や絡み合いをモニタリングするわけです。すると、生徒1人ひとりの才能が見え隠れします。最終的な三角ロジック400字論述も、その論述の添削だと、書き方の学びに終わってしまう場合もあります。そのような論述になったのは、

❶マインドセットの過程

❷リサーチする過程

➌議論する過程

❹問題を発見する過程

➎問題を解決する過程

➏プレゼン成果物を編集する過程

➐プレゼンしている過程

➑フィードバックの過程

★このような8つの過程のそれぞれを形成的評価をしていくわけです。その形成的評価のルーブリックは、思考コード(勤務校の場合は、Paul Learning Code)でフィードバックしていくわけです。

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★すると、各課程9つのコードで見ていきますから、9の8乗通りの視点が必要になります。また、一つの過程で組み合わせが複数ありますからたいへんです。ルーブリック使用だと、固定されてしまい。生徒の才能がみえてこないのです。

★そして、1人でワークショップをやっていると生徒のフロー状態に巻き込まれるので、俯瞰できません。ある生徒が考え込んでいる時、他のメンバーはどんな心情でいるのか、どんな行動をとっているのか、察知できません。まして、オンラインになるとそれは技術的にまだ無理です。

★写真や動画、テレビが断片情報しか流せないのと同じです。もちろん、そこから推理すればよいのですが、不確実すぎます。

★伊東教諭とコラボしながら改めてわかったのは、

1)思考コードをルーブリックとして使うより、学習の行動を変幻自在に生徒が自然と変容させるアーキテクチャーとしての使い方が有効だということ。

2)オンラインでは、まだまだプロセスフォリオはできないということ。たんに技術の進化の問題だったり、機材の複雑性・高コストだったりしますが。

3)よってICTやAIによる個別最適化は、今のところ21世紀型教育ではなく、あくまで20世紀型教育の領域でしかできないということ。

★しかし、広報的には、このことを表現するのは難しく、スモールサイズだからこそ、参加する生徒の実感が、じわじわと浸透していくのであって、大規模校だと、心ある教師が何かやっている程度で終わるということもわかりました。

★カリキュラムマネジメントとマーケティングの両立はいかにしたら可能か?まだまだやらなければならないことはあるなあと。チャレンジングな局面が立ち上がってきたわけです。

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静岡聖光学院 突き抜けた21世紀型教育 SGM星野校長のマネジメントの本質がわかります。

昨日9月3日(金)、GLICC Weekly EDU 第44回「静岡の地から21世紀型教育を発信ー静岡聖光学院の躍進を支えるニューリーダー星野明宏校長先生との対話」がありました。突き抜けた21世紀型教育を実践している静岡聖光学院のスーパーグローバルマネージャー(SGM)星野校長の話は目からウロコ、納得、覚醒の連続でした。詳しくはぜひYoutubeをご覧ください。

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★21世紀型教育機構にSGT(スーパーグローバルティーチャー)が育つのは、SGMが学校マネジメントを多様に多角的に本質的に行っているのだとしみじみ感じ入りました。

★それにしても、星野校長のストーリーは説得力があります。たとえば、20世紀型教育と21世紀型教育と対立させたかと思うと、統合するのです。ストラクチャーとアンストラクチャーをぶつけたかと思うと循環させるのです。

★コーチングとファシリテーターの差異を語ったかと思うと究極のメンターの覚醒の重要性を語るのです。

★このダイナミックなダイアローグによって、1つひとつのオチが即本質に行き着くので、聴き手を一瞬にして深い世界に巻き込みます。ダイブ感がすさまじく、ジェットコースターに乗っているスリリングな高揚感があります。

★21世紀型教育機構の加盟校がそれぞれ持っている特色をすべてそろえてしまっているのも、同校の突き抜けているところです。ダブル・ディグリーあり、Aレベルあり、STEAMあり、キリスト教ミッションあり、マインドフルネスあり、グローバルイマージョンあり。そしてすべてにワクワクドキドキのPBLが浸透しています。

★その話を矢継ぎ早に聞いていくと視野が急激に広がり天空に膨らんでいきます。かと思うと、ワン・ワンの深い対話があり、すべての人が持てっているコンプレックスや弱みにどこまでもよりそいケアしていくメンター的なマインドが本質的に深く、天空から心のコアに向かって一気にダイブしていくのです。

★ラガーマン(星野校長はイートンが認めるラガーマンです)の特質かもしれません。そういえば、八雲学園のラガーマンである菅原副校長もTの字型トークが得意です。広げるだけ広げて急激に深堀していく。SGMの真骨頂を聴くことができました。すてきな体験をありがとうございました。この体験をYoutubeで共有したいと思います。ぜひご覧ください。

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2021年9月 2日 (木)

ビッグアイデア まだない価値を生み出す方法 これもまたセカサク

私が尊敬する染谷先生(文化学園大学杉並のSTEAM教育リーダーであり広報部長補佐・理科主任)のfacebookを見て、ワクワクしました。STEAMというとすぐにICTとなりがちです。染谷先生もICTの達人ですし、STEAMプロジェクトではICTを使った探究が満載でしょう。

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(写真は、染谷先生のfacebookから)

★しかし、今回は持続可能な循環型農法の探究の一環として、有機農法の方々とコラボして何やらおもしろそうなことをやっているというではないですか。どうやら菌を使うらしいですから、生命科学や化学の考え方がベースでしょう。たしかにSTEAMのS(サイエンス)が活躍するわけですね。もちろん、観察や実験などでICTは普段使いになっているでしょう。

★このプロジェクトは明らかに、今までなかった価値を創造する研究だし、農業である以上、マーケティングにも結び付くので、起業家精神も旺盛になります。

★やはり、ビッグアイデアは、このようなプロジェクトベースの探究学と経営学が結びついたときに生まれるのでしょう。

★循環といったとき、すでに脱炭素社会に向かってサーキュラーエコノミーという循環型経済は展開し始めています。これにSDGsが結合することで、自然と経済社会が結びつきます。

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★これにさらに精神環境が結びつくとガタリの考えていた3つのエコロジーがようやく回り始まるわけです。しかし、ガタリが生きている間は発想で終わっていたわけです。それが今、文杉の生徒のみなさんをはじめ、和洋九段女子、聖学院、かえつ有明、静岡聖光学院・・・・・・など、多くの中高生のプロジェクトが自然と経済社会と精神が循環するNew Nature City構想に結晶しそうです。

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★精神環境を自然と経済社会に結びつけるヒントは、上記のような著書がヒントになると思います。上智大学の経営学科の公募推薦の課題図書です。「絶望を希望に変える経済学」は今年の課題図書ですが、スリリングです。グッドエコノミーだけでは希望に変えられない。信念や思想が掛け算されないとねという趣旨だと思いますが、この信念や思想は、NHKでよく登場してくる哲学者マルクス・ガブリエルさんの「精神=ガイスト」に置換えることができるでしょう。

★このドイツ語のガイストは、英語ではマインドにはならないとガブリエルさんは言うわけです。では何か?スピリチュアリティかな。

★いずれにしても、こういう生徒のプロジェクト活動が、そのまま総合型選抜で大学入試と合成されていく時代がやってきました。

★従来型の受験勉強は、プロジェクト学習は大学入試に役に立たないということで、活躍できませんでしたが、総合型選抜によって受験勉強とプロジェクト学習は等値になってきました。毎日のように、生徒と志望理由書について面接していて実感しています。

★受験勉強でも、ビッグ・アイデアを生むことができる時代。そして、<2089年セカサク(世界の作り方)ワークショップ>は、それらの全体集合として今のところNew Nature City構想ではないかなと。毎日森の中で同僚と対話しながら密かに妄想しているわけです(笑;)。

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静岡聖光学院 クオリティインパクト

★8月29日、静岡聖光学院で、21世紀型教育機構の「次世代SGTが創る『授業→学校』デザイン」イベントがありました。もともとは同校のキャンパスでリアルに行う予定でしたが、長引くパンデミックのために、オンラインで行われました。しかし、静岡聖光学院の5人の若手SGT(スーパーグローバルティーチャー)がファシリテーターとして主宰したわけですから、雰囲気はハイブリッド静岡聖光学院イベントという感じで、大いに盛り上がりました。何より5人ものSGTがファシリテーターになってワクワクドキドキのスリリングな授業デザイン×学校マネジメントデザインを展開したのですから同校のクオリティの高さを、参加者全員がシェアしたわけです。

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(勤務校の同僚が、イベントに参加するにあたり、教育研究センターのリーダーの一人であるSGT児浦先生の2冊の著書を完読して臨みました。頭が下がります。こういう熱を生むのもこのイベントのインパクトです)

★よく量が質を生むといいますが、実は量だけでは質は生まれません。そこには加速するという時間軸が必要になります。それからもう一つ外部のネットワークとのコラボレーションです。これがないとシナジー効果が生まれません。

★静岡聖光学院が21世紀型教育機構に加盟してわずか4年で(今年5年目)、これだけの教育クオリティを生み出したのは、機構に加盟したということだけではなく、現在の21世紀型教育研究センター(当時はまだなかったのです)のメンバーと最初のイベントから協働して行っていたということがあります。

★もちろん、星野校長のセンスある剛腕リーダーシップで、イートンをはじめとする海外エスタブリッシュ校との姉妹校提携や姉妹校の教師・生徒を招いて国際シンポジウムを3年目にして同校で開催したとか、教育出動の量と俊敏な速度が若手SGTを育成したことは間違いないでしょう。

★そして、それに呼応するように、21世紀型教育機構のほうも、加盟校のリーダーSGTに教育研究センター結成を依頼する進化が起こりました。かくして、このようにSGTの進化の普及を行うイベントにまで発展したわけですから、確実にシナジー効果が生まれていると言えるでしょう。論より証拠です。データエビデンスも大切ですが、ライブ感あるbeingエビデンスも重要でしょう。

★私は老人ですから、ブレイクアウトルームのワークショップセッションには参加せず、最初のウェビナー基調講演の部分だけ参加しました。そこで見聞きしているだけでもスリリングでしたが、勤務校の若手SGTが参加していたので、あとでその興奮を聴きました。終了後すぐにめちゃくちゃおもしろかったし、勉強になりましたと一報入りましたが、それきりでした。

★イベント終了後、オンライン懇親会がさらに盛り上がっていたので、そこに参加しているのだろう。次の日に様子を聴こうと思いました。しかし、後で聞いたら、オンライン懇親会終了後も、そこで知り合った加盟校の先生とさらに分科会が長時間続いたということです。

★おおー!静岡聖光学院のクオリティーインパクトしかと実感した次第です。

★授業デザインのクオリティインパクト=教育出動の量×加速度×コラボシナジー×ネットワークの拡大となるでしょうか。いやまだ足りません。

★この授業デザインと学校マネジメントが合成されたときにはじめてビッグバンとなります。

★その秘密を、明日星野校長先生とGLICC代表鈴木裕之さん(21世紀型教育機構理事・事務局長)が対話します。私も少し参加して勉強させていただきます。ぜひご覧ください。多くの人の学校のイメージを覆すことになるでしょう。New Power Schoolの真髄/神髄!必見です!

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2021年9月 1日 (水)

学校の変わり<型>が見えてきたかもしれない

★8月のホンマノオト21のアクセスランキング50を見ると、学校が劇的に変化することに興味を持っている方が多いことは今までと変わらないのですが、変わるタイプ、ここでは変わり<型>と呼びますが、その型が幾つか定まってきたような気がします。教育が21世紀型教育になっていくことはもはや言うまでもないのですが、その21世型教育のタイプがだいぶはっきりしてきました。ランキング50までの記事を分析して、いずれそれをっきりさせようと思います。

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1:三田国際学園 世界の学校へ突き抜ける 2027年中学受験地図はガラリと変わる。
2:ポストパンデミック(02)2027年首都圏中学入試の地図が変わる:
3:正しい21世紀型教育 静岡聖光学院の進化の意味
4:茨城モデルの北風があるいはエネルギー型太陽が2027年の首都圏中学入試を...
5:石川一郎先生と明日対話 探究やPBLやマインドフルネスの本当の新しさを対...
6:GLICC Weekly EDU第41回 鈴木さんとのスペシャルダイアロ...
7:高校の21世紀型教育の今(02)21世紀型教育研究センターの多様なPBL...
8:【響】<10>総合型選抜の意味 men for others としての<...
9:高校の21世紀型教育の今(01)2つのGマインドセットがやはり大切: ホ...
10:ポストパンデミック(01)メタバースの世界構築へ 首都圏模試や工学院にみ...
11:聖学院 善きサマリア人のたとえを社会実装 グローバルイノベーターが生まれ...
12:学習塾・習い事の可能性 日本の大衆民主主義の期待値: ホンマノオト21
13:富士見丘 中学入試市場で最も注目される私立中高一貫校(01)注目されてい...
14:ポストコロナ時代の教育(17)開智望小学校・中等教育学校の挑戦。
15:聖学院 8月28日 思考力セミナー注目!
16:思考コードがつくる社会(07)ブランドを切り崩すブランド戦略 洗足 vs...
17:21世紀型教育機構 SGTの躍動が日本を変えると実感
18:2021年変わる中学入試(14)海外大学へそして偏差値至上主義の無化へ加...
19:工学院の田中歩先生と対話 好奇心旺盛になるPBL授業
20:東大合格実績2021から見えるキャリアデザインの特殊化と普遍化の2極化(...
21:セカサク・ワークショップ(01)多様なアプローチが1つの理解に到達するこ...
22:本日及び明日 かえつ有明と和洋九段女子の教師と生徒のみなさんが、小学5-...
23:GLICC Weekly EDU第41回 鈴木さんとのスペシャルダイアロ...
24:石川一郎先生とのメタファー対話の意義 「北風と太陽」のメタファーで教師の...
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27:セカサク・ワークショップ(02)ネルソン・グッドマンの発想実装に挑戦: ...
28:【響】<11>ヒロシマ・ナガサキ・終戦をリフレクションする8月そしてフク...
29:高校の21世紀型教育の今(03)ダイナミック思考に転換できるか?!つまり...
30:2021年中学入試情報(39)横浜創英 応募者総数 前年を上回る!工藤勇...
31:【響】<13>New Nature Cityへ 着々
32:2021年中学入試情報(07)かえつ有明が躍進するわけ 1月29日、副教...
33:New Power School(04)八雲学園 はやくもUPAAの成果...
34:洗足学園 今年も人気 その理由の向こうに見える時代のウネリ。
35:【響】<12>自分とは何か座標
36:工学院の卒業生仲野想太郎さんとの対話
37:文化学園大学杉並の染谷先生 New Power Schoolの価値と作り...
38:世界のエスタブリッシュスクールの教育を大衆化した日本の学校 谷本真由美さ...
39:聖学院 思考力セミナー まるでダ・ヴィンチ・プロジェクト
40:【響】<14>New Nature Cityへ フィリップ・デスコラ b...
41:World Makingの時代(01)2089セカサク覚書
42:富士見丘 中学入試市場で最も注目される私立中高一貫校(03)教師の育てる...
43:【ザ教師】 児浦良裕先生 <私>を捨てて時代を創る
44:思考コードがつくる社会(15)総合力の栄光、英語の聖光、安定した進学校浅...
45:サレジアン国際学園 川上武彦先生語る New Power Schoolと...
46:2021年中学入試情報(11)フェリス女学院応募者増の意味
47:2020年麻布の入試問題 やっぱり傑作!
48:2021年変わる中学入試(02)英語入試広がる。江戸川取手インパクト。実...
49:2021年中学入試を読み解く準備(9)今年も、東洋大学京北中学高等学校の...
50:教育のアップデート~2022年に向けて(20)2089年から世界を創るコ...

 

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