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2021年8月 9日 (月)

高校の21世紀型教育の今(02)21世紀型教育研究センターの多様なPBL

★今月末、21世紀型教育機構は、静岡聖光学院の学びをSGTが共有し、さらなるアイデアを出して、PBL授業をデザインするオンライン・イベントを開催します。その企画を立て、運営するのは同機構の21世紀型教育研究センターのメンバーです。聖学院の児浦先生、工学院の田中歩先生、静岡聖光学院の田代先生、和洋九段女子の新井先生、文化学園大学杉並の染谷先生がリーダーです。今年は、すでに和洋九段女子と聖学院のPBL授業を共有し、ブレイクアウトルームセッションで盛り上がっています。

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★21世紀型教育機構の加盟校は、私の勤務校以外はすべて中高一貫校です。完全中高一貫校は、三田国際と静岡聖光学院で、他は高校入試も行っていますので、共通点はありますが、中学からの教育のリソースがあるかないかは大きな違いです。中学の教育リソースがない場合、多様な授業や学びの形態を運営するというより、一石多鳥のコンパクトな授業をしなければならないので、何を優先するかが肝になります。

★そして、それがゆえに、あらゆる教育活動が大学入試に直結してしまいます。前回ご紹介した21世紀型教育の2つのGマインドセットを怠ると、すぐに知識注入型の20世紀型教育に引き戻されます。幸い、若い先生方が多く、それはないのですが、ではどんなPBL型授業を行うのか、コンストラクショニズムベースではありますが、これは、学習者中心主義ですから、究極的には、学びの設計からモノ作りまで生徒自身が考案していきます。試行錯誤して、プロトタイプをリファインしながら最適な成果物を自ら創り上げ、市場で売れるというところまで持ってくるわけです。ほぼ研究開発ですから、これは勤務校ではなかなかできません。

★文杉のSTEAM教育は、ほぼこのイメージですから羨ましいです。しかし、このPBL授業は海外大学に直結するものであり、そういう意味ではまだ勤務校では、海外大学進学者は個別対応でサポートしています。

★さて、どうするか?そんなとき、参与的傍観者として、教育研究開発センターに時々たち寄らせていただいているので、同センターのリーダーのミーティングの一端を拝見していて、大きなヒントをいただきました。私の悩みに対して、工学院の田中歩先生は、次のように返信してくれました。ありがとうございます。

<なんとなくですが、思考コードや色々なものが出てきて一通り「これ」というものが出そろった時期な気がします。
色んなところで色んな人がアプローチや考え方を表現していて、どれもなるほどと思うところと、ここは「うちだと」こうしたらいいかなーと思うこともあったりします
どんなものをどんな順番で、もしくはどう混ぜるかも自由に選択できるようになるとデカイですね!
この取り組みが、若者たちからスタートし、色んな先生たちが色んなことに興味関心を持ってもらい、学内に波及したり生徒に背中で語ったりできる、「実際をシェアする場」になったらきいなと思います
そうすれば全体が見る景色が似つつも、それぞれの学校が理想は合意形成した形を作り、そのうちこのセンターでやることが波及して、参加すればよかったと思ってくれるといいかもしれませんね! >

★本当にそうなのです。同機構のSGT(スーパーグローバルティーチャー)は、PBLってどうやるのという先生はいないのです。やっている自分のPBLのアイデアは共有できるのだろうか、ぜひ語り合いたいという段階なのです。ですから、多様なアイデアについてデイスカッションすることができるし、そこからまた新しいアイデアが創出されています。

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★今回は、インストラクショニズムとコンストラクショニズムの融合のアイデアが共有されます。その手法がどのようなものなのかは、静岡聖光学院のイベントが終わったら、公開されるでしょう。楽しみにお待ちください。

★私の方は、この多様なPBL授業の在り方を上記のような座標にしました。あくまで、これは勤務校での教育活動の分類でしかありませんが、これからのPBLは、コンストラクショニズムかインストラクショニズムかどちらかではなく、生徒の目的に応じて、両者の関係をデザインできるのでしょう。

★とはいえ、私は欲張りな性格がゆえに、この座標を丸ごとできてしまうPBLはいかにしたら可能かを妄想し始めてしまいます(汗)。

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